「適性検査」×「HRテクノロジー」で学生から活躍人材を見抜き、ミスマッチのない採用を実現する

株式会社i-plug 取締役 COO
直木 英訓氏

採用難が深刻な昨今の新卒採用市場では、「欲しい人材が採れない」という企業の嘆きが後を絶たない。一方で学生側の多くも、志望業界と入社業界の不一致に悩まされている。こうしたミスマッチを根本から解消する手段として注目されているのが、「適性検査」と「HRテクノロジー」を掛け合わせた仕組みだ。株式会社i-plugが提供する「OfferBox」(オファーボックス)は、適性検査によってわかるパーソナリティとテクノロジーを活用することで、データサイエンスに基づいたマッチングや、人材データを根拠とした採用を実現させる。今回は、株式会社i-plug 取締役 COO 直木 英訓氏に新卒採用における活躍人材の見抜き方についてお話を伺った。

学生の情報不足や先入観がミスマッチを招いている

まずは昨今の新卒採用市場における課題や問題点についてお聞かせください。

直木氏

課題はたくさんありますが、代表的なものとしては、学生と企業の情報格差が挙げられます。企業側は毎年新卒採用を行っているので、経験値がどんどん高まっていきますが、一方の学生側は毎年初めての就職活動。要は素人が玄人に挑んでいるような構図になるわけです。そもそも学生は、世の中にどんな仕事があるのか、どんな会社があるのかを知る機会があまり多くありません。そのような中で、就職活動には、卒業までに決めなければいけないというリミットがあります。必然的に学生は知っている会社から順番に受けていくことになり、結果としてそれが両者の出会いの機会ロスを招いてしまうのです。

また、第四次産業革命などがもたらす環境変化によって、企業の経営戦略もこの数年で大きく変わってきました。そして経営戦略が変われば、採用戦略も変わり、求める人材像も変わってきます。FinTech化が進む金融業界で、IT系人材が求められているのがわかりやすい例でしょう。しかし、多くの学生はそういった現状を知らないため、知っている会社から受けていくことになります。昨今欲しい人材が集まらず、困っている企業が多いのには、そういった背景もあると思います。

さらに近年、就活の方法が多様化し、就活生がエントリーする社数も年々増えています。そのため企業と学生が互いに向き合う時間が減り、密なコミュニケーションを取ることが難しくなってきました。こうした相互理解不足もまた、ミスマッチが発生する大きな要因だと考えられます。

企業と学生の間でミスマッチが起こっていることが理解できました。御社が考えるミスマッチの定義とは一体何でしょうか?

直木氏

我々は、「定着・離職」と「活躍・非活躍」を指標に、良いマッチングとミスマッチを、(1)「定着している×活躍している」、(2)「定着している×活躍していない」、(3)「離職している×活躍していた」、(4)「離職している×活躍していなかった」という4象限で定義しています。良いマッチングとは、入社後の「定着」と「活躍」を満たす(1)のことで、(2)、(3)、(4)は何かしらのミスマッチが生じている状態です。私たちはHRテクノロジーの活用で(1)を実現し、ミスマッチを軽減していきたいと考えております。

インタビューはまだまだ続きます。

  • 適性検査と統計分析を掛け合わせ、会社毎のハイパフォーマー適性をモデル化
  • 未来予測のテクノロジー活用をスモールスタートで

直木 英訓氏
株式会社i-plug 取締役 COO

2004年大学卒業後、株式会社インテリジェンスに入社。営業、企画、業務のマネジメント業務や、新規事業の責任者を経験。i-plugでは主に営業領域を中心に、顧客への提供価値向上に務める。2016年グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻修了(MBA)

HRサミット2019での講演情報
G10 9/19(木)14:10 - 15:20 新卒活躍人材の見つけ方
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L17 9/20(金) 15:35 - 16:35 経団連の就活ルール廃止で変わる新卒採用戦略
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