人事のプロから「HRの考え」を学ぶ

第1回

「What」と「Why」が
人事施策の浸透を生み、
ストーリーが変革の仲間を増やす

――カゴメ有沢氏から学ぶ人材マネジメントの考え方と重要性

Introduction

株式会社SmartHRが人事のプロフェッショナルを迎え、各人が持つHRの考えから人事業務に役立つヒントを探るシリーズ企画「人事のプロから『HRの考え』を学ぶ」。第1回目は、日系・外資企業で様々な人事改革を主導した人事のプロであり、現在はカゴメ株式会社 常務執行役員CHOである有沢 正人氏に話を伺った。カゴメはこの10年弱で、ジョブ型人事制度の導入、評価制度・報酬体系の抜本的な改革、社員のキャリア自律を促す制度やHRBPの設置など、大胆な人事組織改革に取り組んでいる。今回は、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」のプロダクトマーケティングマネージャー 重松 裕三氏がインタビュアーを務め、「人材マネジメントの考え方と重要性」をテーマに、人事部門のあるべき姿やデータ活用のポイントなどを伺った。

カゴメの人事制度設計で遵守している3つのプリンシプル

重松氏:本日はカゴメ株式会社 有沢様に人材マネジメントに対する考え方や重要性などについて伺いたいと思います。まずはカゴメ様が人材マネジメントにおいて大切にされていることを教えていただけますでしょうか。

有沢氏:カゴメの人事では、3つのプリンシプルを掲げています。「Pay for Job(仕事に払う)」、「Pay for Performance(業績に払う)」、「Pay for Differentiation(報酬に差を付けて払う)」。これらを、人事制度設計や運用において遵守しています。
私は2012年にカゴメに入社しましたが、それまでは完全なる年功序列で「人にお金を払う」という考え方でした。そこを、「仕事に払う」、「業績に払う」という考え方に変えていきました。いわゆる「ジョブ型雇用」の導入ですね。そうすると、年齢に関係なく優秀な人を抜擢しやすくなります。抜擢が当たり前だという風土ができると、組織は活性化されていき、組織開発につながっていきます。

重松氏:現在、「ジョブ型雇用」への関心は高まり、実際に導入を進める企業も増えています。そこで気をつけるべきことはどのようなことでしょうか。

有沢氏:「ジョブ型」を導入するだけで満足してしまう企業が多いような気がします。ジョブ型雇用を導入する場合、報酬制度と評価制度も一緒に変えなければなりません。しかし、結果が出ない企業の多くは、「ジョブ型」を導入しても、評価・報酬制度はメンバーシップ型雇用時代の制度のままなんです。そこを、カゴメでは徹底的に「結果を出した人に報いる」制度に変えました。具体的には、職務等級を導入し、役員そして全社の評価・報酬制度を全面的に変更したのです。

以前は差を付けない文化でしたが、掲げたプリンシプルに従って差をつけるようにし、報酬体系も見える化しました。まずは、社長の年収から公開したんです。社内報に報酬体系の詳細、そして社長のインタビューをあわせて掲載しました。

重松氏:社長の年収を公開するなんて、大胆な取り組みでとても驚きます。カゴメ様のように伝統ある企業では、従来の制度を変えることは難しいのではないでしょうか。

有沢氏:カゴメは創業から120年以上の歴史がありますが、「伝統ある企業だから変えるのは難しい」という言い訳は通用しないと思っています。『人材版伊藤レポート(※)』にもあるように、人材戦略は事業戦略と経営戦略と連動しているべきです。このままでは日本社会は少子高齢化がどんどん進展し、カゴメも決して安泰ではありません。やるべきことは、新しい事業を開拓すること。それを後押しするためにも、人事制度をガラリと変えたのです。

※:2020年9月に経済産業省から公表された『持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書』の通称

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この後、下記のトピックで、インタビューが続きます。

  • 人事こそ、最もエッジの効いた部署であるべき
  • 「What」と「Why」を丁寧に説明してこそ、新たな施策が浸透する
  • 人事データを活用しながら、従業員の未来を逆算した配置やキャリア自律を実現していく
  • 現場の痛みを知る人こそ、HRBPの資格がある
  • 人事は経営層のコンサルタントであるべき

Profile

プロフィール

有沢 正人 氏

カゴメ株式会社
常務執行役員CHO(最高人事責任者)

慶應義塾大学商学部卒業後、1984年に協和銀行(現りそな銀行)に入行。銀行派遣にて米国でMBAを取得後、主に人事、経営企画に携わる。2004年に日系精密機器メーカーであるHOYAに入社。人事担当ディレクターとして全世界のグループ人事を統括、全世界共通の職務等級制度や評価制度の導入を行う。2009年に外資系保険会社であるAIU保険に人事担当執行役員として入社。ニューヨーク本社とともに、日本独自のジョブグレーディング制度や評価制度を構築する。2012年1月、カゴメ株式会社に特別顧問として入社。カゴメの人事面におけるグローバル化の統括責任者となり、全世界共通の人事制度の構築を行っている。2012年10月執行役員人事部長、2017年10月執行役員CHO就任。2018年4月より現職。

重松 裕三 氏

株式会社SmartHR
プロダクトマーケティングマネージャー

慶應義塾大学商学部卒業後、コンシューマー向けプロダクトを開発する企業で、プロダクトマネージャーとして新規事業の立ち上げを複数手掛けつつ、組織内最大チームのマネジメントを担う。2019 年、SmartHR に入社し、プロダクトマーケティングマネージャーとしてクラウド人事労務ソフト「SmartHR」の機能開発に貢献。人事情報を活用し組織の力を向上させるサービスの企画開発も担当し、2020年9月に「従業員サーベイ」機能を、2021年10月に「人事評価」機能をリリース。

Service

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