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ロジカルシンキングとは?論理的思考の鍛え方・トレーニング方法を紹介

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ロジカルシンキングはビジネスのあらゆる場面で求められる思考法です。プレゼンテーションや文章作成など、AI技術によって自動化が進んでいる領域は多いものの、前提としてAIを活用する人間の指示が論理的でなければ、技術を発展させることはおろか、うまく使いこなすことは難しくなります。AIの技術発展があっても論理的思考力の向上はすべてのビジネスパーソンにとって重要なテーマといえるでしょう。

この記事では「ロジカルシンキング」を取り上げ、ビジネスパーソンが習得するメリットや論理的思考を鍛えるトレーニング方法をご紹介します。

目次

ロジカルシンキングとは?

ロジカルシンキング(論理的思考)とは、結論と根拠を明確にし、筋道の通った考え方で物事を理解する思考法をいいます。物事を体系的に整理し、論理的なつながりを捉えた思考はビジネスの基礎とも言え、ビジネスパーソンに求められるスキルの一つです。

ロジカルシンキングを習得すると、相手に伝えるべきことを過不足なく、一回の説明で伝えられるようになります。ビジネス上の問題が発生しても、場当たり的な対応ではなく、明確な根拠を持って問題発生の要因を特定したり、適切な解決方法を選択することができます。ロジカルシンキングは、円滑なコミュニケーションと問題解決の両方を可能とする思考法といえるでしょう。

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ロジカルシンキングを習得するメリット

ビジネスパーソンがロジカルシンキングを習得するメリットには以下が挙げられます。

コミュニケーション能力の向上

ロジカルシンキングを身につけると、対話をするときに自分の考えを理路整然と伝えられ、相手の話を聞くときも論理的な整合性に注意しながら聞くことができます。これにより、お互いに齟齬(そご)のないやりとりが可能となり、コミュニケーション能力の向上につながります。

また、コロナ禍以降はオンラインミーティングの機会が増えています。オンライン上のやりとりはノンバーバル(非言語)の要素が少なく、言語表現だけでコミュニケーションをとる力の重要性が増しています。この点でも、ロジカルシンキングを習得していることは大きなアドバンテージとなるでしょう。

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問題解決能力の向上

仕事を進めるなかで問題に直面した場合、的確な解決策を提示するスキルが求められます。ロジカルシンキングが身につくと、問題が発生した原因を特定し、解決策を見つける能力が向上します。

ロジカルシンキングで重視されるのは、対象となる事象の因果関係の把握です。ロジカルシンキングを未修得である場合、因果関係を捉えた思考ができず、解決に向けた取り組みが難航したり、周囲の協力が得づらくなったりするというリスクがあります。

意思決定や業務処理スピードの向上

ロジカルシンキングによるコミュニケーションでは、必要な情報を効率的かつ正確に伝えられます。この結果、意思決定までの時間が短縮され、業務処理のスピードアップを期待できます。

また、ロジカルシンキングが身についている人は、想定外の事態に直面しても冷静に受け止め、原因分析や解決策の試行を迅速におこなうことができます。将来の予測が困難な時代において、適切な判断を導き出せる論理的思考力の高い人材は重宝されるでしょう。

ロジカルシンキングを鍛える3つの思考法とフレームワーク

ロジカルシンキングは天性の能力ではなく、意識して鍛えることで後天的に身につけられるスキルです。ここでは、ロジカルシンキングを鍛えるための効果的な思考法・フレームワークをご紹介します。

フレームワーク思考

フレームワークとは、共通して利用できる考え方の枠組みのことです。物事の全体像を体系的に把握・整理する際に役立ちます。フレームワークを活用することで、MECE(漏れなく・ダブりなく)の状態に整理され、物事の全体像がわかりやすくなります。

MECEとは「Mutually(互いに)」「Exclusive(重複なし)」「Collectively(全体的に)」「Exhaustive(抜けがない)」の頭文字をとった言葉で、すべての情報を網羅している状態を意味します。ロジカルシンキングを鍛えるには、MECEなフレームワークを考えることが大切です。

オプション思考

オプション思考とは、複数の選択肢(=オプション)を持つ考え方のことです。問題発生の原因を考えるときや新しい施策・アイデアを検証するときは、一つの選択肢だけで判断するのではなく、考えられる複数の選択肢を考慮することで、より正確な意思決定が可能となります。

ゼロベース思考

ゼロベース思考とは、先入観を排除しフラットな状態で対象を分析する思考法です。前提の知識がない状態(=ゼロベース)から物事を考えるため、固定観念や既成概念を打ち破ることができます。

