Vol.04

「NEXT HR」調査レポート・コラム

「人事不要論」は本当か?次世代型人事の在り方とは?〜人事アンケート調査結果から読み解く[後編]〜

ProFuture代表/HR総研所長 寺澤康介

「人生100年時代」の到来により、従来の日本型雇用システムをベースとした働き方や、企業と働き手の関係が大きく変わろうとしている。AIの人事業務への導入など、テクノロジーによって省力化・自動化される人事業務も増え、いまのままの人事部では不要になるという声さえ聞こえてくる。

人事はどう変わるべきなのか。変わるための準備はできているのか。ProFutureが企業の人事責任者・担当者を対象に実施したアンケート調査結果から、人事の現状を分析するとともに、いま、人事が迫られている「変革」の方向性を探っていく。

調査主体: HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象: 上場および未上場企業人事責任者・担当者 調査方法:webアンケート
調査期間: 2017年7月26日〜8月15日 有効回答:313件(1,001名以上:35%、301〜1,000名:30%、300名以下:35%)

人事が対応すべき今後の重要事項TOP3

人事部門が考えるべき課題は山積している。その中でも、今後10年程度の間に対応しなければならない重要課題は何だろうか。選択式(複数回答可)で答えていただいたところ、その結果は興味深いものだった。

最もポイントが高かったのは、「少子化による若年層の減少」(71%)、「社員の高齢化」(71%)の2つで、「従業員との雇用関係の多様化」(64%)がそれに続く。以上がTOP3であり、全体の過半数がこれらを重要課題だとしている。やはり、長期的に考えた場合、少子化・高齢化と、これらに伴って拡大する働き方の多様化にどう対応していくかということは、多くの企業にとって死活的な課題だということだろう。

ほかには、今後、企業の持続的成長のために必須となる「労働生産性の向上」(53%)、「インターネット、テクノロジーの進化」(50%)を重要課題とする回答も多かった。特に、「インターネット、テクノロジーの進化」は、1,001名以上の企業に限れば63%が重要課題としており、大手企業の関心が高いことがうかがえる。

一方、現在、社会的な課題として大きくクローズアップされている「長時間労働の是正」(44%)、「同一労働同一賃金」(22%)は、上位に入らないという意外な結果となった。これらについては、むしろ喫緊の課題としてすでに対応を進めており、長期的な重要課題とは捉えていない企業が多いのかもしれない。

重要課題として「その他」との回答では、さまざまな課題が挙げられている。多かったのは、「定年制の延長(社会保険制度との絡み)」、「人財の流動性の加速、定年制の廃止」など、定年制に関わる課題である。定年制については、今後、さらなる定年延長義務化の動きが出てくる可能性もあるが、企業が多様な働き方を実現させていく上では、定年廃止も含め、これまでのような画一的な終身雇用とは異なる、フレキシブルな雇用の在り方を考えていく必要があるだろう。

また、今後、労働力人口の減少が予測される中で、「外国人労働者の雇用」を重要課題とするメーカーもあった。海外現地法人のみならず、日本国内でも外国人雇用を拡大する企業は、特に人手不足が常態化している業界を中心に増えていく可能性がある。そうした企業では、人事としていかに対応するか、制度作りを含めて準備が急がれるだろう。

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