25卒から「採用直結型インターンシップ」が可能に。就活ルール変更に賛成が大半も、“大手に有利”な状況を懸念する声

株式会社月刊総務は2023年5月30日、「インターンシップについての調査」の結果を発表した。調査期間は2023年4月10日~25日で、全国の総務担当者74名から回答を得た。本調査から、「採用直結型」のインターンシップの認知度や今年度のインターンシップでの採用実施率などが明らかとなった。

インターンシップの採用直結が可能になったことを「知らない」が4割

2025年卒から就職活動のルールが変更になり、「採用直結型」のインターンシップが可能となったが、全国の総務担当者はどの程度認知しているのだろうか。まず月間総務は「インターンシップを採用に直結できるようになることを知っているか」と尋ねた。すると、「知っている」が55.4%、「知らない」が44.6%だった。
25卒から「採用直結型インターンシップ」が可能に。就活ルール変更に賛成が大半も、“大手に有利”な状況を懸念する声

採用直結インターンに「賛成」する理由と懸念点とは?

続いて同社が、「インターンシップの採用直結に賛成か」を尋ねたところ、「賛成」が74.3%、「反対」が25.7%となった。

あわせてそれぞれの理由をフリーコメントで聞くと、「賛成」の意見として、「採用者にあった職種・環境の確認ができ、雇う側も必要な人材を確保できる」や「就職後の業務へのランディングがスムーズ」、「人となりがわかっているほうが採用しやすいと思う」といった声が寄せられたという。

一方で、「反対する理由」には「大手に優秀な学生を早期に確保されて厳しくなる」や「企業間での囲い込みが一層激しくなる」、「学生の本分である学業に多大な影響を与えかねない」などの意見があがったとのことだ。
25卒から「採用直結型インターンシップ」が可能に。就活ルール変更に賛成が大半も、“大手に有利”な状況を懸念する声

新卒採用企業のうち7割強はインターンシップも実施

次に、「2025年卒の新卒採用を実施する予定がある」との回答者(43名)に、「今年度インターンシップを実施する予定があるか」を同社が質問した。その結果、「実施する」が72.1%、「実施しない」が7%、「未定」21%だった。
25卒から「採用直結型インターンシップ」が可能に。就活ルール変更に賛成が大半も、“大手に有利”な状況を懸念する声

「インターンシップでの採用活動を行う」とする企業の割合や理由とは

また、「今年度インターンシップを実施する」とした人に「インターンシップによる採用活動を行うか」を聞くと、「行う」が62.9%、「行わない」が8.6%、「未定」が28.6%だった。

インターンシップによる採用活動を行う理由についてのフリーコメントでは、「より親和性の高い学生を採用したいから」や「採用目的で良い学生と巡り合いたいだけでなく、業務の上での戦略として期待している」といった声があがった。

一方で、行わない理由には、「職業体験を経て当社に魅力を感じるか否かは、学生が自主的に考える問題であり、こちらからアプローチすることはインターンシップ本来の意図から外れる」という意見が寄せられたという。
25卒から「採用直結型インターンシップ」が可能に。就活ルール変更に賛成が大半も、“大手に有利”な状況を懸念する声

インターンシップによる採用予定人数を「全体の2割未満」とする企業が最多

続いて同社が、「インターンシップによる採用活動を行う」と回答した人に、「インターンシップにより、採用予定人数の何割を確保したいか」を尋ねたところ、「20%未満」(40.9%)が最多だった。以下、「40%以上?60%未満」(36.4%)、「20%以上?40%未満」(13.6%)と続いた。
25卒から「採用直結型インターンシップ」が可能に。就活ルール変更に賛成が大半も、“大手に有利”な状況を懸念する声
本調査結果で、2025年卒より採用直結型のインターンシップが可能となることに「賛成」の総務担当者は7割を超えた。一方で、採用直結型のインターンシップに関しては、選考の早期化や競争の激化を懸念する声もあがった。自社でのインターンシップはどのように実施し採用につなげていくか、周囲の状況も見つつ検討を重ねていきたい。