昨年度の人事イベント動員数No.1。日本中の人事部が認めた日本最大級の人事フォーラム・カンファレンス HRサミット2015

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Vol.1

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いよいよ日本で本格展開される新発想
ポインツ・オブ・ユー
世界の大手企業が活用する理由とは

ポインツ・オブ・ユー・ジャパン 代表・市居 嗣之 氏
聞き手:ProFuture代表 HR総研所長・寺澤 康介

世界147ヵ国で100万人以上が体験したツール

市居さんは、イスラエルで生まれたポインツ・オブ・ユーの日本での普及活動を担う団体の代表を務めていらっしゃいます。ポインツ・オブ・ユーは世界の多くの国で使われているとお聞きしていますが、いま、どういう状況なのでしょうか?

ポインツ・オブ・ユーは2006年にイスラエルのコーチング専門家によって開発されたクリエイティブなツールです。発祥の地のイスラエルからアメリカ、ヨーロッパなどに拡がって、現在は147ヵ国で展開されており、すでに累積100万人以上がこのポインツ・オブ・ユーを体験もしくは活用しています。日本語を含めた11言語が用意されています。

視野を拡大し、創造力や発想力に刺激を与えるツールとして、ビジネス、教育、公共分野など非常に幅広い領域で使用実績があります。たとえば、ビジネス領域ではグーグル、インテルなど世界をリードするトップクラスの企業がポインツ・オブ・ユーを導入し、組織変革やプロジェクトマネジメントなどに活用しています。日本でも2014年に日本語版をリリースし、普及活動を本格的にスタートさせたところです。

ポインツ・オブ・ユーが生まれた背景を教えてください。

このポインツ・オブ・ユーの開発者は、エグゼクティブコーチとして企業向けに活動する一方で、NPOを立ち上げました。未成年者やドメスティックバイオレンスの被害者といった社会的弱者、つまりコーチングやセラピーを必要としているのに経済的理由で受けられない個人に向けてもサービスを提供していました。その中で、これまでに提供してきたコーチングのセッションやサービスをもっとひろく、多くの人に提供し、支援していけるような画期的なツールを作れないかと考えたことが開発のきっかけです。

そこから世界中のコーチングやコンサルティング、セラピー、あるいはタロットカードやヨガなどさまざまな手法についてリサーチし、それらが人間に対してどういう影響を及ぼせるのか、また、どうすれば社会的弱者が発言力やコミュニケーション能力を身につけて世間に出ていけるかといった問題を掘り下げ、最終的に生み出されたのが、このポインツ・オブ・ユーというツールです。

写真を使って、感性や感覚を司る右脳を活性化

コーチングにもいろいろなものがありますが、ポインツ・オブ・ユーの特徴は何ですか?

特徴として活用範囲の広さが挙げられます。たとえば、コーチングのプロフェッショナル、セラピスト、コンサルタント、あるいはインストラクター、学校の先生といった様々な分野にオールマイティーにご活用いただけます。

通常、コーチングのサービスというと、プロフェッショナルなコーチがいて、コーチとして認定されるためには比較的費用のかかるプログラムを受講する必要がある場合が多いと思います。そこの敷居を下げて、より多くの人々の間に広がっていける仕組みにしているわけですね。では、ツール自体の特徴はどういったものですか?

ポインツ・オブ・ユーは、実世界のさまざまな情景を切り取った写真と言葉が載った65枚のカードで構成されています。イラストのカード、あるいは言葉だけが記載されたカードを使うツールはこれまでにもありましたが、実世界の写真のカードを使うツールは例がありません。そこに言葉が加わっていることも特徴です。65枚の写真はクローズアップされているものが基本で、全体像が示されていません。ですから、ここはどういう場所だろう、見えていないところでは何が起きているのだろうと、見た人が各人各様に感じ取り、意識や発想を拡げていくことができるわけです。

現代の人間が抱える世界共通の問題のひとつとして、ロジックを司る左脳ばかりが発達し、感性や感覚を司る右脳の働きが弱まっているということが専門家から指摘されています。ポインツ・オブ・ユーは写真を使って右脳を活性化することが最大の特徴です。右脳が発達するということは同時に、左脳を刺激することにもつながります。

ロジック中心の頭をもみほぐし、違った考えを引き出す

そのカードを使ってどのようにコーチングを行うのですか?

