株式会社NTTデータビジネスブレインズは2025年8月13日、管理職を対象に実施した「部下の育成」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査日は2025年7月7日で、経理部門に所属する管理職221人から回答を得ている。調査結果から、管理職が部下の育成において抱えている悩みなどが明らかとなった。
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約9割が「部署の育成方針あり」。しかし「一部にとどまる」が多数派
企業の成長を支えるうえで、管理職の役割はますます重要になっている。業務の高度化やデジタル化の進展に伴い、若手・中堅社員の早期戦力化と専門スキルの育成が喫緊の課題となっている中、その育成にあたる管理職は組織力向上のカギとなるだろう。しかし現場では、管理職自身が部下の育成に悩みを抱えるケースが少なくないようだ。NTTデータビジネスブレインズの調査によると、若手・中堅社員の育成に関して「方針や戦略がある」との回答は28.5%、「一部ある」との回答は59.7%であった。合わせると約88%が何らかの育成方針を有していることがわかる。ただし、その多くは「一部」にとどまっており、体系的・組織的な取り組みには至っていない現状が浮かび上がった。

“属人化解消”の取り組みは進むも、積極性に課題
業務の属人化解消に向けた取り組みについては、約86%が「行っている」または「どちらかといえば行っている」と回答した。しかしその大半は「どちらかといえば」にとどまっており、マニュアル化やシステム導入などの施策が十分に浸透していない可能性が示唆された。
部下のモチベーションは「高い」状態も、学習意欲の不足が課題
若手・中堅社員のモチベーションについては、「高いと思う」とした人が22.6%、「そう思うことが多い」が58.4%で、合わせて81%の管理職が「若手・中堅社員のモチベーションは高い」と評価していた。
若手・中堅社員のモチベーションは高いとの認識が優勢だった一方で、部下の育成に関して「悩みを抱えている」と回答した人は88.2%に達しており、多くの管理職が課題を感じていることがわかった。
具体的な悩みとして最も多く挙げられたのは「学習意欲の低さ」(43.1%)だった。日々の業務には意欲的に取り組む一方で、自律的な学習やスキルアップに向けた姿勢が不足している、あるいはそのための機会が整っていないことが背景にあるとみられる。業務へのモチベーションと学習意欲の乖離は、管理職が部下の意欲を業務遂行能力に偏って評価している可能性を示唆している。
また、「OJTの限界」(35.9%)が悩みとして多く挙げられたことは、従来のOJT中心の育成モデルが限界を迎えていることを示している。こうした課題は、管理職自身の育成負担を増大させ、エンゲージメントやリーダーシップ発揮を阻害し、組織全体の生産性や定着率に悪影響を及ぼすリスクがあると言えそうだ。
具体的な悩みとして最も多く挙げられたのは「学習意欲の低さ」(43.1%)だった。日々の業務には意欲的に取り組む一方で、自律的な学習やスキルアップに向けた姿勢が不足している、あるいはそのための機会が整っていないことが背景にあるとみられる。業務へのモチベーションと学習意欲の乖離は、管理職が部下の意欲を業務遂行能力に偏って評価している可能性を示唆している。
また、「OJTの限界」(35.9%)が悩みとして多く挙げられたことは、従来のOJT中心の育成モデルが限界を迎えていることを示している。こうした課題は、管理職自身の育成負担を増大させ、エンゲージメントやリーダーシップ発揮を阻害し、組織全体の生産性や定着率に悪影響を及ぼすリスクがあると言えそうだ。


OJTの限界と“新人研修の不十分さ”
新人研修プログラムについて、「整備されている」との回答は24.4%にとどまり、61.1%は「一部整備」と回答した。合計すると約85%が何らかのプログラムを有しているものの、「一部整備」が多数派であり、断片的な施策にとどまっている可能性が高そうだ。
「デジタルスキル」に関する認識の乖離
部下のデジタルスキルについては、約79%の管理職が「十分に持っている」と評価した一方で、約89%が「さらなる向上が必要」と回答した。現状の業務を遂行するうえでのスキル水準は足りているものの、将来的な業務高度化やDX推進を見据えると、さらなるスキル強化が不可欠だと考える管理職が多数を占めているようだ。

管理職の約9割が「部下の育成」に悩みを抱えている事実は、個人の課題に留まらず、組織全体の生産性や競争力にも直結する重要な問題である。調査では、学習意欲の低さやOJT依存、新人研修の不十分さ、属人化解消の遅れ、デジタルスキル向上の必要性といった構造的課題が浮き彫りとなった。一方で、若手・中堅社員のモチベーションは高く、育成方針や属人化解消への取り組みも進行中であった。しかし、体系的・戦略的なアプローチにはまだ課題が残っているようだ。企業が変化の激しい環境で持続的に成長するためには、部分的な対応ではなく、戦略的な人材育成とデジタルスキル強化、業務プロセスの標準化を組み合わせた総合的な取り組みが不可欠と考えられる。管理職が抱える「育成の悩み」を放置せず、組織全体で解決策を講じることが、未来の競争力を左右するカギとなるだろう。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000103389.html
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000103389.html
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