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試用期間の延長

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2016年04月01日

今日は4月1日。職場に新たな仲間が加わる企業も多いだろう。期待と不安の入り混じった新入社員を、ぜひ暖かく迎えてほしいものである。

ところで、新入社員を迎え入れる場合には、いきなり本採用とするのではく、3ヶ月あるいは6ヶ月といった試用期間を設け、その間に正規社員としての適性や能力を見定めようとするのが一般的である。
しかし、限られた期間では、期待する適性・能力が見られなかったり不明であったりして、もう少し様子を見たいというケースも出てくる。
今回は、そのような試用期間の延長ができるかどうかを検討してみたい。

試用期間の延長について、具体的な法律の定めはないが、試用期間中は、

・解雇の自由が比較的認められやすくなる
・賃金を抑制されやすくなる

など、労働者に大きな不利益をもたすので、その延長は企業の都合で簡単にできるものではない。

まず、試用期間を延長する根拠として、就業規則の定めが必要である。 就業規則に試用期間の延長の定めがなければ、原則として延長はできない。
もっとも、労働者の承諾がある場合や、試用期間中に労働者の適性を判断できない合理的な事由(たとえば期間中の大半を休職していた)がある場合などは、延長できる可能性はある。

次に、試用期間の延長の定めがあっても、この規定だけを根拠に一方的に延長が認められるわけではない。 試用期間を延長するには、やはり合理的な事由が必要となる。
この点は、就業規則の定めがない場合と同じだが、就業規則の定めがある場合には、求められる合理性のレベルが多少低くなると考えればよいだろう。

判例においても、試用期間の延長は、「これを必要とする特別の事情がない限り一方的にすることを許されない(「大阪読売新聞社事件」大阪高1970.7.10)」、あるいは「延長を必要とする合理的事由がなければ許されない(「上原製作所事件」長野地諏訪支1973.5.31)」というのが一般的な考え方である。

では、合理的事由とはどういうものかだが、本来、試用期間とは労働者の適性や能力を判定する期間であり、それを延長するということは、

① 何らかの事情により判定できなかったので、もう少し様子を見る時間を確保する
② 不適格と判定され、本来は解雇すべきところだが、再度チャレンジの機会を与える

のどちらかと考えられる。

①の場合は、労働者の出勤日が不足しているなど、労働者側の原因によるものであれば合理性は肯定されるが、単純に期間中の判定ができなかったといった理由では、合理性は認められないだろう。
②の場合、不適格の内容が問題となるが、それが妥当であれば、労働者を救済しようという会社の措置に合理性はあると考えられる。

いずれにしても、どのような事由により延長となるのか、労働者への説明があるべきで、一方的に延長を通告するというようなやり方は問題がある。

以上から、試用期間を延長するには、

① 就業規則の定めがあること
② 合理的な事由があること
③ 延長する事由について、労働者にきちんと説明すること

が必要である。①から③のいずれか、特に②が欠ければ、トラブルが生じる可能性が高いと認識しておきたい。

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