若い管理職が踏みがちな”地雷”とは

第10回 年長のアルバイト・パート従業員と上手にコミュニケーションをとる方法
さて、これまで見てきたのは“年長側”に非がある例でした。今度は、若い社員や店長などの“年下側”に問題がある例を見ていきましょう。

 仕事の現場では、年齢は関係ありません。指令を出す側、雇用する側が“上”であり、指令を受ける側、雇用される側が“下”。しかし、年下の者が年長スタッフに対してタメ口で話しかけたり、「きみ、きみ」と呼びつけたりすれば、年長スタッフが「失礼だ」と感じても無理はありませんよね。

  「その年で、そんなことも知らないの?」「前にも教えたのに、何回言ってもできない」などととイヤミを言うのもいけません。ウソみたいですが、よく聞く話なのです。

 また、事務系の職場でしばしば見られるのが、メールで注意するケース。実は、良好な関係を築く上で、これは厳禁と心得てください。特に年長スタッフの場合は、メールというコミュニケーション手段に慣れていない人がほとんど。必要以上にきつく受け止めたり、文面の裏を読んでしまったりして、真意が伝わらないことが多いのです。

 さらに、メールでの注意は、内容によってはパワハラに認定されてしまうこともあるので気をつけましょう。問題になるのは「何を書いたか」ではなく、「相手がどう受け止めたか」。そのため、注意をするときは、相手の様子を見ながら、口頭で、冷静に行うがベストです。

 これらの失敗を何度も繰り返して、互いの溝が深まっていくと、職場の空気はどんどん険悪になっていきます。現場によっては、スタッフたちが団結し、集団になって社員を無視したり、「あの程度で正社員なの」などと聞えよがしに言うことも……。自分がオーナーであれば、話し合って辞めてもらう道もあるかもしれませんが、普通は自分の一存でスタッフをクビにすることなどできません。どちらかが現場を去るまで、つらい状態が続くのです。

 一方で、スタッフの方が精神や肉体に変調をきたし、通院や入院をよぎなくされるパターンもあります。そうして退職に追い込まれたスタッフが、企業と管理職を相手取り、裁判を起こすことも実際にはよくある話です。

 一度関係が壊れたら、修復はもはや難しいと思ったほうがいいでしょう。そのためにも、うかつな言動を避け、良好な関係を保てるように努力せねばなりません。

知っておきたい、年長スタッフの注意の仕方・褒め方のコツ

よりよい職場を作るためには、間違ったことをしていたら、その都度注意するのが大切です。年長のスタッフであっても、それは変わりありません。ただし、注意する場合はできるだけ別室に呼ぶなどの気遣いは重要。みんなの前で声を荒げて注意することのないようにしてください。

 一方で、よかれと思って褒めたのに、関係がギスギスしてしまった……というのもよく聞く話。「よくできましたね」などの褒め言葉は、年長者相手では失礼に受け取られることもあると覚えておきましょう。褒めたいと思ったときは、「丁寧に○○していただいて、ありがとうございました」「ミスがなくてとても助かります」と感謝の形で表現するのがベストです。

年長スタッフとよりよい関係を築くために

最後に、一歩踏み込んだ信頼関係の築き方をご紹介しましょう。

 年長スタッフのなかには、自分の年齢を気にして、疎外感を感じてしまう人も少なくありません。我々が考える以上に、彼らも年を気にしているのです。

 そこで、スタッフの年齢に関係なく、チーム一丸となれる目標を考えてみてください。たとえば、「今日の売上目標は○○円です。みなさん、がんばりましょうね!」「今日の作業は、力をあわせて○時までにきっちり終わらせましょう」といった具体的な目標がいいでしょう。もちろん、「笑顔の多いお店にして、この地域一番の店舗になりましょう!」といった抽象的なことでもかまいません。

 「そのためには、みなさんの力が必要です。力を貸してください」と話しておくと、スタッフたちのモチベーションアップにもつながります。実際に目標を達成したら、大いに喜びをみなさんで共有してください。「おかげで目標を達成できました。ありがとうございます」と伝えれば、チームの絆はどんどん強まっていきます。

 これまでに培ってきた豊富な知識や経験を持ち、多くのポテンシャルを秘めた年長のスタッフたち。その能力を最大限生かせるよう、気持ちよく働ける環境を整え、楽しんで仕事に取り組んでもらえる仕組みを作れるといいですね。

【良好な関係を保つポイント7つ】
●チームで楽しく働く!
 職場で一緒に働くひとをチームと考え、目標を共有し、一丸となって切磋琢磨する。目標を達成したら「私たち、が
 んばりましたね!」「次はこの目標にチャレンジしてみましょう!」と、良い循環が生まれる。
●「人を“使っている”」意識を捨てる
 日頃から、スタッフたちは「自分の仕事を助けてくれる人」「企業に貢献してくれる人」と考えるのがベスト。「人
 を使っている」という意識でいると、知らず知らずのうちに言動に出てしまうことも。
●年長だからといって、気を遣いすぎない
 年長だからといって、気を遣いすぎて注意ができなかったり、接し方に差をつけすぎたりすると、今度は若いスタッ
 フたちが不満を抱くことも。体力面への配慮や敬意を払う以外は、ほかのスタッフと同じく平等に接することも大
 切。
●年長スタッフは“人生の先輩”
 仕事の上では部下であっても、人生でいえば年長スタッフは自分よりもはるかに先輩。いつでも、「自分よりも人生
 経験の豊富な方として、認めています」という気持ちを忘れずに。
●どんなことも話し合い、柔軟に対応する
 同業種を経験してきた年長スタッフのなかには、「前の職場では○○だったのに、なぜこの職場では違うのか?」と
 疑問を持つ人も。指摘が筋違いであれば仕組みを説明し、正しければ意見を取り入れるなど柔軟な対応が◎。
●名前をしっかり呼ぶ
 どんなにスタッフ数が多くても、「バイトさん」「パートさん」などと雑に呼ばず、それぞれをきちんと名前で呼ぶ
 こと。個として尊重していることを示すことができる。
●あいさつ+αを心がける
 「おはようございます。昨日は遅くまでお疲れ様でした」「お疲れ様です、今日はあの仕事を終わらせていただいて
 助かりました」など、あいさつに一言、ねぎらいの言葉などをプラスする。


提供:インテリジェンス「an report」
http://weban.jp/contents/an_report/index.html
  • 1
  • 2

この記事にリアクションをお願いします!