多くの場合は、グループやチームで行われます。プロセスは基本的に4つです。1番目は、いままでの世界、日常的な考えをいったん停止するプロセスです。写真を使って何か考えるということは、日頃の生活の中であまりやることがありませんから、一呼吸置いて、自然な形で入っていきます。その上で、2番目は写真を使って考えを拡げていくプロセスです。もちろん、ただ写真を説明するだけなら誰にでもできますし、何も拡がっていきません。1枚の写真からどれだけ発想を拡げられるか、そのためにファシリテーターが質問などによっていくつかのきっかけを与え、手助けをします。3番目はフォーカスです。考えがどんどん拡がった状況から、つぎにどう行動を起こせばいいか。自分が本当に何を次のステップとして進めればいいのかを絞り込むプロセスです。最後は、このフォーカスした内容をどういう時間軸の中で実現していけばいいか、たとえば1週間、1ヶ月、半年、1年といったタイムスパンを設け、実際に行動に移していく計画を立てるプロセスで終了となります。ただ、これは基本形で、実際には場面や目的に応じて多様なプロセスでコーチングを行います。

写真を使うことによって、このポインツ・オブ・ユーに参加する人の考えや発想がどのように拡がっていくのでしょうか?

一例を挙げると、ファシリテーターが参加者の抱えている課題に関連した質問を投げかけます。なぜその課題が自分にとって難しいのかといったことを引き出していきます。選んだカードは、当初自分の頭の中で、ロジックで考えていたこととはまったく異なる場合があります。これが最初の大きな特長です。次に、その写真、あるいは写真の周辺にある映像、感じ、匂い、そういったものから何かを感じ取ることで、初めて「あっ、こういうこともあったんじゃないか」と、その人自身の中から、いままでとは違った考えが初めて引き出されます。すると、同じ課題であっても、参加者はこれまでよりもっと拡がった言葉で話すことができるようになります。コミュニケーションの幅が拡がり、「あなたは実はそういう考えを持っていたんですね」というように、メンタル的、感情的な部分まで含めてお互いを理解し合うことにもつながっていきます。これがふたつめの特長です。

写真を使って視野を拡げるということを、もう少し具体的な例を挙げてご説明しましょう。65枚のカードの中には、泥沼の地面と、そこに裸足で泥だらけになって立っている人間の足の部分をクローズアップした写真があります。このカードを引いた人は、最初はどう感じるでしょうか。「汚いな。早く洗ってきれいにしたい」と考えるかもしれませんね。ファシリテーターは、そこから視野を拡げていくために、「この人はどういう人なのか」といった、写真には映っていない事柄について、また、参加者自身について、「あなたは過去にこういう泥だらけになったような経験をいつしましたか」といった問いかけをします。すると、じつはその参加者は子供のころに泥んこ遊びをした経験があって、当時は汚いどころか楽しくてしかたがない、エキサイティングだという考えだったかもしれません。そのようにして、現状の考えだけではないところに少しずつ引っ張っていくことで、新しい、違った考え方を引き出していくわけです。

インタビューはまだ続きます。

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ポインツ・オブ・ユー・ジャパン 代表
市居 嗣之 氏

工学博士。環境科学修士(英国イースト・アングリア大学)。工学院大学客員研究員。英国マンチェスター工科大学、日本大学などで建築・土木・環境などについて学ぶ。IT 系の専門コンサルティング企業にて、行政における防災・防犯活動をIT で支える仕事やナレッジベースにおける情報リスク管理の職務に携わる。2009 年、起業独立。危機管理能力を向上させるためには対面での活動が必須であると認識し、実効性の高い各種トレーニングやワークショップなどを自らの業務の中にとりいれ、行政や地域住民と一体になった危機管理活動を展開中。2年前にイスラエルからポインツ・オブ・ユーのツールを導入。各種の対人支援職や、専門プロフェッショナルの視点を広げる活動をサポートしている。キーワードはPay it forward。POY をより多くの人へ渡すことを目指している。