社会、経済の変化が激しい現代、企業人事は、率先して変革を推進する主体であるとともに、事業部門のビジネス・パートナーとして、ビジネスに貢献することが求められています。
また、「ESG経営」が注目される昨今、企業の業績や生産性向上に人事がどのように貢献しているかを見える化し、「人的資本」に関する具体的なエビデンス・データを投資家や経営陣に開示する取り組みが、より一層求められるようになってきました。HRテクノロジーと人事ビッグデータの活用は、いまや世界標準の大きなトレンドになりつつあると言えるでしょう。 「HRテクノロジー大賞」(後援:産業技術総合研究所、情報処理推進機構、中小企業基盤整備機構、株式会社ビジネスパブリッシング、一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム(HRT)、一般社団法人人的資本と企業価値向上研究会、一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会、HR総研(ProFuture株式会社))は、日本のHRテクノロジー、人事ビッグデータ(アナリティクス)の優れた取り組みやサービスを表彰することで、この分野の進化発展に寄与することを目的に、今年第10回が開催されました。
第10回の応募総数は78事例で、厳正な審査の結果、その中から22事例が選ばれました。| 【審査委員】 |
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| 【授賞式概要】 |
開催名:「第10回 HRテクノロジー大賞」授賞式 開催日:2025年9月24日(水) 如水会館(東京都千代田区一ッ橋2-1-1) ※授賞式は、授賞企業関係者のみのご招待制となります。 |
社員が本音を話しにくいという従来の面談の課題を解決するため、親しみやすい博多弁キャラクター「めん太くん」と、プロのメンター技術を学習したAIが自然な対話を通じて個人の悩み要因を収集。収集した悩み要因と、性格や価値観などの個人データを組み合わせたピープルアナリティクスにより、上司には最適な面談方法を提案し、コミュニケーションの改善を支援しています。その結果、退職リスクを従来の約3倍の精度で検知できるようになったほか、AIレコメンドを活用した上司の退職防止アクションにより、退職リスクの高い社員の71.9%がポジティブに変化。人材流出の防止や生産性向上に寄与する、総合的に優れた取り組みとして高く評価されました。
2万人超の社員と1万超のポストの大規模マッチングをAIで実現した革新的な人材配置システム。社員の希望・スキル・職歴を分析し、最適な異動先をAIが提案することで、個人のキャリア探索時間を大幅に短縮しつつ、組織全体の人材活用を最適化する画期的な取り組み。仕事と自身の理解を深め、公募等の挑戦促進など自律的キャリア形成へ寄与しているほか、年間約1,200時間の業務効率化を達成し、データドリブンな人事運営により適材適所と生産性向上を実現。人材マネジメントの高度化に寄与する優れた取り組みであると高く評価されました。
これまで役員や管理職だけが受けられた高品質なコーチングを、AIによって全社員が利用できるようにした画期的サービス。24時間365日、テキストと音声会話で対話可能なAIコーチが、目標達成支援、日常業務の相談対応、コミュニケーション練習など、一人ひとりに最適な指導を提供。科学的エビデンスに基づいたコーチングと倫理的なAI設計により、これまでコーチングを受けられなかった層への能力開発を促進し、従業員エンゲージメント、生産性向上、変化に強い組織文化の醸成に貢献する優れたサービスであると高く評価されました。
KDDI版ジョブ型人事制度導入時の30の専門領域を153のジョブに細分化し、各ジョブの必要スキルを定義するとともに、内製開発したアセスメントツールで社員のスキルを定量測定する仕組みを構築。併せて、AIプロンプトの配布やHRダッシュボードなどのテクノロジー支援策の実施により、現場主導の自律的スキル開発を促進。注力領域におけるプロ人財比率は、2年(22年度と24年度の比較)で約15%向上し、若手登用管理職比率も4年(21年4月と25年4月の比較)で約3倍に増加するなど、人財の適材適所配置と組織全体の生産性向上に寄与する優れた取り組みであると高く評価されました。
