昨年度の人事イベント動員数No.1。日本中の人事部が認めた日本最大級の人事フォーラム・カンファレンス HRサミット2015

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ハイポテンシャル人材の発掘とパイプライン構築

〜組織パフォーマンスの最大化を実現するための戦略人事とは〜

日産自動車株式会社 人事本部 副本部長(グローバル人財開発部担当)
奈良崎 修二 氏

ハイポテンシャル人材をいかに発掘し採用・配置していくかについてご紹介いたします。ただ、弊社はご承知のように、CEOをカルロス・ゴーンという外国人が務めており、経営陣にも相当数の外国人が入っています。よって、日本企業の中では若干特殊環境です。また、人事制度や人事の取り組みは、会社の戦略をどうサポートするか、会社の戦略に従ってどんなことを求められているかによると思っており、決して弊社の取り組みがベンチマークになるとか、ベストプラクティスになっているとかという意識はありません。弊社の取り組みとしてご紹介しながら、少し議論させていただきたいと思っています。

経営危機からの脱却と、カルロス・ゴーンの日産CEO着任

まず日産自動車が行っている現在の事業をご理解いただき、どういう組織で運営しているのか、それに伴い人事の取り組みがどうなっているのかをご紹介します。現在世界中で530万台の車を販売しています。世界の車の新車需要が8,500万台前後なので6%ほど。売上高は11兆円強です。

こちらのスライドの一番のメッセージは、弊社の日本向け販売は約12%、つまり約88%は海外で食べさせてもらっているということです。2000年以降大きく変わってきている部分で、もともと海外事業シェアは約6割。それが現在では8割を越えています。

弊社の転機は、90年代後半の経営危機で倒産状態に陥ったこと。あらゆる外資交渉を行い、最終的にフランスのルノー社と提携を結んでいます。
カルロス・ゴーンが日産に着任したのが1999年。これ以降、人事に関してもさまざまな変革がスタートしました。

ゴーンは着任当初、コストカッター・コストキラー・リストラ屋など色々と言われましたが、こちらのスライドがカルロス・ゴーン着任以降の推移を示しており、注目いただきたいのがグローバルでの全体販売推移です。99年当時は約250万台に対し、現在は約530万台。会社の事業規模はほぼ2倍になりました。

コストキラーなど呼ばれていましたが、カルロス・ゴーンは成長戦略にフォーカスし、企業として成長しなければ成功ではないという思考が非常に強い経営者です。

経営トップメンバー10人の中にも日産人事システムの成果が

現在の経営トップメンバーは10人。日本人以外のトップマネジメントが5人、日本人が5人です。 外国人のトップマネジメントの中に2名の日産の海外法人出身の人財がいます。1名は英国工場出身で20年以上の日産キャリア、もう1名はスペインの販売会社出身で10年以上のキャリアです。 これが本日ご紹介するシステムのひとつの成果、海外人材を発掘し、チャレンジの場を与えアサインメントして、活躍した人材をさらにプロモーションしていくことを実現したひとつの例です。

自動車産業と日産ならではのマーケットを踏まえた組織体系

弊社の自動車産業の特徴はワンプロダクツ。自動車というひとつのプロダクツでやっていることです。製造に非常に手間がかかる製品で、部品点数が約3万点、あらゆるエキスパティーズ(専門性)が必要です。当然高額商品なので簡単に購入いただけないため、マーケティングが非常にむずかしい。

企画から市場販売まで5、6年はかかり、失敗が許されない事業であり、新工場の投資モデルが1,000億円を越えることがある業界です。
こうした側面から、開発・生産・部品購買や、商品企画、各部門がバトンタッチ方式でモノを展開するため、機能別組織にならざるを得ない、機能別組織が強いというベースがあります。

また、世界中で自動車販売を行っているので、市場が各リージョンで違います。ロシアのような極寒地から、サウジアラビアの砂漠で走る車まで全部生産するし、各国ごとの商売スタイルや法規制も違います。
つまりリージョンごとに非常にスペシピックなあらゆる状況を考えた商売を考えないといけないので、完全なマトリックス組織にしています。リージョン側にプロフィットアンドロス、PLの責任を持たせ、ファンクション側で指標管理をしています。

たとえば、アメリカ生産部門統括トップは、アメリカのチェアマンにレポートするのですが、同時に日本の生産部門経営トップの副社長にもレポートしなくてはいけない。人事も同じ体制で、アメリカ人事トップも、アメリカのチェアマンにレポートすると同時に、日本のグローバル人事経営トップにレポートしなくてはいけません。

他社と提携して事業を進める独自の特色

日産の戦略の一つとして他社との提携による事業展開があります。
たとえば、ベンツのダイムラーとも資本提携をしていて、互いに資本を数%ずつ所持。アフトバスはロシア最大の自動車会社ですが、ルノー・日産でほぼマジョリティを占めており完全子会社に近い状態です。三菱さんとは軽自動車の合弁をやっており、こちらも資本提携に類します。アショック・レイランドはインドの会社で合弁を作って一緒に事業を行っています。

資本提携を伴わない事業提携となると10数社アライアンスを組んでいて、「パートナー戦略」と呼んでいます。また、自動車は環境規制や排気規制に非常にセンシティブなため、弊社では「ゼロミッション」として、排気ゼロの車を送り出す、電気自動車・EV戦略を取っており、ルノーと進めています。

レポートはまだ続きます。気になる内容の続きはダウンロードしてお楽しみください。

提供:Profuture株式会社  協賛:コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社

奈良崎 修二氏

日産自動車株式会社
人事本部 副本部長
(グローバル人財開発部担当)
奈良崎 修二 (ならさき しゅうじ)氏

1980年日産自動車入社、主にものづくり部門(生産、R&D)、本社部門で人事管理業務にあたる。さらに、生産管理部門、新工場建設プロジェクト、経営企画などの業務に従事し、1998年から経営企画室でルノー社との資本提携交渉に参加、ルノー社との提携後はアライアンス事業の各種プロジェクトなどを担当。2002年R&D人事総務部長、2003年からエグゼクティブ・キャリアコーチを務め、経営トップの人事アドバイザーとして、グローバル日産の主要ポストの異動、任免、後継者計画、幹部候補人財の育成に従事。2012年より現職。