Vol.05

「NEXT HR」キーパーソン特別インタビュー

人生100年時代に向けてシニア人材が活躍するための人事部門の支援の在り方とは

学習院大学 名誉教授/今野 浩一郎 氏
インタビューアー:ProFuture代表/HR総研所長 寺澤康介

現在日本では、少子高齢化が進むと同時に、勤労者数と高齢者数のアンバランスという大きな問題を抱えている。「人生100年時代」が到来しようとも労働力人口が少なくては豊かな社会の実現は在りえない。働く意欲と能力のあるシニア層がいつまでも働くことのできる社会構築は、今の日本の切迫した課題となっている。そこで今回は人材開発および人事マネジメントに関し幅広い見識を持つ、学習院大学名誉教授 今野 浩一郎氏をお招きし、シニア人材が活躍できる人事管理の構築についてお話を伺った。

人生100年時代と叫ばれている中、シニア(高齢者)の雇用・活用に関して、どのような認識をお持ちですか?

労働力人口の年齢別構成を見ると、60歳以上の比率は2016年19.9%に達しており、『労働者の5人に1人は高齢社員』時代を迎えました。シニア社員は「大きな社員(労働者)集団」化しているといっても過言ではありません。

しかし、わが国は大手企業を中心に、60歳以降の高齢者を雇用することに極めて消極的です。シニア社員の活用面をみますと「定年時の仕事を続けるが職責はダウンする」「フルタイムで働くが転勤や残業をしない」といった働く上での制約が強まります。

処遇面では「定年後給料は一律に引き下げる」「賃金は能力や仕事と関係なく定年時の6割程度に設定」「その賃金水準はその後も働きぶりを評価せずに維持」といった実質的に高齢者の働きを期待していません。こうしたシニア社員の雇用は「福祉的雇用」と呼ぶにふさわしい状況であり、これを前提とした人事管理は「福祉的雇用」型人事管理と呼ぶことができます。シニア社員が少数の間はそれでも良かったかもしれませんが、もうそうした時代はありません。

つまりシニア社員が少数派から大きな集団になったとき、このような働き方を容認したら会社は潰れます。何より、本人のモチベーションも期待できないでしょう。では、シニア社員を本格的に活用するにはどうしたらいいのでしょうか? 今、その方向性を真剣に考えなくてはいけない時期にきています。

学習院大学 名誉教授
今野 浩一郎 氏

1971年3月東京工業大学理工学部工学科卒業、73年東京工業大学大学院理工学研究科(経営工学専攻)修士課程修了。73年神奈川大学工学部工業経営学科助手、80年東京学芸大学教育学部講師、82年同助教授。92年学習院大学経済学部経営学科教授。2017年学習院大学 名誉教授、学習院さくらアカデミー長。
主な著書に、『正社員消滅時代の人事改革』(日本経済新聞出版社)、『高齢社員の人事管理』(中央経済社)など多数。

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