管理職への昇進に不安を感じる女性の自己効力感を高めるため、似たような状況や価値観の人に触れる中で「自分もできそう」と思える「代理経験」の機会として、他社の女性リーダーと1対1で対話できる社外メンタリングシステムを提供。AIが相談内容や職場環境を分析して最適なメンター候補を選定し、面談進行も完全自動化。プログラム終了後には「管理職になりたい」という意向を持つ女性が33%から70%に向上するなど大幅な意識変容を実現。従来の社内メンタリング制度の限界を打破し、女性活躍推進に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
AIを活用して面接官の表情や話し方、質問内容などの要素を分析し、属人的だった面接プロセスを可視化することで、面接官は自身の強みと改善点を客観的に把握できる取り組み。AI採点機能を備えたeラーニングシステムや個別フィードバックレポートを繰り返し、面接官ごとに個別最適化された学習により、面接官のスキル向上を支援。これにより、内定承諾・入社率の10%向上を実現。デジタルとヒューマンスキルを融合させた新たな採用アプローチにより、採用活動の質向上と人材獲得力強化に寄与する優れた取り組みであると高く評価されました。
企業の採用活動をマーケティングに変革する採用DXプラットフォーム。従業員をリクルーター化するリファラル採用サービスや候補者や従業員データを資産として活用する採用MAサービス、ノーコードで自社採用メディアを構築する採用ブランディングサービスなどの複数のSaaSモジュールをシングルIDでシームレスに利用可能とし、採用マーケティングを一気通貫で支援。各サービスが連携することで単体では実現できない包括的な採用マーケティングを実現。採用業務の効率化と企業の採用力強化に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
ホールディングス主催の対面研修を、一部フィールドワークも含めオンライン化。製造工程をVR化した360°工場見学や印刷博物館等の施設のVRコンテンツ化、ビジネススキルを学ぶサブスクリプション型イーラーニング、メタバース空間でのアバター交流など、最新デジタル技術を駆使した教育プログラムを提供。従来の対面研修の質を保ちつつオンライン化することで、地域間格差を解消し、子育てや介護など様々なライフイベントと両立しながら働く社員も参加可能に。全社員の継続的な学習機会の創出に寄与する優れた取り組みであると高く評価されました。
経済産業省のデジタルスキル標準に準拠したアセスメント『DIA』により、社員一人ひとりのスキル・素養を可視化し、生成AIを活用して育成すべき人材要件を即座に定義、また各社員のスコアをもとに個別最適化された学習支援を行うとともに、実践力強化を目的とした研修・OJT支援までを一気通貫で行う、企業向けのDX人材育成支援サービス。アセスメントと学習を通じて社員のスキルを効率的に底上げし、戦略実行力を強化。企業の業務のデジタル化と人材活用の最適化による生産性向上に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
今回の授賞企業はございませんでした。
PC利用状況やアプリ使用状況を可視化する労務管理ツール。勤怠データとPC稼働ログを突合することで、法令遵守や働き方の見直しを推進。労務管理で求められる各種データの取得工数がほぼゼロになり、管理者の業務負荷を大幅に削減。作業状況を記録することで、業務過多と業務量の少ないメンバーの把握が可能となり、業務の平準化とパフォーマンスの最大化を可能に。「隠れサービス残業の把握」「労働時間の実態把握」「テレワークの推進」の課題を解決し、労務リスクを低減する優れたサービスであると高く評価されました。
評価の平均値が高い/低いといった評価者バイアスが含まれる「360度評価」の相対比較を可能にするために、スポーツチームのランキングなどに使われるレーティングアルゴリズム(Bradley-Terryモデル)を応用した独自技術を開発。評価者による評価基準の違いを自動補正し、社員ごとに新たなスコア(デバイアススコア)を算出することで、組織を横断した比較を可能にし、ヤフーとLINEの経営統合時における客観的な人材評価を実現。人事評価の公平性向上と評価者の負担軽減に寄与する優れた取り組みであると高く評価されました。
従来の一方向評価では見逃されがちな視点や意見を収集し、社員の強みと改善点を詳細に分析し、包括的なフィードバックを提供するクラウドサービス。AIを活用したテキスト分析機能や、専門知識を有するコンサルタントが準備から結果レポートの作成、運用・改善アドバイスなどの伴走支援することにより、単なる評価で終わらせず個人の成長と組織力向上を実現。個人の成長計画策定から組織全体のコミュニケーションの改善まで、企業のデータドリブンな戦略的人材育成と組織開発に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
