コミュニケーションとは?意味、能力を鍛える方法を解説

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良好な人間関係を築くうえで、他者と適切にコミュニケーションをとる力は必要不可欠です。日常生活はもちろんビジネスにおいても必須のスキルであり、適切なコミュニケーションがとれている職場では意思の疎通を図りやすく、仕事を円滑に進めることができます。

コミュニケーション能力をどのようにして高めればいいのでしょうか?コミュニケーション能力は自然に高まるものではなく、トレーニングを通じて向上させる必要があります。自分に合ったトレーニングをおこなうことで、ビジネスでも通用する高いコミュニケーション能力が身につきます。

この記事では「コミュニケーション」について、その意味や能力が高い人の特徴、効果的にコミュニケーション能力を鍛える方法について詳しく解説します。また、コミュニケーションスキルを向上させることで得られる具体的なメリットや、ビジネス上での活用方法についても紹介していきます。

目次

コミュニケーションの意味とは?

コミュニケーションとは、人と人との間で行われる情報伝達や意思疎通のプロセスを指します。これには、言葉による直接的な対話だけでなく、身振り手振りのようなジェスチャー、文書やメール、SNSなどを通じた間接的なやりとりなども含まれます。感情や考え、知識などを互いに共有し、理解を深めることがコミュニケーションの本質です。

コミュニケーションを円滑に行う能力を「コミュニケーション能力」と呼び、これは社会生活を送る上で不可欠なスキルとされています。この能力は、相手の話を適切に理解し、自分の考えを効果的に伝えるスキルです。

コミュニケーションの手段は大きく「言語表現」と「非言語表現」に分類されます。言語表現は話し言葉や書き言葉を用いた明示的な情報伝達を指し、非言語表現には表情、声のトーン、身振り手振り、姿勢などが含まれます。効果的なコミュニケーションを行うためには、これら両方の要素を適切に活用することが重要です。

ビジネス上のコミュニケーションの目的

特にビジネス上でコミュニケーションをとるうえでは、自分の意見をいかに相手にうまく伝えるかという点を重視しがちです。しかし、コミュニケーションとは一方向ではなく、双方向に意思を伝え合うやりとりであり、その結果成し遂げたい「目的」が存在します。例えば、企画を承認してもらいたい、商品をご購入いただきたい、メンバーに会社からの期待を理解してもらいたいなど、場面に応じて目的が存在しています。

この目的を達成するために、手段としてコミュニケーションを取っているわけですが、この目的と手段としてのコミュニケーションの関係性を間違えて「うまく話す」技術ばかりになると、コミュニケーションが一方通行となってしまい、信頼関係の構築や目的の達成には繋がりません。ビジネスにおけるコミュニケーションはその場面に応じた「目的」達成のためにあることを意識し、目的達成のためにコミュニケーションスタイルを柔軟に変えていくこともスキルであると言えます。

コミュニケーションスタイル

コミュニケーションスタイルは個人によって異なり、同じようにコミュニケーションをとっていても相手によって「うまくいく場合」と「うまくいかない場合」があります。スムーズなコミュニケーションをとるためには、自分自身や同僚・部下のコミュニケーションスタイルを理解することが重要です。

例えば、直接的な表現を好む人もいれば、婉曲的な表現を好む人もいます。また、感情を表に出して話す人もいれば、冷静に事実のみを述べる人もいます。これらのスタイルの違いを認識し、相手のスタイルに合わせてコミュニケーションを取ることで、より効果的な意思疎通が可能になります。

さらに、コミュニケーションスタイルは状況や環境によっても変化することがあります。公式の場面ではかしこまったスタイルを、私的な場面では親しみやすいスタイルを使い分けるなど、状況に応じた適切なスタイルを選択することも必要です。

自分のコミュニケーションスタイルを客観的に分析し、必要に応じて柔軟に変更できる能力を身につけることで、より幅広い相手と円滑なコミュニケーションを図ることができるでしょう。

