夏の暑さで約9割が「仕事のやる気減少」。テレワーク希望者が6割を超える中、出社回帰が夏バテに影響か

株式会社ライボは2023年8月14日、「2023年夏の働き方実態調査」の結果を発表した。調査期間は2023年7月26日~31日で、企業で勤務する20~50代の男女743名より回答を得ている。本調査より、夏の暑さが仕事のやる気に与える影響や、夏の理想の働き方と実際の働き方、やる気が向上・低下する季節などが明らかとなった。

大多数が夏の暑さで「仕事のやる気が減少」と回答。夏バテによる影響も半数以上に

この夏は連日熱中症警戒アラートが発令され、猛暑が続く一方で、新型コロナの5類以降に伴い徐々に出社回帰が行われている。こうした夏の暑さは、社会人の「働き方」や「やる気」にどのような影響を与えるのだろうか。

はじめにライボは、「夏の暑さは仕事のやる気減少に影響するか」を尋ねた。すると、「とても影響する」が37.4%、「影響する」が30.3%、「どちらかといえば影響する」が21.1%だった。「夏の暑さが仕事に影響する」とした人は合計88.8%と、約9割におよぶことが明らかとなった。

また、「夏バテを起こし仕事に影響した経験があるか」を尋ねると、「経験あり」は51.8%、「経験なし」が48.2%だった。夏バテが仕事に影響したことがある人は、半数以上いることがわかった。
夏の暑さで約9割が「仕事のやる気減少」。テレワーク希望者が6割を超える中、出社回帰が夏バテに影響か

「夏バテ予防をしている」人は7割に。「水分補給」や「睡眠・生活リズム」を重視

次に同社は、「夏バテ予防をしているか」を尋ねた。その結果、「とても予防している」(10.2%)、「予防している」(29.6%)、「どちらかといえば予防している」(33%)の合計は72.8%だった。

そこで、「夏バテ予防をしている」とした回答者に、「予防として実施していること」を尋ねたところ、最も多かったのは「こまめに水分を補給する」(64.5%)だった。以下、「睡眠をしっかりとる」(62%)、「生活リズムを整える」(56%)が続いた。
夏の暑さで約9割が「仕事のやる気減少」。テレワーク希望者が6割を超える中、出社回帰が夏バテに影響か

仕事のやる気が低下する季節は「夏」が多数。暑さはやる気に直結か

続いて同社は、「仕事のやる気が最も低下する季節」を尋ねた。すると、「夏」(46.1%)が最も多く、以下、「特にない」(21.9%)、「冬」(18.6%)、「春」(8.6%)、「秋」(4.8%)と続いた。半数近くが夏にやる気の低下を感じていることがわかった。その一方で、季節に左右されることがない人も2割程度いた。

また、「夏にやる気が低下する」とした回答者に、「低下する理由」を尋ねた。その結果、「気温が上がるから」が88.6%と突出した。以下、「連休があるから」が5.9%、「期が変わるタイミングだから」が3.8%だった。多くの人が、夏の暑さを原因として仕事のやる気が低下している実態が判明した。
夏の暑さで約9割が「仕事のやる気減少」。テレワーク希望者が6割を超える中、出社回帰が夏バテに影響か

仕事のやる気が向上する季節は「秋」が多数。「気温が下がる」ことで回復か

次に同社は、「仕事のやる気が最も高まる季節」を尋ねた。すると、最も多かったのは「秋」(30.7%)で、以下、「春」(28.9%)、「特にない」(24%)、「冬」(8.6%)、「夏」(7.8%)と続いた。秋や春など、暑さや寒さが和らぐ季節にやる気が高まる傾向があるようだ。

また、「秋にやる気が向上する」とした回答者に、「高まる理由」を尋ねた。その結果、「気温が下がるから」(64.9%)、「期が変わるタイミングだから」(19.3%)、「連休があるから」(8.3%)と続いた。夏の暑さによって低下したやる気は、涼しくなり始めた秋に回復していくと予測される。
夏の暑さで約9割が「仕事のやる気減少」。テレワーク希望者が6割を超える中、出社回帰が夏バテに影響か

理想の夏の働き方は「テレワーク」が多数も、現実は「出社」が多数

さらに同社は、「“理想”の夏の働き方」を尋ねた。すると、「必ずテレワークで働きたい」(14.9%)、「テレワークで働きたい」(19.2%)、「どちらかといえばテレワークで働きたい」(32.2%)の合計は66.3%だった。“理想”としてテレワークで働きたい人が6割を超えた。

対して、「“実際”の夏の働き方」を尋ねると、「出社のみ」(39.4%)と、「出社多め」(14.3%)と、「どちらかといえば出社多め」(14.9%)の合計は68.6%だった。6割以上がテレワークで働きたいとする“理想”とは裏腹に、“実際”は約7割が出社していることが明らかとなった。
夏の暑さで約9割が「仕事のやる気減少」。テレワーク希望者が6割を超える中、出社回帰が夏バテに影響か

パフォーマンスや体調の低下を懸念し「テレワーク」を理想とする声も

最後に同社は、夏の働き方について「出社が理想」とした回答者に「その理由」を尋ねた。すると、「一緒に仕事をする人が出社する」(40.8%)、「気分転換をしたい」(30.4%)、「家の冷房費がかかる」(26%)が上位にあがった。

それに対し、「テレワークが理想」とした回答者に「その理由」を尋ねると、「外が暑い」(76%)が最も多かった。次いで、「移動による汗対策が面倒」、「テレワークのほうが快適」(いずれも57.8%)となった。

自由回答には、「特に今年の夏は異常な暑さなのに出社しか選べないのはおかしい」や「仕事柄仕方はないが、猛暑なのにスーツでの勤務はつらい。体調に影響が出そう」、「オフィスは冷房で寒く服装での調節が大変なので、気温差で風邪を引きそう」などの声が寄せられたという。
夏の暑さで約9割が「仕事のやる気減少」。テレワーク希望者が6割を超える中、出社回帰が夏バテに影響か
本調査結果から、「夏の暑さは仕事のやる気の減少に影響する」とした人は9割に迫ることがわかった。また、理想として「テレワークで働きたい」とする人は6割以上いるものの、約7割が実際に出社していることも明らかとなった。テレワークでの仕事のパフォーマンスや効率を重視した環境を求める声や、暑さによる体調不良を懸念する声も多いことから、“季節に配慮した働き方”も検討していく必要があるといえるだろう。