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選ばれ続ける企業になるための人財育成術

株式会社JTBコーポレートセールス
常務取締役・マーケティング部長 大塚 雅樹 氏

経営環境が激しく変化する時代に、顧客から選ばれ続ける企業になるには、顧客の満足度を高めることが必要であり、そのためには社員のモチベーションとホスピタリティを高め、成長欲求を高めることが重要です。時代の変化に対応した企業変革を断行したJTBの事例をもとに、このモチベーションとホスピタリティを高めるにはどうすればいいのか、それをお客様の満足度向上に結びつけていくにはどのようにすればよいのかについてお話しします。

モチベーションとホスピタリティの両輪が不可欠

変化の激しい時代に企業が成長し続けるためには、お客様・市場から選ばれ続ける必要があり、そのためには継続的に顧客満足度/CSを高めていく必要があります。
このCSを高めるには、社員の満足度/ESを高めることが重要であると言われたことがありました。しかし、現実には社員が何に満足を覚えるかは人によって異なりますから、それがどのように顧客の満足度を高めることにつながるのか、曖昧な部分があります。そこでJTBがフォーカスしたのは社員の成長欲求を高めることでした。人には誰でも成長したいという欲求があるからです。

私はこれまで多くの企業を見てきましたが、顧客満足度が高い企業、成長している企業はどこも社員の成長意欲が高く、顧客やマーケットに徹底して満足を提供しようと取り組んでいます。一般に成長欲求を高めるとき、まず考えるのはモチベーションの向上、つまり本人のやる気を高めることでしょう。しかし、もうひとつ重要なのがホスピタリティです。ホスピタリティとはモチベーションによってとった行動に対して、相手からリターンがある関係です。顧客や取引先、社員同士など、仕事に関係するあらゆる人々とのあいだにこのホスピタリティがあることが、成長意欲を高めるためにとても重要なのです。
そして、モチベーションとホスピタリティを高めるには、そのためのインプットの場を創り出すことが必要です。そこでは単なる知識だけでなく、様々なシーンにおける経験を共有することが不可欠だからです。

人の成長意欲が企業の成長の源泉になる時代

ファイナンシャルキャピタル(金融資本)の時代からヒューマンキャピタル(人的資本)の時代へと言われるようになって十数年経ちます。前者が株主からお金を預かって企業を経営することに主眼を置くのに対し、後者は社員から知恵を預かって組織運営に役立てる経営です。

今はいくらお金があっても、知恵によってそれを活かさなければ利益を生み出すことができない時代であり、言い換えれば個人の成長が企業の成長をもたらす時代です。そこでは社員がいかに自律的に知恵を出そうとするかが重要です。

単に上から「知恵を出せ」と言っても、知恵を育む場、仕組みがなければいい知恵は出てきません。出した知恵が喜ばれる環境、社員のあいだで知恵をぶつけ合い、よりよいものにしていける環境が必要です。こうした環境と社員の成長意欲があれば、自然とインプットが生まれ、企業は成長していくことができます。

モチベーションを高めるための施策

モチベーション向上については、多くの企業が取り組んでいます。私たちは2011年4月から2013年12月までに出版されたビジネス誌を調査し、そこに掲載された101社・293件のモチベーション向上施策について集計・分析を行いました。

 

その結果、1位は「キャリア・成長の支援」30.0%、2位は「知識・能力・スキル向上」28.7%、3位は「コミュニケーション促進」26.3%という結果が出ました。   興味深いのはこの3つの施策が、アメリカの心理学者エドワード・L・デシの理論と合致していることです。デシは1970年代に発表した『内発的動機づけ』という著書で、モチベーションを促進する三要素として「自律性」「有能性」「関係性」をあげていますが、「自律性」はキャリア・成長、「有能性」は知識・スキル、「関係性」はコミュニケーションにそれぞれ対応しています。

 

つまり、この三要素は70年代から必要性・有効性が認識され、今では日本でも多くの企業が施策としてすでに取り組んでいることなのです。これに取り組むことは必要不可欠としても、これだけで激しい競争に勝つための差別化はできません。

それでは、これ以外に取り組むべき施策としてどのようなものがあるでしょうか? 私たちは6位の「アイデア創出・提案の促進」と7位の「企業理念・ビジョン浸透」に注目しました。
 アイデアの創出・提案は企業のイノベーションの源泉であり、これを促進する仕組みがあることは、社員のモチベーション向上につながります。
企業理念・ビジョンはモチベーションと連動しており、私たちが実施した調査によると、企業理念に沿って行動している社員は自律性が高く、業績を上げている社員は企業理念に沿った行動をとっているという結果が出ています。最近「理念経営」ということが言われていますが、企業理念が日常の仕事に浸透している会社では、社員はキャリアビジョンが描きやすく、これがモチベーションにつながります。

ホスピタリティを高めるための仕組み作り

次にホスピタリティ向上についてお話しします。
 私たちはお客様が当たり前と思う価値を「サービス価値」と呼び、それを超える価値を「ホスピタリティ価値」と定義しています。この「ホスピタリティ価値」こそが、お客様に評価され、感動してもらえる価値であり、競合との差別化につながるのです。

このホスピタリティ価値を実現していくには、求められるサービスレベルの上昇やサービス競争の激化、予測困難な市況、市場拡大の限界感、人件費の上昇、社員の挑戦心減退の危険性など、様々な経営環境を的確にとらえ、顧客満足の進化による差別化やお客様の拡大・育成・囲い込み、人材のパフォーマンス向上などの課題に落とし込んで達成していくホスピタリティ・マネジメントが必要です。

レポートはまだ続きます。気になる内容の続きはダウンロードしてお楽しみください。

提供:株式会社ジェイティービー

大塚 雅樹氏

株式会社JTBコーポレートセールス
常務取締役・マーケティング部長
大塚 雅樹氏

1986年ジェイティビーに入社。法人営業を経て、社内公募により本社市場開発室へ異動。1993年に国内初のモチベーションコンサルティング会社であるジェイティービーモチベーションズの立ち上げに中核メンバーとして関わる。2004年に同社代表取締役に就任。その後、2010年JTB法人東京(現JTBコーポレートセールス)取締役、2014年常務取締役。首都圏近郊の法人営業部門を率いて様々なクライアントの価値向上への貢献を推進中。