先入観や固定観念を持っていると物事を正確に捉えられず、論理関係を見誤ってしまうことがあります。「一般的にはこうだろう」「常識から考えるとこうだろう」といった思考の癖は自分では気づきにくいため、グループワークを取り入れて第三者からフィードバックを受けることをおすすめします。

ロジックツリー

上記3つの思考法を活用し、MECEに物事を整理できるフレームワークが「ロジックツリー」です。ロジックツリーは、物事を構造化し問題を発見する「Whatツリー」、問題の原因を探索する「Whyツリー」、課題設定と施策の立案をおこなう「Howツリー」の3つから形成されています。問題の全体像を適切に捉え、原因を明確にし、適切な課題設定をおこなうことができます。

関連記事:ロジックツリーとは?特徴や作り方、具体例を解説

ロジカルシンキングの鍛え方・トレーニング方法

ロジカルシンキングを鍛えるトレーニング方法を以下にまとめました。効果的なトレーニングがあるので、自分に合った方法を取り入れるとよいでしょう。

言語の具体化

言語の具体化とは、日常会話で使われる抽象的な言葉を具体的な言葉に言い換えることです。たとえば「目標達成に向けて全力で頑張る」という抽象的な宣言について、いつまでに何をするのか、目標達成とみなす基準は何かなど、日時や数値を具体的に示すことをいいます。

具体的な表現を多用すると、自分の意思を正しく伝えられるようになり、相手との認識に齟齬(そご)が生じることが減ります。曖昧な表現をなくし、すべての人が同じイメージを持てるような表現を心がけることが大切です。

セルフディベート

セルフディベートとは、ディベート(討論)を一人でおこなうことです。ある論題に対し、自分自身が肯定派(賛成派)・否定派(反対派)の両方の立場に立って、各々が主張する内容を論理的に考えていきます。

セルフディベートでは「見えない敵(反論)」を想定し、自分の主張を根拠を明確にして主張します。否定派(反対派)の立場からは、相手の主張を疑うことがポイントです。批判的な思考(クリティカルシンキング)で「本当にこれは正しいのか」という視点から自問自答することで問題点への理解も深められます。

フェルミ推定

フェルミ推定とは、数量が膨大で正確に数えることが困難な場合に、大まかな数値を論理的に推測する手法をいいます。予想もつかないような数量でも、問題の要素を分析することで、おおよその範囲を把握できるというものです。

具体的な問いとしては「日本には電柱が何本あるのか」「日本には家庭用テレビが何台あるのか」などが考えられます。感覚的に予測することが難しくても、論理的思考力をもって推測すれば、概算の数値を導き出すことができます。妥当な根拠に沿って仮説を立てる練習にもなるでしょう。

用語解説:「仮説力」|組織・人材開発のHRインスティテュート

グループワーク

グループワークをおこない、複数人で特定のテーマについて考察することはロジカルシンキングの力を向上させます。グループワークは、問題分析や論理的な議論、説得力のあるコミュニケーションなど、ロジカルシンキングに関わる複数のスキルを扱います。

複数人で話し合いをおこなうためにメンバー間で見解の相違が出てきがちです。しかし、そのような場合に意見交換を通じて相違を埋めていく作業は、論理的思考力の鍛錬となるでしょう。

関連記事:オンライン・ファシリテーション研修が企業にもたらすメリットとは

まとめ

論理性はビジネスの基礎力となるものであり、ロジカルシンキングはすべての社会人が習得すべき能力です。また、ロジカルシンキングを習得していれば、コミュニケーションやプレゼンテーションにおいて相手に伝わりやすい表現を用いることができ、周りからの信頼を高められます。このスキルを身につけることが、キャリアやビジネスの成功に直結するといっても過言ではありません。

しかし、ロジカルシンキングの習得は単にツールを活用すればよいという簡単なものではありません。しかも、学習プログラムは専門性が高く、自社で効果的な研修を実施することは難しいでしょう。そこで、HRインスティテュートではロジカルシンキングを学ぶための演習型研修を用意しています。

この研修の特徴は「現場でロジカルシンキングを活用する」という観点からプログラムを組んでいる点にあり、現場での課題解決を目指すべきゴールと捉えています。研修を受けて終わりというありがちなプログラムとは一線を画しており、受講者様からも多くのポジティブな感想をいただいています。

現場で活かせるロジカルシンキングを身につけたい方は、下記のリンク先より具体的な内容をご参照ください。

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