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コミュニケーション能力を高めるメリット

コミュニケーション能力は、単なる会話のスキルにとどまらず、仕事の効率やチームの生産性にも関わるスキルです。そのため、コミュニケーション能力を高めることはビジネスパーソンにとって必須とも言えます。
ここでは、コミュニケーションを高めることで得られるメリットをご紹介します。

意思疎通や情報共有を的確におこなえる

コミュニケーション能力が高い人は、コミュニケーションスタイルを柔軟に変更しつつ、表情や声のトーン、ジェスチャーなどの非言語表現も効果的に活用し、相手に情報や意図を伝えることができます。この能力は、社内での共同作業やプレゼンテーションなど、相手に何かを伝えたり情報を共有するシーンで特に力を発揮します。

また、取引先や顧客など外部の人々とも円滑なコミュニケーションを図ることができるため、多様な他者と関わる機会の多い営業職やサービス職において特に重要なスキルとなります。さらに、的確な意思疎通や情報共有は、チーム内の連携を強化し、プロジェクトの進行をスムーズにする効果も期待できます。

加えて、コミュニケーション能力が高い人は、相手の理解度や反応を敏感に察知し、必要に応じて臨機応変に対応します。これにより、複雑な情報や専門的な内容でも、相手に合わせてわかりやすく伝えることが可能となり、ビジネス上の様々な場面で役立ちます。

良好な人間関係を構築できる

社会生活を送るうえで、他者との関わりは避けられません。コミュニケーションをうまくとれる人は円満な対人関係を形成できるため、職場やプライベートでの人間関係が豊かになります。社内の人間関係がよければ業務が円滑に進みやすく、また社外に広範な人脈があれば新しいビジネスチャンスに出会いやすいメリットがあります。

さらに、良好な人間関係は生産性にも関係します。職場内でのコミュニケーションが活発になることで、チームワークが良くなり、問題解決がスムーズに行われます。また、信頼関係が構築されることで、お互いの強みを生かし合える環境が整い、コミュニケーションの行き違いによるストレスも減らすことができるでしょう。

目標の実現力が高まる

コミュニケーション能力を高めると、目的を意識して他者と関わりながら業務を遂行することができるようになります。コミュニケーションスタイルの相性が合うかどうかにとらわれることなく、信頼関係を構築して協働できるようになるため目標達成もしやすくなります。また、相手にわかりやすく伝えるために、物事を体系的に整理し、スムーズな情報伝達が行えるようになれば、ビジネス上の提案も受け入れられやすくなるでしょう。さらに、的確な表現力や説得力が身につくことで、自身のアイデアや意見を効果的に伝え、周囲の協力を得やすくなります。これにより、個人やチームの目標達成に向けた取り組みがより円滑に進むことが期待できます。

コミュニケーション能力が高い人の特徴

コミュニケーション能力が高い人には、いくつかの共通する特徴があります。これらの特徴は相互に関連して、総合的に高いコミュニケーション能力を形作っています。
ここでは、コミュニケーション能力の高い人にみられる特徴を紹介します。

聴く力が高い

コミュニケーション能力が高い人は、優れた「聴く力」を持っています。相手の話に耳を傾けて丁寧に聴き、単に言葉を耳に入れるのではなく、相手の感情や意図も含めて深く理解しようとします。表情や声のトーン、身振り手振りなどの非言語コミュニケーションにも注意を払い、言葉以外の情報も統合して理解しようと努めます。

このように相手を理解しようとする真摯な姿勢は、安心感を与え、信頼を得やすくなります。また「相手に受け入れられている」と感じた話し手は安心して話せるようになり、相手の話を引き出しやすくなることもポイントです。

対面で会話をする際は、自分と相手の話す時間の割合が「自分:相手=4:6」を意識すると、会話が弾みやすくなります。コミュニケーション能力が高い人は自分が話しすぎることなく、話す時間と聞く時間のバランスをとりながら会話のキャッチボールをしています。

自然と質問が出てくる

コミュニケーション能力の高い人は、「訊く力(質問力)」も優れています。相手に対して興味と関心を持ち、会話の中で自然と聞きたいことが思い浮かび、適切なタイミングで的確な質問をすることができます。相手の状況や意見を丁寧に確認しながらコミュニケーションを進めることができるので、一方的に自分の考えを押し付けるのではなく、相手の立場や視点を尊重しながら対話を展開することが可能です。