グループを跨いだシナジー創出と人的資本の最大化を目的に、戦略的人材流動化(人材の最適配置)を促進するためのシステムを構築。独自AIモデルにより、組織適性と個人の成長可能性を分析し、最適な人材配置を提案。AI活用による定量的な人材選定と、人による定性的支援を融合させた、効率的なグループ内の人材流動化を促進させるシステムとして、シナジー創出に寄与する可能性がある優れた取り組みであると高く評価されました。
独自に構築した学習データを活用したAIが、DX時代に対応した職務記述書(JD)を自動生成するサービス。従来数ヶ月を要するJD作成を短時間で実現し、現在必要なスキルに加えて将来のデジタル化を見据えた業務変化とスキル要件を予測。既存の研修体系との紐付けにより受講すべき研修を可視化し、個別最適化された人材育成を可能に。部署自体の業務内容を分析し、メンバーに必要なスキルセットも明示。これまで曖昧だった職種ごとのスキル定義を明確化し、企業の戦略的人材開発に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
個人特性が営業成果にどのようにつながるかを可視化し、特性に応じた指導を可能にするデータドリブン型OJTシステムを構築。営業メンバーの心理特性データと業績データを統合分析し、高業績者の行動パターンを解明。上司が部下の心理特性を理解した上で効果的な指導を行うことにより、営業メンバーの行動変容を促進し、受注件数30%増を実現。営業組織の生産性向上と、地域密着型金融サービスに必要な信頼構築力の向上により地域活性化にも貢献する優れた取り組みであると高く評価されました。
AIとデータを活用して女性特有の健康課題を可視化し、個別最適化されたケア提案を行う法人向け健康支援サービス。月経・更年期などの周期データをAIが解析して体調変化を予測し、生成AIによる個別化レポートで従業員の行動変容を促進。世界初のフェムテック領域への生成AI本格導入により、企業の健康経営推進とDEI戦略を支援し、導入後平均2ヶ月で約16%の従業員パフォーマンス向上を実現。女性の健康課題による労働損失の軽減と組織全体の生産性向上に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
従業員の信頼できる知人を多段階で招待する仕組みにより、自社にフィットする人材のネットワークを拡大するリファラル採用プラットフォーム。招待した人材をブロックチェーン上でNFT化し、マッチング成功時に永続的な協力金を得られる独自のインセンティブ設計により、転職意向のない人材も含めて積極的な紹介を促進。「類は友を呼ぶ」構造でカルチャーフィットする優秀人材を効率的に発掘し、採用コストの削減とミスマッチの低減による企業の採用力強化に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
AIとの対話を通じて従業員の業務・感情・行動をリアルタイムに解析し、組織の変化を可視化する会話型AIエージェント。従来の定点観測型サーベイや1on1などの施策では捉えきれなかった感情や行動の日々の変動を自動で分析し、管理職と従業員の双方に適切なフィードバックと行動提案を提供。導入企業ではエンゲージメントスコアの改善や離職率の低下の効果も確認。組織課題の早期発見と迅速な対応による人材定着率向上に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
社員の発案から4ヵ月で企業内大学を新設し、全部署が独自開発・実施してきた45の研修ノウハウを集約、効果的・効率的な研修体系を確立。ラーニングマネジメントシステムを導入、全社員にスマートフォンを配布して、全国どこからでもいつでも受講可能な学習環境を整備。独創的なコンテンツで学習継続を促進し、3年間で研修数を45から1,000以上に大幅拡大、延べ受講者数も約1,800%増を実現。社員の自律的な学びの促進とエンゲージメント向上に寄与する優れた取り組みであると高く評価されました。
採用担当者が本質的業務に集中できるよう、書類選考からスカウト送信まで、人事の黒子として採用業務全般を24時間体制で伴走支援するAI人材リクルーター。各社の採用方針や想いに合わせてカスタマイズされたAIが求人票と応募者のマッチ度を評価し、候補者の転職意欲を適切なタイミングで捉え、パーソナライズされたスカウトを送信するまでを代行。採用担当者をルーチンワークから解放し、人材確保の効率化と質的向上の両立に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
