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KPIツリーの作り方を解説!KGIとの関連性や具体的な設定方法を紹介

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事業を成長させるためには、適切な目標設定が不可欠です。VUCA時代※といわれる将来の予測が立てにくい現代において、過去の経験や自身の勘に頼った目標を設定し、場当たり的に施策を実行しても十分な成果は得られません。そこで、目標達成に至るまでのプロセスを可視化し、客観的な数値として測定可能な状態にする必要性が生じます。これを実現するのが「KPIツリー」と呼ばれるフレームワークです。

この記事では、KPIツリーの作り方を取り上げ、KGIとの関連性や設定方法についてわかりやすく解説します。

※「Volatility」(変動性)「Uncertainty」(不確実性)「Complexity」(複雑性)「Ambiguity」(曖昧性)の頭文字をとった言葉。先行きが不透明で、未来の予測が難しい状態を指す。

目次

KPIツリーとは?

KPIツリーとは、KPIを管理するためのフレームワークです。具体的には、組織の最終目標である「KGI」(重要目標達成指標)と、最終目標を達成するまでの中間目標である「KPI」(重要業績評価指標)の関係性を樹形図(=ロジックツリー)で示したものを指します。

KGIは樹形図の頂点に位置づけられ、それを起点に枝分かれした要素としてKPIを配置します。KPIはKGIを達成するために必要な要素であり、末端にあるKPIから達成することで、最終的にKGIの実現を目指していく形です。

KPIツリーイメージ

KPI・KGIの基礎知識

KPIツリーへの理解を深めるために、前提知識として「KPI」と「KGI」について知っておく必要があります。

KPIとは?

KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」を意味し、組織の目標を達成するための業績評価を数値であらわした指標をいいます。具体的には、定額課金サービスで売上向上を最終的な目標とする場合、ユーザー数や課金率、解約率がKPIとなります。最終目標(KGI)に至るまでのプロセスについて、その達成状況を計測するために用いる「中間目標」ともいえます。

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KGIとは?

KGI(Key Goal Indicator)とは「重要目標達成指標」を意味し、組織やチームにおける最終目標を数値であらわした指標をいいます。具体的には、売上高や純利益、成約数などがKGIとして設定されます。中間目標であるKPIを達成した先に、最終的なゴールであるKGIの実現にたどり着くイメージです。

KGIの設定にあたっては、中長期的な経営戦略という視点が不可欠です。この点、HRインスティテュートでは、経営層や管理職層を対象とした「経営戦略策定ワークアウト」を開催しています。各社の経営課題に沿った経営戦略を練り上げるために、参加者主体で全社及び各組織の経営方針やKGIを設定にするプロセスを伴走します。プログラムの内容はその都度カスタマイズし、会社の未来を創造する一本筋の通った戦略立案をサポートします。

プログラムの詳細は以下のリンク先にてご確認ください。

関連プログラム:経営戦略策定ワークアウト|組織・人材開発のHRインスティテュート

KPIツリーを作成する目的

KPIツリーを作成する目的には以下が挙げられます。

目標達成プロセスの可視化と共有

KPIツリーを作成すれば、目標達成のためにどのようなプロセスが必要か一目でわかるとともに、KPIの相互関係も把握できるようになり、目標達成に向けた達成度も可視化されます。ツリー形式でまとめることで社員間での共有も容易となり、互いの認識に齟齬(そご)がなくなる利点もあります。

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ボトルネックの明確化

最終的な目標(KGI)だけを日々モニタリングしていても、結果が出るまでの期間の業務がうまくいっているかは見えません。KPIツリーの作成によって正確な現状把握が可能となります。現状の中間的な指標(KPI)の達成状況を客観的に知ることで、KGIを達成するために何が障害となっているのか、全体に悪影響を与えているボトルネックが明確化されます。

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効果検証の効率化

KPIツリーを用いると、KGIの達成に至るまでのKPIが細分化して明示されるため、精度の高い効果測定が可能となります。これにより、十分な効果が出ていない要素を特定しやすくなり、修正や改善をスピーディーにおこなうことができます。また、各指標が数値化されている点でも効果検証を的確に実施できるメリットがあります。

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KPIの設定方法

KPI の設定方法としては「SMART」と呼ばれる手法が有効です。
ここでは、SMARTを構成する5つの要素を紹介します。

S:Specific(明確性)

