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厚生年金基金の受け皿として企業型確定拠出年金が有効な3つの理由

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2015年04月30日

人事発信で考える、企業年金・退職給付制度のこれから 第2回

確定拠出年金アドバイザー・ファイナンシャルプランナー(CFP)山中伸枝

厚生年金基金解散後の受け皿として、筆者は「企業型」確定拠出年金をお勧めしています。

今回は、「企業型」確定拠出年金が厚生年金基金の受け皿としてなぜ有効なのか、3つのポイントを挙げ具体的に解説していきます。

ご存じのとおり、個人型確定拠出年金の加入資格者が大幅に拡大される見込みです。今回の税制大綱では、これまで個人型確定拠出年金の加入資格者ではなかった公務員、専業主婦(第三号被保険者)が加入資格者に含まれるようになることが、話題になっています。

しかし話題の中心であるこの二つの加入資格拡大だけではなく、政府が厚生年金基金解散後の受け皿として「個人型」を考えていることは明白です。なぜならば、先日国会に提出された税制大綱では、厚生年金基金がある会社にお勤めの会社員も個人型確定拠出年金に加入可能となる見込みです。予定では、月12,000円の拠出を限度とし、個人型確定拠出年金に加入することができるようになります。

個人型確定拠出年金に加入できれば、社員は厚生年金基金解散時にその残余財産を確定拠出年金の「自分」の口座に非課税で移換し、その後は「自分」で掛け金を拠出しながら税制優遇を受けた資産形成を継続させることができます。(詳しくは、厚生年金基金解散後の社員の将来をどう守るのか?~人事発信で考える、企業年金・退職給付制度のこれから~でご確認ください)

当然会社の判断として、厚生年金基金解散後、残余財産の支払いという義務を果たす以上になにか便宜を図る必要はありません。今後企業年金を持たない会社が増えたところで、労使間に問題がなければ、それはそれでよいでしょう。まして国の受け皿として「個人型」確定拠出年金に加入が可能になれば、より自己責任のもと社員が老後に向け資産形成をすればよいだけですから。

しかし、社員の将来を守る「人事」としては、あえて「企業型」確定拠出年金を「今」導入すべきであると考えるのです。

ポイントは以下3つです。

 

一つ目:個人型が本当に厚生年金基金の受け皿となりえるか疑問。

仮に今回の確定拠出年金個人型の加入資格者拡大がスムーズに行われたとして、実務的に加入手続きが可能になるまでにはまだ時間がかかります。(予定では2017年1月1日施行ですが、加入手続きにも通常数か月が必要です)現行厚生年金基金に加入している会社にお勤めの会社員は個人型確定拠出年金に加入できないのですから、個人型への加入を前提とすれば、厚生年金基金の解散より新制度開始が早くなければ意味がありません。

しかし企業型であれば、厚生年金基金に加入している「今」であっても、導入が可能です。十分な準備期間を設けながら、これまでの厚生年金基金で築いた老後資金を取りこぼすことなく確定拠出年金受け入れ、税制優遇を受けながら資産形成を継続させることができます。

 

二つ目:個人型確定拠出年金に関しては、あくまでも「任意加入」であるため窓口である金融機関の加入者向けフォローアップ体制が極めてぜい弱です。

確定拠出年金は長期投資で資産を形成していくものですから、運用に明るくない社員が確定拠出年金を本当の意味で活用することは極めて困難でしょう。しかし企業型であれば、「教育の場の提供」は人事主導で企画することが可能です。社員を老後難民にさせないためにも、対策を打つことができます。

三つ目:個人型への加入は任意ですが、希望者については原則会社が掛け金を「給与天引き」してあげなければなりません。

加入時期もバラバラに社員が希望をするというのも、これはこれで結構な手間でしょう。しかし企業型であれば、導入スケジュールに合わせ人事も仕事の配分ができますので、業務工程のコントロールが可能です。

 

何よりも、厚生年金基金の受け皿として、「今」企業型確定拠出年金の制度を導入すると、社員一人あたり年間2万円前後の経費を削減できる「仕組み」が活用できるのです。次回のコラムではコスト削減が可能な企業型確定拠出年金の導入事例をお伝えします。

 

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