日揮が帝人や東京大学らとの産学連携により、サステナブルな繊維産業のエコシステム構築に向けてワーキンググループを始動

日揮ホールディングス株式会社(以下、日揮ホールディングス)は2021年10月29日、帝人株式会社(以下、帝人)および国立大学法人 東京大学(以下、東京大学)と共同で、持続可能な繊維産業のエコシステム構築に向けた課題抽出および、これらの課題克服に向けたステークホルダー間の連携を目指す産学連携のワーキンググループ(以下、WG)を設立し、活動を開始したと発表した。本WGでは、廃棄物処理法の改定、民間でリサイクルを促進する「個別リサイクル法」の制定に関する協議も併せて実施していくという。

それぞれの知見や技術を用いて、エコシステム構築に向けた課題抽出や関係各所の連携を促す

近年、温室効果ガス(以下、CO2)排出による地球温暖化や海洋汚染といった環境破壊が深刻化し、世界中で対策が急務となっている。繊維産業においても同様に、衣料品の大量廃棄問題や製造工程におけるCO2排出量などの環境負荷がクローズアップされるなど、サステナビリティ課題の解決が欠かせない状況だ。

そこで日揮ホールディングスと帝人および東京大学が発起人となり、2021年8月にWGを設立した。さらに、繊維産業から幅広く意見を集約するために、サプライチェーンを構成する各企業、有識者、NPOなど計7社・団体が参画しているという。なお、WGでの協議の結果を、2022年1月を目途に政府への提言としてまとめる予定だ。

発起人の一角である日揮グループは、エンジニアリング会社としてオイル&ガス、インフラなどのさまざまな分野における豊富な実績を有しており、環境関連技術のビジネス化にも注力している。

また、帝人は、繊維製品を原料とするポリエステルのケミカルリサイクル技術を活用した、大規模プラントを操業している。廃棄される繊維製品からポリエステル繊維を生産する「ケミカルリサイクル技術」を実用化し、世界的な事業展開を行っている。

さらに、東京大学大学院 工学系研究科の平尾雅彦研究室は、原料調達から生産、流通、廃棄、リサイクルという一連のライフサイクルにおいて、環境負荷を定量的に算出するための手法「ライフサイクルアセスメント」を通じたリサイクルシステムの社会的価値評価や、それらを実現するための課題の抽出、社会システム設計に至るまでの包括的な知見を有している。

WG活動を通じて日揮ホールディングスは、エンジニアリング事業で培った同社グループの「技術力や知見」と、帝人の有する「繊維リサイクルに関するノウハウ」、平尾雅彦研究室の持つ「リサイクルシステムの価値評価の知見」を活用することで、参画メンバーとともに持続可能な繊維産業のエコシステム構築に向けて、取り組みを推進していくという。

社会のさまざまな面で環境問題への取り組みが重要視されており、産業界もまた環境に配慮した事業活動の実施を迫られている。サステナブルな事業を展開するためには、さまざまな知恵を持ち寄る機会を模索してみることも必要かもしれない。