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Vol.5

Vol.5

自社で本当に活躍する学生と、どうすれば出会えるか新卒採用で成果を出し始めているダイレクトリクルーティング

株式会社i-plug 代表取締役 
中野 智哉氏

企業と学生の本質的なミスマッチを招く、就職ナビの弊害

新卒採用で、優秀な学生をなかなか採用できない、また、採用できたとしても、入社後、期待通りに活躍してくれるとは限らないといった悩みを多くの採用担当者が抱えています。問題はどこにあるのでしょうか。

新卒採用の現状がどういうものになっているかをみればわかります。いまの就職活動は就職ナビがメインになっていますが、この就職ナビが1995年にスタートしたことで就職情報が完全にオープン化し、学生はどんな企業にでも自由にエントリーできるようになりました。ですが、情報の流通量が多くなりすぎ、自由すぎて、学生は逆に選べなくなっています。

エントリー97社、説明会参加44社というのが2015年3月卒の就活生の平均で、半分は説明会に参加しないエントリーをしているのが実態です。説明会に参加したくても、企業から「満席になりました」と学歴フィルターをかけられて参加できない場合がありますから、「参加できる説明会に、早く多く参加しなければいけない」と煽られて、就活がスタートしたらとにかく単純に説明会の予定をどんどん埋めていくというのが、学生の就職活動の現状になっていると思います。

エントリー煽りという問題もあって、大量のエントリーが一部の大手企業に集中する一方、大手以外はなんとかエントリーを集めようと躍起になっているという流れですね。

企業側も、会う学生の数がMAXまで増えています。1人採用するのに平均100人以上のエントリーを募らないと優秀な学生が採用できないといわれる状況なので、どんどん集めていく。となると、学生1人あたりとのコミュニケーションの時間が減って、どういう人か、企業の文化に合っているかといったことをなかなか見極められません。

私自身、前職では現場で面接担当をした経験がありますが、二次面接ぐらいだと45分で3人から5人の学生が相手で、1人あたり15分で何がわかるんだろうと感じていました。コミュニケーションが希薄化していくので、本質的なミスマッチが解消されない状況だと思います。

「活躍する人材」の定義は変わったが、採用のやり方は?

コミュニケーションが薄く、ミスマッチが起きやすいので、優秀だと思って採用した学生が入社してみると能力の面で見込み違いだったり、社風に合わなかったりして活躍できないケースが出てくるわけですね。

「活躍する人材」の定義が変わっているということも大きいと思います。いままでは学歴の高い人材、つまり偏差値の高い人材が活躍するという傾向がありましたが、日本の教育は1+1はいくつかといった、何かをインプットして正確 なアウトプットを出す教育に特化しています。コンピュータでいうとCPUの高速なアタマをつくりだす教育です。

こういう人材は高度成長期にはすごくフィットしたんです。オペレーションは固まっているから、増えていく業務を早く処理できる人材が欲しいというニーズにぴったりマッチして、日本はどんどん伸びていったと思います。

でも、いまは経済環境が違いますね。

こういう人材は、経済が成熟期に入っていて、成長するために新たなイノベーションを起こすことが求められるという中では必ずしもフィットしません。どういう人材が一番フィットするのかというと、答えがあるものを早く出すのではなく、答えがないものに対してチャレンジし続けるタイプです。

とんでもない試練にぶつかって、あきらめずにやりきった経験があるか、ストレスや負荷がかかったときにどう動くのか、一歩目を早く出せるのか、そこで尻込みするのか。そうした行動特性が、学力偏差値より重要になってきます。「活躍する人材」の像が変わっているのに、採用プロセスが昔のままのやり方で、あまり変わっていないということも問題ではないでしょうか。

複数の採用手法を組み合わせる企業が増えている

自社で本当に活躍してくれる学生を採用するために必要なことは何でしょうか。今後、企業の新卒採用はどのような方向に向かっていくとお考えですか。

採用プロセスの中で企業と学生のコミュニケーションが希薄化していますから、もっと濃密なコミュニケーションをとっていくことが必要だと思います。また、採用の手法は多様化していった方がいいし、実際そうなってきています。

現在、主流になっている就職ナビは学生から企業にアプローチする「エントリー型」サービスですが、企業から学生にアプローチする「オファー型」サービスであるダイレクトリクルーティングが伸びてきています。合同説明会などのイベント、新卒の人材紹介サービスも活用されていますし、自社のリクルーターを使った採用手法もあります。就職ナビはほとんどの企業が利用していますが、最近はそれにプラスして、違うサービスも併用する企業が増えてきています。

それぞれの採用手法の特長が違うので、組み合わせればいいということでしょうか。

たとえば、100人を超えるような大量採用を行う場合、就職ナビをやめるのは難しいと思います。就職ナビはマスマーケティングの手法で一気に訴求するので、大量に人を集めるのに向いています。コミュニケーションは希薄化しても、たくさん集めてからどんどんそぎ落としていく作業ですむので、採用にかかる工数でいうと効率的なんです。

でも、採用市場が多様化して、1つのサービスだけでは採用しきれない可能性がありますし、採用する人材が同質化してしまうリスクもあるので、それを避けたいと考える大手企業が、就職ナビに加えて、ダイレクトリクルーティングなど、それ以外のサービスも使い始めている状況です。

インタビューはまだ続きます。

「マッチング精度を高める『OfferBox』の仕組みとは」など、
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株式会社i-plug 代表取締役
中野 智哉氏

グロービス経営大学院大学卒(2012年3月) インテリジェンスで法人営業を経験、上記経営大学院卒業後、同期3名で株式会社i-plugを創業し、同年10月に新卒に特化したダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox」をリリース。 中京大学経営学部を卒業後、最初に就職した企業が絵に描いたような「ブラック企業」で、初任給は約束された給与の半分・・・。そのような自身の原体験から、現在の就職活動の在り方に対して問題意識を持ち、少しでも学生の可能性が広がるような機会を提供したいと考え起業を決意した。 「我が子が使うサービスを創造する」を合い言葉に就職活動の問題解決に取り組む。