また、適切な質問を投げかけることで、相手の思考を促し、新たな気づきや洞察を引き出すこともあります。さらに、相手の反応を見ながら質問の内容や頻度を調整できる柔軟性も、高いコミュニケーション能力の表れといえるでしょう。

伝え方が分かりやすい

コミュニケーション能力の高い人は、「伝える力」も持っています。伝えるときに、話が長くなりすぎず、メッセージを端的に分かりやすく伝えます。さらに、相手の反応を見ながら説明のペースを調整したり、専門用語を避けて平易な言葉に置き換えたり、例え話や具体例を交えたりすることも得意です。また、視覚的な補助ツールを効果的に活用し、図や表を用いて複雑な情報を整理して提示することで、相手の理解を促進させる工夫もしています。

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コミュニケーション能力を鍛える方法

コミュニケーション能力は生まれつきの才能ではなく、継続的なトレーニングによって向上させることができるスキルです。効果的なコミュニケーション能力を身につけるためには、「聴く力」「訊く力(質問力)」「伝える力」の3つの要素を総合的に鍛えることが大切です。

「聴く力」を鍛える方法

ここでは、「聴く力」を鍛えるための具体的な方法をいくつか紹介します。

ミラーリング

ミラーリングとは、会話をしている相手の表情や仕草を自然に真似ることです。「自分と似ている人に対して親近感を感じる」という人間の心理的特性を活用した手法で、鏡のように相手を反映することから「ミラーリング(鏡写し)」と呼ばれます。相手に無意識のうちに親近感を与えることで、話しやすく、聞きやすい雰囲気を作ることができます。ただし、過度に明らかな真似は違和感を与え、逆効果となる可能性があります。さりげなく自然に行うことを意識しましょう。例えば、相手が笑顔になれば自分も微笑む、相手が前のめりになれば自分もやや前傾姿勢をとるなど、相手の動きに合わせて行いましょう。

バックトラッキング(繰り返し)

バックトラッキングとは「オウム返し」のことで、相手の話した内容を端的に要約することです。内容のまとまりごとに会話を区切り、一言か二言で簡単に要約します。傾聴の姿勢をアピールできるとともに、会話内容を繰り返すことで理解も深まります。この手法は、相手の発言を正確に把握し、コミュニケーションの齟齬(そご)を防ぐのに効果的です。また、相手に「しっかり聞いてもらえている」という安心感を与え、より深い対話を促進する効果もあります。

パラフレーズ

パラフレーズとは、相手が話した内容を別の言葉で言い換えることです。話の内容をしっかりと理解していなければ自分の言葉で表現できないため、話し手に「理解していること」や「共感していること」を感じてもらえます。また、話の内容を共有し、齟齬がないか確認する場合にも有効な手法です。

パラフレーズを行う際は、相手の言葉をそのまま繰り返すのではなく、自分なりの解釈を加えながら言い換えることが必要です。例えば、「このプロジェクトは難しそうです」という相手の発言に対して、「課題が多く複雑そうですよね」というように、言葉の裏にある意図や感情を汲み取る努力が必要です。

「訊く力(質問力)」を鍛える方法

ここでは、「訊く力(質問力)」を鍛えるための具体的な方法を紹介します。

インタビューツリー

質問を事前に洗い出しておくことにより、目的に沿って漏れなく質問が可能になります。質問をすることで、相手が何を考えているのか、何を求めているのかに対する理解がさらに深まります。コミュニケーションで大切なのは「自分が尋ねたい質問」ではなく「相手が話しやすい質問」をすることです。さらに、効果的な質問で相手が気づいていない潜在的なニーズまで引き出すことができれば、インタビュースキルとして非常に高い水準にあるといえます。