Specificとは「明確性」を意味します。KPIは会社全体で共有するため、すべての社員にとって明確な内容でなければなりません。KPIを設定する際は、できる限りわかりやすい内容に落とし込み、社員全員で共有できる状態を目指しましょう。

M:Measurable(測定可能)

Measurableとは「測定可能」であることを意味します。KPIは客観的な数値として具体化されなければなりません。測定可能な数値化を通じて、目標達成プロセスの進捗度合いを誰もがすぐに把握できるような状態を目指す必要があります。

A:Achievable(達成可能)

Achievableとは「達成可能」であることを意味します。組織として高い目標を望むあまり、現実的に達成不可能な目標を設定してしまうことも考えられます。しかし、目標設定に際しては一定水準を保ちつつも、達成可能な範囲の目標にすることが重要です。「頑張れば達成できる」程度の目標を立てることは、社員への意欲喚起の点からも有効性が高いといえます。

R:Related(関連性)/ Realistic(現実的)

Relatedとは「関連性」を意味します。KGIは最終的な目標、KPIはKGIに到達するための中間目標という関係にあり、自社で設定するKPIとKGIは相互に関連性を持たせなければなりません。たとえるなら、KPIというピースを組み合わせた結果、KGIというパズルが完成するイメージです。
Realistic「現実的」という意味をあてはめる場合もあります。

T:Time-bounded(期限の設定)

Time-boundedとは「期限の設定」を意味します。各KPIの達成期限は、KGIの内容を実現すべき期限から逆算して設定します。期限を定めていない目標は後回しになることも多いため、KPIを設定する際には同時に達成期限も決めておきましょう。

KPIツリーの作り方

KPIツリーを作成するための手順を以下にまとめました。

手順①:KGIの設定

KGIは達成すべき最終目標であり、KPIよりも先に設定します。組織やチームが目指している最終的なゴールであるため、売上高や純利益、成約数などをKGIとして定めるケースが多く、数値目標として設定するのが一般的です。

手順②:KPIの設定

次に、KGIの実現に必要な要素をピックアップします。ここでのポイントは大きな要素から始めて、徐々に細かな要素を抽出していくことです。抽出した要素はこれ以上細分化できないところまで、できれば現場におけるタスクのレベルまで細分化するのが理想です。

たとえばKGIとして「売上高」を設定するのであれば、KPIは「契約獲得数⇒商談数⇒アポ数⇒アプローチ数」の順に細分化して設定します。KPIの検討に際しては、四則計算(足す・引く・掛ける・割る)に落とし込めることも重要であり、このケースでは「売上=契約獲得数×契約単価」「契約獲得数=商談数×成約率」「アポ数=アプローチ数×アポ率」という関係式が成り立ちます。これらの関係性もKPIツリーの中に反映させましょう。

上記の具体例のように、営業部門ではKPIツリーを活用する有効性が特に高いといえます。また、営業戦略の立案は売上向上に直結するところであり、HRインスティテュートが開催する「営業戦略立案ワークアウト」への参加を通じて営業活動をレベルアップさせることができます。

本プログラムの具体的な内容は以下のリンク先からご確認ください。

関連プログラム:営業戦略立案ワークアウト|組織・人材開発のHRインスティテュート

手順③:樹形図(ロジックツリー)の作成

KGIとKPIを設定したら、樹形図(ロジックツリー)としてまとめ、目標達成までのプロセスを一目で把握できる状態にします。ここではKGIを頂点とし、その枝分かれの部分にKPIを要素別に配置していきます。なお、ロジックツリーを作る際には、容易にツリー構造を作成できる「マインドマップツール」の活用がおすすめです。

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まとめ

ビジネスにおいて、目標達成に至るまでのプロセスが漠然としていると、施策の効果はあがりません。この点、KPIツリーを活用すれば必要なタスクが明確化され、チーム全体で共通認識を持つことができます。事業拡大を目指すためには必須のフレームワークといえるでしょう。

KPIツリーの作成に際しては、自社の目指すべき方向性が重要となりますが、現実に即しつつも取り組み甲斐のある目標を設定しなければなりません。HRインスティテュートが提供する「ワークアウト」では、コンサルタントのサポートを受けながら、自社の強みとそれを活かすべき方向性を模索してアウトプットしていきます。実践的な戦略構築を実現したい企業担当者様は、以下のリンク先より本プログラムの詳細をご確認ください。

関連プログラム:ワークアウト|組織・人材開発のHRインスティテュート

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