“3期連続増収の経営者”の約8割が「パーパスを重視」。経営理念はモチベーションやエンゲージメントにも影響

株式会社オリゾは2023年8月21日、「企業のパーパス浸透と成長に関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2023年7月21日~24日で、パーパス(社会的なつながりを明記した経営理念)を策定しており、3期連続で増収している企業の経営者105名より回答を得ている。本調査により、3期連続増収の企業における日常的な「パーパス意識」の有無や、パーパス策定による効果、反映させている制度などが明らかとなった。

「パーパス」を普段から意識している経営者は4割近くに

パーパスの策定は、ステークホルダーからの支持や従業員のロイヤリティ・ワークエンゲージメントなどを向上させる企業戦略として注目を集めている。では、実際にパーパスを策定したうえで業績が好調な企業の経営者は、日常的にパーパスを意識しているのだろうか。

はじめにオリゾは、「会社を経営する上で、普段からパーパスを意識しているか」を尋ねた。すると、「非常にそう思う」と「ややそう思う」はいずれも38.1%で、合計は76.2%だった。
“3期連続増収の経営者”の約8割が「パーパスを重視」。経営理念はモチベーションやエンゲージメントにも影響

7割以上が「従業員のモチベーションやエンゲージメント向上」にも効果を実感

次に同社は、「パーパスの策定により、従業員のモチベーションやエンゲージメントが向上したと感じるか」を尋ねた。その結果、「非常に感じる」(26.7%)と、「やや感じる」(46.7%)の合計は73.4%と、7割を超えた。
“3期連続増収の経営者”の約8割が「パーパスを重視」。経営理念はモチベーションやエンゲージメントにも影響

5割以上が「パーパスを社内制度に反映・運用できている」と回答

続いて同社は、「自社のパーパスは、評価制度をはじめとした社内の制度に反映・運用できているか」を尋ねた。すると、「とてもできている」(16.2%)と、「ややできている」(39%)の合計は55.2%だった。

対して、「あまりできていない」(30.5%)と、「全くできていない」(9.5%)の合計は40%と、社内の制度に反映・運用できていない企業が4割あることもわかった。
“3期連続増収の経営者”の約8割が「パーパスを重視」。経営理念はモチベーションやエンゲージメントにも影響

6割強がパーパスを「評価制度」や「報酬制度」に反映している

次に同社は、「パーパスの反映や運営ができている」とした経営者を対象に、「パーパスを反映させている社内の制度」を尋ねた。その結果、「評価制度」と「報酬制度」(いずれも63.8%)が最も多く、次に、「研修制度」と「マネジメント制度」(いずれも37.9%)が続いた。

自由回答には、「昇進時の査定」や「社員表彰制度」、「社内規範全般」などの声が寄せられたという。
“3期連続増収の経営者”の約8割が「パーパスを重視」。経営理念はモチベーションやエンゲージメントにも影響

「パーパスの具体化」や「評価基準の明確化」の実施が効果的か

続いて同社は、「パーパスの反映や運営ができている」とした経営者に、「そのために行っていること」を尋ねた。すると、「パーパスを具体化する」(55.2%)が最も多く、以下、「制度の評価基準を明確にする」(44.8%)、「パーパスの社内での知名度を上げる」(43.1%)が続いた。
“3期連続増収の経営者”の約8割が「パーパスを重視」。経営理念はモチベーションやエンゲージメントにも影響
調査結果から、普段からパーパスを意識している経営者は7割を超えた。また、「パーパスを社内の制度に反映・運用できている」とした企業では、評価制度や報酬制度に反映していることもわかった。経営が順調な企業では、パーパスを反映することで従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上を実感していることから、事業発展を目指す企業はパーパスの策定や反映、浸透を図ってみてはいかがだろうか。