インタビューツリーを作成する際は、まず大きな質問から始め、徐々に具体的な質問へと枝分かれさせていきましょう。これにより、漏れのない質問リストを作ることができ、相手の回答に応じて柔軟に質問を展開することが可能になります。また、質問の順序や言い回しを工夫することで、相手が答えやすい雰囲気を作り出すこともできます。

関連記事:異文化コミュニケーションとは?よくある失敗例と必要なこと・大切なことを解説

「伝える力」を鍛える方法

ここでは、「伝える力」を鍛えるための具体的な方法をいくつか紹介します。

結論ファーストの意識

話の内容を的確に伝えるためには、結論を先にもってくることが大切です。具体的には「結論→理由→具体例→結論」の順番で話し、相手に「伝える」だけでなく「伝わる」ようにすることも意識しましょう。自分が伝えたい内容を相手にしっかり認識してもらえるよう、結論を繰り返すこともポイントです。

この「結論ファースト」の手法は、ビジネスシーンで特に重宝されます。相手の時間を尊重し、要点を素早く把握できるようにすることで、コミュニケーションの効率が向上します。また、結論を先に述べることで、聞き手の関心を引き付け、その後の説明に集中してもらいやすくなる効果もあります。

結論ファーストを実践する際は、以下の点に注意しましょう。

  1. 簡潔さ: 結論は短く、明確に述べる
  2. 具体性: 抽象的な表現を避け、具体的な内容を伝える
  3. 一貫性: 結論と後続の説明に矛盾がないようにする
  4. 強調: 重要なポイントは繰り返し言及する

アダプティブ・コミュニケーション

コミュニケーションスタイルは、個人によって大きく異なります。効果的なコミュニケーションを行うためには、自分のスタイルを固守するのではなく、相手のコミュニケーションスタイルを理解し、状況に応じて柔軟に対応することが大切です。この適応力のあるコミュニケーション手法を「アダプティブ・コミュニケーション」と呼びます。

アダプティブ・コミュニケーションの実践には、まず自分のコミュニケーションスタイルを客観的に分析することから始めます。その上で、相手のスタイルが自分と異なる場合、相手に合わせた言葉選びや表現方法を意識的に採用します。例えば、詳細を好む相手には具体的な説明を、概要を重視する相手には要点を絞った説明をするなど、相手の特性に応じてアプローチを変えるようにしましょう。

アダプティブ・コミュニケーションは、練習を重ねることで徐々に身につきます。日々の会話の中で相手の反応を観察し、自分の伝え方を微調整していくことで鍛えることができます。

参考:ビジネスコミュニケーションのノウハウ・ドゥハウ

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まとめ

コミュニケーション能力は、ビジネスパーソンにとって不可欠なスキルであり、トレーニングによって向上させることができます。高いコミュニケーション能力は、生産性の向上や良好な人間関係の構築などにつながる可能性があります。

そのため、自分に適したトレーニング方法を見つけ、「聴く力」「訊く力」「伝える力」を総合的に磨くことが重要です。まず自分自身のコミュニケーションスタイルを理解することから始め、自分の強みや弱みを把握し、改善点を明確にしてみましょう。また、コミュニケーションは双方向のプロセスであることを忘れてはいけません。相手の立場や感情を考慮しながら、適切な言葉遣いやボディランゲージを用いることを心がけましょう。

下記のワークショップはコミュニケーションスタイルへの理解にフォーカスした内容であり、人によって異なるスタイルを客観的に認識し、日常のコミュニケーションに活かす方法を学べます。職場でコミュニケーションがうまくとれていないと感じている方は、受講を検討してみてはいかがでしょうか。

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監修者
米虫 瞳
早稲田大学教育学部卒業後、総合人材サービス会社に入社。官公庁や自治体を対象とするBPO事業部にて、人材採用の観点から多岐にわたるプロジェクトを支援。 HRインスティテュートでは主にロジカルシンキングやビジネスコミュニケーション、プレゼンテーションに関するプログラムを担当。 日本アクションラーニング協会公認アクションラーニングコーチ(ALC)/キャリアコンサルタント(国家資格)/青山学院大学学校教育法履修証明プログラム修了ワークショップデザイナー
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