女性の再就職を後押しする「リカレント教育」とは

こうした再就職への関心の高まりを受け、政府も支援支持の姿勢を見せている。
安倍首相は、2016年11月に開催した第3回「働き方改革実現会議」での議論も踏まえ、結婚や出産・育児などを機に仕事を辞めた女性の再就職を後押しするために「リカレント教育」に注目していくと発言した。国として、女性が再就職のために学び直しの機会を得られるよう、補助金の拡充などの支援に乗り出す方針だ。
リカレント教育のリカレント(recurrent)とは、「再発する、周期的に起こる」という意味。そもそもは学校教育を修了して社会に出た後も、必要に応じて教育機関に戻って学習し、そこで得た知識や資格、技術を使ってキャリアアップを図り就職するというサイクルを、生涯にわたって周期的に繰り返していくことを意味している。
主なリカレント教育としては、大学が講座を開設し、英語やITなど仕事に必要な技能の実習や職業体験などを行うものがある。離職した女性がこれらの職業教育を受けることで、企業へ正社員として就職する機会を増やしていく狙いだ。
既に、日本女子大や関西学院大大学院などが開講し、雇用保険を財源とする「教育訓練給付金」の対象となっており、対象者は受講料の40%が支給され、修了後1年以内に再就職すればさらに20%が追加支給される。
今後もリカレント教育を受ける費用への補助金の拡充、補助金を受給できる期間の大幅な延長などの法案も検討し、リカレント教育の普及を国としても後押ししていく方針だ。

出産・育児のために離職という選択を取った女性も、機を見て再就職をしたい、というニーズは今後増えていくだろう。その時、女性のブランクをネガティブに捉えるのではなく、ポテンシャルを持った重要な働き手として認識し、企業・行政が支援・環境整備を整えていくことが早急に求められるのではないだろうか。
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