リーダー人材の採用と育成|リーダー人材の育成は新卒採用から始まる採用の見極めポイントと事例紹介

リーダー資質を見極めるポイントは
「熟達目標」「貢献欲求」の強い学生

次世代の事業・経営を担うリーダー人材の確保は企業の大きな人事課題に挙げられている。未来のリーダー人材を新卒採用の時点でどう見極め、育成していけばよいのか、企業は試行錯誤を重ねているのが現状だ。今回、そうした課題の実態と実行策を議論・考察するセミナー「リーダー人材の採用・育成を成功させる新卒採用の新たな潮流」が開催された。基調講演では採用学研究所所長であり、『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』が近著にある株式会社ビジネスリサーチラボ代表 伊達洋駆氏が、主催社講演としてファーストキャリア代表 瀬戸口 航氏がそれぞれ登壇。リーダー人材の採用・育成における豊富な知見が披露された。

伊達洋駆氏講演:経営リーダー人材を育てるのは、
困難な経験の付与が必要

経営リーダーを対象に日本で行われた調査では、人事異動がリーダーとしての能力を飛躍的に高めたという結果が出ました。具体的には、海外勤務のように現状とは違う能力が求められたり、初めてゆえに失敗が避けにくかったりする環境に身を置く経験が伴う異動です。リーダー人材の成長には初期の仕事経験も重要です。最初の仕事をうまく乗り越えることで次の仕事への意欲を養い、成功のスパイラルを生み出すことができます。初期の仕事で学んだことが仕事人としての基礎を形づくるのです。さらに、2013年の研究では、タイトな納期、膨大な仕事量、トラブルシューティングなどの「ハードな仕事」や、前例がない最先端技術の取り扱いなど「高度・先進的な仕事」の経験が、リーダーとしての学習成果につながることが定量的に示されました。しかし、困難な状況を受け止めきれず精神的に参ってしまうケースもあります。経験を提供するのと同時に、いかに周囲が支えていくのかも重要になります。

  • 伊達 洋駆 氏

    株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役

    伊達 洋駆

    神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。同研究科在籍中、2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。以降、人事領域を中心に、組織の現状を可視化する組織診断を始めとした調査・コンサルティング業務を提供している。学術知と実践知の両方を活用したサービスが特徴。共著に『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』(ナツメ社)がある。

  • 瀬戸口 航 氏

    株式会社ファーストキャリア 代表取締役社長
    株式会社セルム 執行役員

    瀬戸口 航

    早稲田大学商学部卒。大手コンサルティング会社にて自動車業界を中心に新規事業開発支援・ビジネスプロセス構築などの各種コンサルティング業務に従事。研修・セミナー講師経験も豊富。その後、事業会社を経て2010年(株)ファーストキャリア入社。2012年にグループリーダー、2013年に企画開発本部長に就任、取締役として企画開発本部長を歴任、2016年4月より現職。

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