アフターコロナでフル出社が4倍増、“出社回帰”の傾向に。テレワーク/ハイブリッド勤務の満足度の差は?

株式会社ネクストレベルは2023年9月8日、「アフターコロナの働き方調査」の結果を発表した。調査期間は2023年8月10日~18日で、コロナ禍でテレワークの経験がある会社勤め・オフィスワークの男女275名から回答を得ている。本調査により、コロナ禍前後での働き方の変化や、働き方別に見た満足度などが明らかとなった。

コロナ禍を経て「ハイブリッド勤務」を導入する企業が4割以上に

2023年5月8日より、新型コロナは「5類感染症」へと移行した。これを機に、一部の企業ではテレワークを廃止し、従業員にオフィス出社を要請する「オフィス回帰」が進んでいる。そのような中、コロナ禍前後で働き方に変化があった企業において、変化前後での満足度は異なるのだろうか。

なお、本調査ではコロナ前後の時期を以下の3つに分類している。

コロナ前:第1回の緊急事態宣言が発令された2020年4月より前
コロナ禍:2020年4月~2023年4月
コロナ後:新型コロナが5類感染症に移行した2023年5月以降


はじめに、「新型コロナ前後の働き方」を尋ねた。すると、「フル出社」はコロナ前が77.5%、コロナ禍が9.5%、コロナ後が38.5%と、コロナ禍の時期と比べてコロナ後は約4倍に増えていることがわかった。コロナ前と比べると約半数になっているものの、多くの企業がオフィス回帰の流れにあることがわかった。

また、「ハイブリット勤務」はコロナ前が16.3%、コロナ禍が67.2%、コロナ後が46.2%と、コロナ禍において増加したのち、コロナ後の働き方の中では最も多くを占めた。これを受け同社は、「コロナ禍を経て、出社と在宅勤務のメリットを取り入れたハイブリット勤務を取り入れる働き方がメジャーになりつつあるのではないか」との見解を示している。
アフターコロナでフル出社が4倍増、“出社回帰”の傾向に。テレワーク/ハイブリッド勤務の満足度の差は?

約8割が「テレワークに満足」と答える一方、“フル出社”は満足度が低下傾向に

次に同社は、「働き方と満足度」を尋ね、回答率を比較した。その結果、「満足」との回答者は、「テレワーク」では78.5%、「週1~2出社のハイブリット勤務」が67.8%、「週3~4出社のハイブリット勤務」が45.6%、「フル出社」が33.3%だった。出社回数が増えるにつれ、満足度は下がる傾向にあることがわかった。
アフターコロナでフル出社が4倍増、“出社回帰”の傾向に。テレワーク/ハイブリッド勤務の満足度の差は?

「フル出社」の満足度は男女間で有意差あり

続いて同社は、「『フル出社』に対する満足度」を尋ね、男女別に比較した。すると、女性は「不満」(40%)が最も多く、男性は「満足」(40.9%)が最多だった。

女性からの自由回答には、「出社のための身支度の時間が無駄と感じるから」、「テレワークと出社のハイブリッド勤務で十分に仕事を回せていたため、出社をする意味が見いだせない」などの声が寄せられたという。

男性からは、「テレワークだとメリハリがなく生活習慣が乱れてしまうため」、「出社しているほうが社内のコミュニケーションがとれる」といった声が聞かれたとのことだ。
アフターコロナでフル出社が4倍増、“出社回帰”の傾向に。テレワーク/ハイブリッド勤務の満足度の差は?

「ハイブリット勤務」の満足度は男女ともに半数を超える

続いて同社は、「『ハイブリット勤務』に対する満足度」を尋ね、男女別に比較した。その結果、「満足」との回答は女性が53.8%、男性が57.3%と、男女で大きな差はなく、半数以上が満足感を得ていることが明らかとなった。

「満足」とした人の自由回答では、「出社するとコミュニケーションが取れる、在宅であれば通勤時間がない分、ワークライフバランスが改善されるという観点から、今の週3日出社・週2日在宅はバランスが取れてよいから」、「子どもがいると今までは学級閉鎖の度に休みを取らなければならなかったところを、現在は在宅でも対応できるようになったためストレスがなくなったから」などの声があがったという。

一方、「不満」とした人のコメントには、「仕事とプライベートの切り替えが曖昧になってしまうこともあり、フル出社の方が性格的には合っている」、「フルテレワークに慣れたライフスタイルが出来上がったので、週3出社でも正直きつい」との意見があったようだ。
アフターコロナでフル出社が4倍増、“出社回帰”の傾向に。テレワーク/ハイブリッド勤務の満足度の差は?

「テレワーク」の満足度は男女ともに7割を超え高い傾向に

最後に同社は、男女別に「『テレワーク』に対する満足度」を尋ねた。その結果、「満足」とした女性は76.2%、男性は81%と、男女ともに満足度が高かった。

自由回答では、「通勤の負担が減り、仕事の効率もパフォーマンスもよくなったから」、「都心の会社だが、家賃も物価も安い田舎暮らしをしながら働けるから」といった声があがった。これを受け同社は、「テレワークのメリットは、自分自身で生活のあり方を柔軟にアレンジできる点。在宅勤務は、自宅で集中して効率よく作業を進められる環境が整えば、多くの人にとって満足度の高い働き方と言えそうだ」との見解を示している。
アフターコロナでフル出社が4倍増、“出社回帰”の傾向に。テレワーク/ハイブリッド勤務の満足度の差は?
本調査結果から、コロナ前は「フル出社」が多かったものの、コロナ禍で「ハイブリット勤務」が急増し、コロナ後も4割以上が「ハイブリット勤務」であることがわかった。また、出社回数が増えるにつれて満足度は低下することも明らかとなった。出社・テレワークともにメリットとデメリットが存在するため、従業員の満足度をヒアリングしつつ「ハイブリット勤務」を導入するなど、自社にマッチした働き方を検討していきたい。