自然言語でのチャット形式により、SQLやダッシュボード操作なしで人事データ分析を可能にするAI分析ツール。機密性の高い人事データを外部に送信せず、同社のGoogle Cloud環境内で処理するため、プライバシーを確保しながらAI分析を実現。直感的なUIで人事担当者が可視化された分析結果を取得でき、従来の手作業によるデータ処理や複雑なBIツール操作が一切不要。業務効率の改善により、迅速な意思決定と透明性の高い組織運営の実現に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
従来のエンゲージメントサーベイでは捉えきれなかった企業特有の根深い組織問題を、同社独自の設問設計と生成AI技術の融合で客観的に特定する組織課題診断サービス。回答データの分析結果は、緊急度・重要度の2軸でマッピングされ、打ち手優先度が一目でわかる「戦略的課題整理マトリクス」として出力。また、分析結果の報告だけでなく、経営・人事・現場が一体となった解決策の実行まで一貫支援。組織診断の実効性向上と的確な組織改善の実現に寄与する優れたサービスであると高く評価されました。
| 名称 | 第10回 HRテクノロジー大賞 |
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| 主催 | 「HRテクノロジー大賞」実行委員会 |
| 後援 | 産業技術総合研究所、情報処理推進機構(IPA)、中小企業基盤整備機構、株式会社ビジネスパブリッシング、一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム(HRT)、一般社団法人人的資本と企業価値向上研究会、一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会、HR総研(ProFuture株式会社)
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| 審査委員 | 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 講師/山形大学 客員教授 多摩大学大学院 名誉教授/株式会社ライフシフト CEO 高倉&Company合同会社 共同代表 ProFuture株式会社 代表取締役社長、HR総研 所長 |
| 応募対象 | 日本国内で企業活動を行っている企業(外資系含む)、団体の「人事部門」、 および「サービス提供会社」 |
| 応募条件 |
採用、人材育成、アセスメント、労務管理、人材マネジメント、タレントマネジメント、 業務効率化・高度化などの領域におけるHRテクノロジー、ビッグデータを活用した取り組みであること。またはそれらの提供サービス。 ※「人事部門」の応募の場合、自社開発ではなく、他社より提供されるサービスを活用した取り組みで構いません。 |
| 審査方法 | 提出された応募書類をもとに審査評価基準に沿って総合的に審査 |
| 審査評価基準 |
※サービス提供会社の場合には、ユーザー企業に対して上記審査基準を提供できているかを審査します。 |
| 賞の種類 |
※第7回から「人的資本経営部門賞」を新設しました!以下の観点に注目し、これらに資する取組みであるかを審査のポイントとします。
※「地方活性賞」により全国の地方活性化を応援しています! |
| 授賞特典 | 表彰状および盾を贈呈いたします。 また、授賞ロゴマークをデータで提供いたします。 WEB、印刷物等に掲載することで、採用広報や製品アピールにご活用いただけます。 |
| 授賞式 | 2025年9月24日(水) |
| 応募方法 |
【1】まずは事前にエントリーフォームにアクセスし、必要項目を記載の上、エントリーください。 ※添付資料がある場合は、以下の条件をすべて満たしていることをご確認の上、 <添付ファイル条件> ※複数の取組みがある場合、1社で複数の応募も可能です。 |
| 募集締切 | 2025年5月26日(月)13時 |
| 発表 | 各賞の授賞者には、7月15日までに授賞の旨を直接連絡。
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| 公表 | 『週刊東洋経済』、『月刊人事マネジメント』、『HRプロ』ほか |
| お問い合わせ先 | ProFuture株式会社内 「HRテクノロジー大賞」事務局 E-mail:hrtech@profuture.co.jp |