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個の働き方が問われる時代に…生産性向上と経費削減を実現するテレワークの可能性

働き方改革が進み、柔軟かつ多様なワークスタイルが求められる昨今、その重要な鍵として注目されているのがテレワーク。働き手のニーズの高まりとともに、日本企業も少しずつ導入を進めているが、広く普及するまでには越えるべき障壁も少なくない。果たしてどのような課題があるのか。またテレワークによって、何がもたらされるのか――。法政大学名誉教授であり、日本テレワーク協会アドバイザーの諏訪康雄氏にテレワークの過去・現在・未来についてお話を伺った。

広がりつつあるテレワークの波 その現状や課題とは?

寺澤欧米諸国ではすでに普及しているテレワークですが、日本でも近年ようやく推進の動きが広まりつつあります。しかし定着するまでには、越えなくてはならないハードルもまだまだ少なくありません。そこでまずは日本におけるテレワークの現状や課題についてお聞かせいただけないでしょうか。

諏訪日本にテレワークが入ってきたのは、実は40年も前のことです。しかし、ごく一部の人たちには注目されたものの、社会的にはまったく普及しませんでした。その理由は、当時すでにテレワークが普及しつつあったアメリカなどと比べると、日本は国土も狭く、近い場所に人が集まって集団的に仕事をする文化が強固に定着していたため、テレワークという形態を取り入れる必然性がなかったからです。またパソコンの性能がまだまだ低く、ソフトウェアが少なかったことも要因の一つでしょう。

その後、1990年代に入ると、パソコンや携帯電話が普及し、宅急便やバイク便などのインフラも整い、さらに多くの企業が裁量労働制やフレックスタイム制などを取り入れ始めたことで、テレワークは徐々に拡大。そして2000年以降、外資系企業やベンチャー企業などを中心に本格的に普及してきました。現在最も導入が進んでいる業界といえば、ICTや知的情報サービスなどが挙げられますが、一方で本来テレワークには向かないと言われてきた製造業でもパナソニックやトヨタなどが取り入れ始め、さらに三菱UFJ銀行や三井住友銀行も導入するなど、テレワークの波は今やさまざまな分野に広がりつつあります。

寺澤こうしたテレワークの広がりには、どのような社会的背景があるのでしょうか?

諏訪単純に働く側がそれを求めているのです。人手不足が深刻になる中、企業は働く側の要望に応えないと良い人材を得られません。特にこれからの時代、女性やシニアの方に活躍してもらうためには、テレワークという働き方が極めて重要になると思います。また若い人たちに関しても昨今はワークライフバランスに非常に敏感になっているため、企業はより積極的にテレワークを取り入れる必要があるでしょう。

寺澤ようやく日本もインフラや制度などテレワークのための環境が整ってきましたが、それでもなお定着しきれていないのには、どのような原因があるのでしょうか?

諏訪おっしゃる通り、パソコンもソフトウェアもセキュリティも、今やテレワーク導入の障害にはなりません。しかし最後に一つだけ、障害が残っています。それは人間、特に管理職です。部下の顔を見ながら臨機応変に仕事を割り振るような従来の日本型管理職は、そもそもテレワークには向いていません。テレワークを行うためには、あらかじめ仕事の仕様を明確化する必要がありますが、日本の管理職にはそういった訓練が欠けています。そこでポイントになるのは、管理職にテレワークを体感させること。自分で実際にやってみて、長所短所を含め、テレワークについて正しい認識を持たせることが重要でしょう。

このあと、インタビューはまだまだ続きます。

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法政大学
名誉教授
日本テレワーク協会アドバイザー
諏訪 康雄氏

1947年東京生まれ。1970年一橋大学法学部卒業後、ボローニャ大学、東京大学大学院などを経て、1986年法政大学社会学部教授。ボローニャ大学客員教授、トレント大学客員教授、厚生労働省・労働政策審議会会長、中央労働委員会会長なども歴任し、現在、法政大学名誉教授。2006年には、社会人基礎力に関する研究会座長(経済産業省)を務めた。著書に『雇用政策とキャリア権』『雇用と法』『労使コミュニケーションと法』ほか。

ProFuture代表
HR総研所長
寺澤 康介

1986年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、15年にProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。2012年、HR総研所長に就任。 著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』『経営と人事 対話のすすめ』、編著に『経営を変える、攻めの人事へ』(いずれもProFutureより出版)などがある。

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