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モチベーションの意味とは?動機付けの方法をわかりやすく解説

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社員のモチベーションの高さは個人のパフォーマンスを左右するだけでなく、組織全体の生産性や企業イメージ、従業員エンゲージメントにも多大な影響を与えます。どの会社にとっても社員の動機付けは大きな課題であり、人事担当者の多くがモチベーションを高めることの重要性を認識しているでしょう。

しかし、社員一人ひとりの意欲を向上させ、それを維持し続けるのは難しいのが現実です。モチベーションを高めるためにどのような方法をとるべきか、頭を悩ませている人事担当者も少なくありません。

この記事では、モチベーションの意味や理論とともに、企業が取り組むべき動機付けの方法についてわかりやすく解説します。

目次

モチベーションの意味

モチベーションとは「やる気」や「動機」のことであり、人が何か行動をする際の原動力を意味します。ビジネスにおいては「仕事に対する意欲」を指すことが多く、社員のモチベーションを高めることで個人のパフォーマンスが上がり、ひいては組織全体の生産性向上につながります。また、社員のモチベーションを引き出すことは「動機付け」と呼ばれ、企業としてはいかに社員のやる気を高め、それを維持していくかが重要となります。

一方、エンゲージメントは、自発的に行動し続ける状態を示し、組織への貢献や仕事への没頭が特徴です。もともとエンゲージメントとは、「約束」「婚約」「従事」といった意味を表す英単語ですが、組織開発の文脈では「個人と組織が対等の関係で、互いの成長に貢献し合う関係」など個人と組織などの関係性を表す言葉として用いられることも多くなっています。

モチベーションが重視される背景

モチベーションが高い社員の特徴として、業務に対して積極的な姿勢で臨み、目標達成に向けて粘り強く取り組むことが挙げられます。これに加え、これまでになかった新しい取り組みにも尻込みせず、自ら前向きにチャレンジすることができます。

また、高いモチベーションを持つ社員の存在は周囲に波及し、他の社員のやる気を引き出してくれます。その結果、組織全体が活性化し、業績の向上につながります。個人のパフォーマンスアップだけでなく、組織全体にも好影響を与えるために、社員のモチベーション向上が重視されているのです。

モチベーションの種類

モチベーションには「内発的動機付け」と「外発的動機付け」の2種類があります。両者は相互に関連しているため、それぞれの性質を理解したうえでモチベーション向上の仕組みをつくることが重要です。

内発的動機付け

内発的動機付けとは、自分自身の内的な要因によるモチベーションアップを意味します。具体的には「やりたいからやる」「好きだからやる」などの意識のことで、人から強要されるのではなく自らの意思で行動を起こすことにつながる動機です。長期にわたって持続しやすく、成長につながりやすいのが特徴です。

外発的動機付け

外発的動機付けは、外的な要因によるモチベーションアップを意味します。具体的には「報酬がほしい」「罰を受けたくない」など、何らかの目標や目的を実現するために行動を起こすことにつながる動機です。内発的動機付けとは対照的に、即効性があっても一時的な効果しか望めず、継続的な成長につながりにくいのが特徴です。

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モチベーション理論

モチベーションに関する代表的な理論として「マズローの欲求5段階説」「ハーズバーグの二要因理論」「マクレガーのX理論・Y理論」があります。それぞれどのような理論なのか、モチベーション向上の施策を検討する際にも活用できる考え方をご紹介します。

マズローの欲求5段階説

マズローの欲求5段階説とは、人間の欲求をピラミッド型に構成した心理学理論です。この理論によると、人間には5つの欲求があり、下記の①~⑤の順番で段階的に満たされていくといいます。

①「生理的欲求」:生命を維持する
②「安全の欲求」:安心・安全な生活を送る
③「社会的欲求」:他者との関わりを持つ
④「承認欲求(尊厳欲求)」:他者から認められたい、自分自身を認めたい
⑤「自己実現の欲求」:自分の夢を叶えたい

社員のモチベーションを高めるためには、第一に安定した給与や休暇により社員が安心して働き続けられる環境を整備すること、そのうえで職場での役割や適切な評価、挑戦の機会などを提供し、低次欲求から高次欲求へと段階的に満たしていく必要があります。

ハーズバーグの二要因理論

ハーズバーグの二要因理論とは、モチベーションの高低が「動機付け要因」と「衛生要因」の2つの要因から決定されるという理論です。動機付け要因とはモチベーションを上げる要因であり、具体的には成功や承認、それに伴う達成感などを指します。一方、衛生要因とはモチベーションを下げる要因であり、具体的には労働条件や賃金、対人関係などが挙げられます。社員のモチベーションを高めるためには、仕事の満足度に関わる動機付け要因を重視することが大切です。

