昨年度の人事イベント動員数No.1。日本中の人事部が認めた日本最大級の人事フォーラム・カンファレンス HRサミット2015

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企業を伸ばすリーダーの条件

〜伝説の外資系トップが語る次世代リーダーの創り方〜

株式会社国際ビジネスブレイン 代表取締役社長
新 将命(あたらし まさみ)氏

勝ち残る企業づくりにおいて社員品質がなにより重要

私はヨーロッパ、アメリカ、日本で東証第一部の社外取締役としてさまざまな会社を見てきましたが、長続きする会社には国境、国籍を超えて共通点があります。経営の国際規格と言うべき原理原則です。我流も大切にしたほうがいいですが、あまりこだわりすぎて、この原理原則をないがしろにすると失敗してしまいます。自己流を大切にしつつ原理原則も守ると、壁を越えて前進できるようになります。勝ち残る企業づくりのために、心得てほしい原理原則についてお話しします。

株式会社が果たすべき最終的な責任のターゲットは株主です。株主が喜ぶと顧客満足が発生します。顧客満足を得るためには利益を出して業績を上げなければなりませんが、値下げやダンピングに走るのでは、売上は伸びても赤字になり、業績は伸びません。業績の高い企業の共通点は、信頼できて、尊敬され、意欲ある社員がいることです。社員品質が高いと顧客満足に繋がります。

仕事ができる上に、人間的にも尊敬できて部下のやる気も高められるのが社員品質です。社員の満足感が高いことも社員品質の重要な一部分ですが、満足には悪い満足と良い満足があります。悪い満足とは、「業績は良くないけれど、まあ仕方ない」と安易に現状に満足してしまうことです。一番危険な兆候です。これに対して正しい満足には3つあります。 

 

1つ目は社員が自分の仕事、会社に誇りを持つことです。2つ目は目標を追求し、達成した時に達成感を覚えられることです。3つ目は会社や仕事で自分を高められるという自己実現感を持つことです。3つをまとめると「ワクワク感」を持っていること、これが良い満足です。すねた社員はすねた仕事しかしません。ワクワク感のある社員は良いサービスを顧客に提供し、納得していただき、買っていただける。その結果、業績が良くなります。

社員品質を高くするためには、まず、経営者品質を高めなければいけません。「魚は頭から腐る」と言われますが、会社が悪くなるときは90%以上、経営者の責任です。部署が悪くなるのは、その下の部下を束ねる部長に90%以上の責任があります。経営者品質とはつまり、マネジメント力です。どこに欠陥があるのか、どこを手直ししたらいいのかを考えます。それは残業を減らすとか、経営コストを下げるとか、小さな話ではありません。見るべきはモノやサービスではなく、人です。社員を手直ししなければなりません。

社員品質は4つの「ザイ」にカテゴリ分けすると見えてくる

 

人材を考える上で大切なのは「人間力」です。人間力とは信頼、尊敬、意欲であり、仕事ができる上に人間力のある人材は重要です。社員のタイプは4つの「ザイ」に分けられます。   1つ目は仕事ができる、つまりスキルが高くマインドも高いリーダー「人財」で、全社員に占める割合は5〜10%です。2つ目は、スキルはあるがマインドは低いフォロワー「人在」で、これは80%以上です。3つ目は元気と意欲はあるが仕事ができない(スキルは低いがマインドは高い)社員で、新入社員に多く、割合はケースバイケースです。これはまだ原材料という意味で「人材」です。4つ目は仕事もしないやる気もない(スキルも低いしマインドも低い)、存在そのものが会社にとって罪な「人罪」で、本来ならいないほうがいいのですが、3%〜5%は存在します。

会社にとって望ましいのはもちろん、スキルが高くマインドも高い「人財」です。中小企業の経営者の中には、リーダーの資質について、スキルは必要だがマインドは不要と言う人もいます。しかしこれは間違いです。人は論理によって説得され、感情により動くものです。社員は上司に説得されて、納得できなくてもその相手が好きで、感情が動かされればついて行くものです。上司の言うことは正しいけれども自己中心的で好きになれない、と思われれば社員は動きません。いい仕事をしてくれる社員は、感情によって動かされた社員です。ですから経営者は、人間として認められ、信頼される人間性のあるリーダーにならなければなりません。リーダーとはリードするという意味であり、フォロワーがいないとリードはできません。喜んでついてくる人が多いのは仕事もできて、人間的にも信頼できる人です。

日本の会社の多くは、研修でスキルばかり教えて人間力を教えません。しかし経営学とは所詮、人間学であり、スキルに加えてマインドも教えるべきなのです。経営者だけでも4つの「ザイ」にカテゴリ分けしてみることで、社員品質が見えてくるはずですから、ぜひやってみてください。

日本企業の閉塞感を打ち破るリーダーシップ能力とは

では、スキルとは具体的に何を指すのでしょうか。それは「機能的・専門的能力」「普遍的ビジネス能力」はもちろんのこと、「リーダーシップ能力」をも持つことを意味します。これらのどれが欠けても良いリーダーにはなれません。

最近の企業の部長クラスの人々に話を聞いて感じるのは、彼らが疲労感、疲弊感、閉塞感に悩まされていることです。私はこの頭文字を取って「3H」と呼んでいます。こうなるのは、部長たちが、その上司である執行役員などから終始、尻を叩かれていて、精神的な病にかかってしまっていることが原因です。彼らの上司たちは、短期目標だけを見て騒いで、将来の夢を語っていません。先のほうに期待や希望、楽しみが見えたら、目先の負担はなくなるでしょう。アメリカの経営で増えている、短期ばかり見るやり方をまねしてしまうと「3H」が生まれてしまいます。これでは経営者ではなく、単なる管理者になってしまいます。日本の経営者の実に80%がこの過ちをおかしています。

リーダーシップ能力とは、方向性を持てることです。方向性とは理念、目標、戦略を持つことです。@今どこにいる?(現状認識の共有)、Aどうなりたい?(理念・目標)、B何をどうやる?(戦略・戦術)、Cどうなった?(PDCのCによる評価・学習・反省・改善)という順番で考えるのが方向性です。ほとんどの会社は4番目の「どうなった?(PDCのCによる評価・学習・反省・改善)」をやっていません。Cとはチェックのことです。過去の経験から学び、繰り返さない、この正しいCを行い、回すのがマネジメント力ということです。そして4つ全てを包含するのがリーダーシップです。これを考えると、マネジメントよりも、リーダーシップのほうがより大きな概念であることがわかります。マネジメントとはリーダーシップの一部の能力なのです。これら4つの方向性を積極的に発信し、実行するリーダーシップ能力をぜひ経営者に重視していただきたいです。

レポートはまだ続きます。気になる内容の続きはダウンロードしてお楽しみください。

提供:Profuture株式会社  協賛:D.C.トレーニング ジャパン株式会社(デール・カーネギー・ジャパン)

新 将命 氏

株式会社国際ビジネスブレイン
代表取締役社長
新 将命 氏

1936年東京生まれ。早稲田大学卒。 株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。 シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなど、グローバル・エクセレント・カンパニー6社で社長職を3社、副社長職を1社経験。2003年から2011 年3月まで住友商事株式会社のアドバイザリー・ボード・メンバーを務める。「経営のプロフェッショナル」として50年以上にわたり、日本、ヨーロッパ、アメリカの企業の第一線に携わり、今も尚、様々な会社のアドバイザーや経営者のメンターを務めながら長年の経験と実績をベースに、講演や企業研修、執筆活動を通じて国内外で「リーダー人財育成」の使命に取り組んでいる。