Vol.02

NEXT HR キーパーソン特別インタビュー

「雇用」の概念がなくなる!?
働き方の変化が企業や人事の在り方を変える(前編)

学習院大学 経済学部 守島基博教授
インタビューアー:ProFuture代表/HR総研所長 寺澤康介

働き方が変わる!そのために働く人に求められるものとは

寺澤変化の激しい時代において、雇用の流動化が加速し、働き続ける人々は一社で勤め上げ、ひとつのキャリアを積み上げるということが難しくなってきました。さらにこれから長寿化が加速していくといわれていますが、どのような働き方になっていくのでしょう?

守島リンダグラットンが、2007年に日本で生まれた子どもの半分は、107年以上生きることが予想されると言っています。「教育→仕事→リタイア」というサイクルが60歳で終わり、40年間仕事から離れて暮らすというのは人間の生き方としては違うのではないでしょうか。ライフとワークは組み合わさって人間の人生は成り立っています。よって働く価値を提供する活動は人間である限り続けていかなければなりません。100歳まで生きるとなれば80歳くらいまで働き続けることになります。

一方、先程申し上げたように企業と従業員との関係は短期的、契約的になっていきます。そうなると、どうなるか。自分の人生の中で働くためにどういうことを行って、社会に価値を提供し続けていくか。企業や社会のニーズがどんどん変わっていくことに応じていける力が重要になります。
キャリア自律とよく言われていますが、それは当たり前の前提になります。キャリアの段階毎に自分のスキルやスキルセット、メンタリティを変えていける能力が重要となってきます。一人ひとりがそれらを意識して変えていかなければならないのです。

寺澤最近、人の仕事がAIに取って代わられ、失われていくといわれています。AIやロボットの進化は働き方にどう影響があるでしょうか?

守島AIやロボットが意味がわかるかどうか、感情が持てるかどうかで変わってきます。現在は意味ということがわからない、感情を持っていないという状態です。そういう段階ですからAIやロボットが得意とする膨大な情報量の中から計算や判断する作業と、人間が得意とする仕事は区分けできます。意味とか感情のようなEQ的な能力を人間が担っていけばいいのです。フェースツーフェースのEQだけでなく、マーケット心理を読み解く能力、顧客が考えていることを深慮できる能力は非常に重要であり、人間はそういった業務を担えるように能力を獲得する、高めていく努力が必要となっていくのではないのでしょうか。

学習院大学 経済学部経営学科 教授
守島 基博 氏

86年米国イリノイ大学産業労使関係研究所博士課程修了。人的資源管理論でPh.D.を取得後、カナダ国サイモン・フレーザー大学経営学部Assistant Professor。慶應義塾大学総合政策学部助教授、同大大学院経営管理研究科助教授・教授、一橋大学大学院商学研究科教授を経て、2017年より現職。厚生労働省労働政策審議会委員などを兼任。著書に『人材マネジメント入門』、『人材の複雑方程式』(共に日本経済新聞出版社)、『人事と法の対話』(有斐閣)などがある。

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