マクレガーのX理論・Y理論

マクレガーのX理論・Y理論とは、動機付けに関して相対立する理論のことです。X理論は性悪説に基づくもので、人間は本来怠け者であるために命令や強制で管理しなければ仕事をしなくなるという考え方です。一方、Y理論は性善説に基づくもので、人間は本来勤勉であるために自己実現に向けて自ら進んで行動できるという考え方です。現代は生活水準が向上し、社員の生理的欲求や安全欲求は満たされているために、モチベーション向上にはY理論を軸とした管理方法の必要性が高いとされています。

社員のモチベーションが高いことによるメリット

モチベーションが高い社員は業務に対して意欲的であることから、モチベーションを高めることは個人の生産性向上につながると考えられます。さらに、目標達成に向けて他の社員と協力しながら仕事をするため、コミュニケーションが円滑になり、組織内のチームワークや一体感も高まります。この結果として、会社の業績が上向くだけでなく、組織の活性化による従業員エンゲージメントの向上も期待できるでしょう。

社員のモチベーションが低いことによるデメリット

モチベーションが低い社員は業務に対する意欲が低いことから、仕事の質が下がりやすく、結果的に生産性も低下してしまいます。さらに、消極的な姿勢から孤立しがちで、チーム内の雰囲気が険悪になることもあります。社員のモチベーションが低いと、個人として成果を上げられないだけでなく、会社の業績にも悪影響を与えかねないのです。

動機付けの方法

社員のモチベーションを高めるにはどのような取り組みが必要となるのか、企業が実践すべき動機付けの方法を以下にまとめました。

目標の明確化

まずは社員に対し、何を達成してほしいのか、何を目指してほしいのかについて、目標設定の背景も含めて説明します。目標を明確化することで仕事の意義に対する理解が深まり、モチベーションを長期的に維持できるようになります。

また、目標設定に際しては「努力すれば何とか達成できる」程度の水準に設定することがポイントです。こうすれば、目標を達成しようと奮起する気持ちが生まれ、意欲喚起につながります。

用語解説:「ビジョンボード」| 組織・人材開発のHRインスティテュート

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客観的な評価の伝達と適切なフォロー

現在の業務における評価を客観的に伝達し、社員自身に現状を認識してもらうことも大切です。しかし、評価を知って意欲が低下してしまうケースもあるため、その場合には面談を実施するなど適切なフォローが必要です。

また、社員のモチベーションを維持するためにも、面談は定期的に実施することをおすすめします。面談を通じて社員の状況を把握し、意欲が下がっている社員には肯定的な言葉掛けを意識するとよいでしょう。

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キャリアデザインの提示

社員が理想とする将来像に向かって、社内でどのようなプロセスを経て成長できるのかをキャリアデザインとして提示します。将来像を明確にイメージできれば、社員のモチベーションアップにつながります。

この際の注意点は、キャリアデザインが社員にとって魅力的な内容でなければならないことです。社員が希望する内容とのミスマッチを避けるために、キャリアデザインを設計する前にあらかじめ社員の志向や強みを把握しておくことが重要です。

配置転換の実施

社員のモチベーションを高めるには、配置転換によって新たな業務を任せることも有効です。これは現在担当している業務に不満がある場合に有効で、社員に向いている他の業務やポジションを与えることでやる気を引き出します。配置転換をおこなう際は異動の目的を伝え、新たな部署での意欲喚起につなげましょう。

職場環境の改善

職場で長時間労働やハラスメントが常態化していると、社員の心が会社から離れ、モチベーションも低減してしまいます。企業としては、勤怠管理の徹底やハラスメントの抑止、多様な働き方が実現できる制度の構築により、社員が働きやすい職場環境へと改善しなければなりません。改善を通じてワークライフバランスが確保され、コミュニケーションが円滑におこなわれる職場になれば、社員のモチベーション向上につながります。

まとめ

ビジネスにおいて社員のモチベーションを高めることは、個人の業績アップだけでなく、生産性やエンゲージメントの向上など組織全体に好影響を与えます。だからこそ、社員のモチベーション向上は、企業として優先的に取り組むべき目標といえます。

HRインスティテュートでは、自分らしく目標達成を目指すためのワークショップを開催しています。具体的には、ビジョンボードを用いて一人ひとりの目標を可視化し、目標達成へのモチベーションを維持する力を身につけていきます。

モチベーション向上により組織を活性化させるためには、まず社員自身が自らをモチベートする力を養う必要があります。自社の現状に適合するか、下記のリンク先から具体的な内容をご参照ください。

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