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副業許可にあたって留意すること

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2016年07月01日

これまで副業を認める企業は少なかったが、近年は、賃金の頭打ちや低下、仕事の多様化で副業の選択肢が増えたことなどから、副業OKに転換するところも増えてきた。中には、ネットワークづくりやスキルアップの観点から副業を推奨する企業もある。

本稿では、副業許可にあたっての留意事項を、1.許可の仕方、2.社員への周知事項、3.副業をすることのリスクの観点からまとめてみたい。

1.許可の仕方
許可にあたっては、①完全自由、②届出制、③許可制の3つがある。

①の完全自由は、文字通り副業を自由化するもので、会社としては基本的に関与しないことになる。ただし、2に述べるような制限を設けることは可能である。

②の届出制は、事前に届け出を行ってもらうことにより、副業の際の留意事項を認識させるとともに、副業開始後の社員の状態を確認しやすくし、状況によって副業の制限や禁止などの措置を講ずるものである。

③の許可制は、副業をするときには事前に会社の許可を得てから行うことを就業規則に定めるものである。大半の企業は、現状、これを採用しているのではないかと思う。許可制といっても、実質は副業禁止のニュアンスが強いため、許可の手続き等は定めていないケースが多い。

副業を認めると、後述のように過重労働や時間外割増賃金などの問題が生じるので、会社としては何らかの関与をしておいた方がよい。
したがって、副業を原則認めるにしても、①よりは②の届出制の方が適切である。また、例外的にしか認めないというのであれば、現状の許可制を具体的に制度化するという選択肢もある。

2.社員への周知事項
①②の方法を取る場合は、下記について社員に周知すべきである。

●原則として、会社の許可を得ることなく(あるいは、事前届け出により)副業を認めるが、次に揚げる業務への就業や開業は禁止または事前許可を得るものとする。

ア.会社の名誉・信用を損なうおそれのある業務
⇒例)取引先等の信用を得るために会社名や会社での地位、職務内容等を用いるような業務や、社会通念上、社員として関わることを避けるべきと考えられる業務等
イ.会社での就業に支障を生じるおそれのある業務
⇒例)平日深夜にわたるような業務や、所定休日のすべてを使うような業務等
ウ.会社の利益を損なうおそれのある業務
⇒例)会社の業務と競業する業務や同業他社と関係をもつ業務等
エ.会社の業務の適正さを損なうおそれのある業務
⇒例)会社の取引業者と関係をもつ業務等

なお、これらは③許可制にした場合の許可基準となるものでもある。

3.副業をすることのリスク
副業をすることによる主なリスクには、

① 過重労働による社員の健康の不安
② 時間外労働割増賃金の発生と負担
③ 他社での労災

などがある。副業を認めるということは、これらのリスクに対して、会社が一定の責任を負うということだ。

ちなみに②は、

ア.時間外労働を発生させた企業が負担する
イ.後で労働契約した方が負担する

という2つの考え方があるが、アの方が有力である。アに従えば、社員が朝刊配達のアルバイトをしたときなどは、通常勤務をしても時間外労働割増が発生することになる。さらには月60時間超の時間外労働の可能性も出てくる。

③に関しては、労災保険の適用は当然他社にあるとして、自社では私傷病の扱いにするのか、その際一定の給与保障をする定めがある場合はどうするのかといった問題がある。

こういったリスクにどう対応するかを含めて、副業許可にあたっては慎重な検討が必要であることに留意したい。

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