UBE、生成AI活用による“壁打ち支援ツール”を自社開発・全社導入。仮説構築力と提案力強化に向けた社員の思考支援に

UBE株式会社は2026年2月24日、社員の仮説構築力向上を目的とした独自ツールを開発し、2026年3月より全社導入すると発表した。本ツールの開発・導入によって同社は、生成AIを社員にとっての“思考の壁打ち相手”として活用する取り組みを本格化させる姿勢だ。


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仮説構築と価値提案のスピード向上を狙うDX施策

生成AIの企業活用が広がるなか、単なる業務効率化にとどまらず、「思考の質」を高める活用に踏み出す企業が出てきた。

UBEが自社開発と導入を発表した、生成AI活用による“壁打ち”支援ツールは、研究開発やマーケティング、営業など価値創出に関わる部門を中心に、仮説構築から提案までのリードタイム短縮を図るものだ。生成AIを単なる回答生成ツールではなく、社員の思考を深めるパートナーとして位置づける点が特徴となっている。

同社は、スペシャリティ事業において「どの技術を、どの価値として、どの市場に届けるか」を構想し、迅速に顧客へ提案することが競争力の源泉になるとしている。そのためには、仮説を立て、提案し、フィードバックを受けて磨き上げる一連のプロセスをいかに短縮できるかが重要になるとのことだ。

今回開発されたツールは、こうした課題を背景に生まれたものだ。社員が検討中のテーマやアイデアを入力すると、生成AIが問いかけを重ねることで論点を整理し、思考を深掘りしていく。あらゆる公開情報を参照しながら対話形式で検討を進められるため、一定水準のアウトプットを短時間でまとめることが可能になるという。単に回答を提示するのではなく、あくまで社員自身の思考を促す設計にしている点が狙いとなっているようだ。


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過去のAI開発ノウハウを活用し、「問い」で深める設計

本ツールは、2024年に同社が自社開発した安全支援プラットフォーム「あんぜんボットくん」で培った生成AI技術を基盤としている。開発にあたっては社内有識者と議論を重ね、実務で有効と考えられる“壁打ち観点”をプロンプトに反映させたという。

なお、ツールの特徴は「すぐに答えを示す」のではなく「問いを通じて考えさせる」点にあるとしている。例えば、前提条件の整理や想定顧客の明確化、競合との差別化要素など、検討段階で見落としがちな観点をAIが投げかけることで、思考の抜け漏れを防ぐ。

これにより、社員はAIを“壁打ち相手”として活用しながら仮説の精度を高め、そのアウトプットを起点に社内関係部署や顧客との対話を進めることができる。スピードと質の両立を図る狙いだ。

ツールの活用イメージは、下記の通り。
ツールの活用イメージ

「自ら考え、やり抜く」組織風土の醸成へ

UBEは本ツールの全社導入を通じて、社員一人ひとりが自ら考え、周囲と共創しながら行動する組織風土の醸成を目指すとしている。生成AIを単なる効率化ツールではなく、価値創出力を底上げする基盤として位置づける姿勢がうかがえる。

同社のパーパス「希望ある化学で、難題を打ち破る。」の体現に向け、デジタル技術を活用した思考支援の取り組みがどこまで成果につながるかは注目だ。
生成AI活用が広がる中で、UBEは“答えを出すAI”ではなく、“考えを深めるAI”としての活用に踏み出した。仮説構築や価値提案といった創造的業務にAIを組み込む動きは、今後の企業DXの一つの方向性にもなるかもしれない。同社の取り組みは、生成AIの次の活用ステージを探る事例として、他企業にとっても参考になりそうだ。

出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP703474_U6A220C2000000/

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