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OJTトレーナーに知っておいてほしい若手社員のコミュニケーション特性とは?

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実務未経験の若手社員を対象とした実践的な指導手法として用いられる「OJT」。
多くの企業がOJTをうまく機能させ、採用した人材に一日でも早く活躍してほしいと考える一方、Z世代(※)を中心とした若手社員への適切な指導方法を課題に挙げているOJTトレーナーも多いようです。

この記事では、OJTを成功させるためにトレーナーが理解しておきたい若手社員の考え方や価値観、コミュニケーション特性について解説します。

(※)概ね1990年代中盤から2010年代終盤までに生まれた世代を指す

目次

OJTトレーナーの役割とは?

OJT(On the Job Training)とは、実務を通して業務に必要な知識・技術を学ぶ研修方法をいいます。
教えられる側(トレーニー)は実践的なスキルの習得、教える側(トレーナー)には指導者としての成長と、それぞれにメリットがあることから多くの企業で重視されている育成手法です。

OJTトレーナーの主な役割は、若手社員の育成計画を策定し、業務上必要な知識やノウハウを指導することです。
また、的確なフィードバックやコーチングで若手社員を励ましたり、成長を促したりする役割もあります。

労働人口の減少やグローバル化で人材の流動性が高まっている現代において、OJTを成功させることは組織力の底上げや企業の生産性向上につながります。
一方で、OJTがうまく機能しなければ、時間と費用をかけて採用した若手社員の早期離職やトレーナーのモチベーション低下など、企業活動に大きな影響を及ぼしかねません。

OJTトレーナーのトレーニング能力は、若手社員が最大のパフォーマンスを発揮できるかどうかの鍵となり、ひいてはビジネスの成長においても重要なポイントとなるでしょう。

関連記事:OJTトレーナーの役割と意義とは?人材育成のポイントや必要なマインドを解説

若手社員の考え方、価値観を知る

OJTを成功させるには、OJTトレーナーが育成対象者となる若手社員の考え方や価値観、傾向を理解することが大切です。

一般的に、Z世代の若手社員には以下のような傾向があるといわれています。

●デジタルネイティブ
物心がついた頃には携帯電話やパソコンが身近にあり、短い会話によるSNSやLINEを使ったコミュニケーションが得意な世代です。
また、ITリテラシーが高く、新しい技術にも抵抗がない傾向にあります。

●ダイバーシティやグローバルな課題への意識が高い
インターネットを通じて世界のニュースに触れることでグローバルな視点を持ち、多様性を重視する考えや価値観が浸透しています。
また、「プライベートを充実させ、自分らしく、楽しく仕事をする」という労働観をすでに持っている人が多いのが特徴的です。

●注意や叱責に敏感
学校での体罰やハラスメントが大きな問題となった時代に育ち、地域社会でもきつく叱られる経験が乏しい世代です。
注意や叱責に敏感に反応したり、人から批判されないよう周囲の顔色をうかがって行動したりする傾向があります。

関連記事:OJTトレーナーはどのような基準で選定するべきなのか?またその育成方法について解説します

若手社員のコミュニケーション特性とは?

OJTトレーナーには、若手社員の考え方や価値観を踏まえたうえで、どのようなコミュニケーション特性があるのか理解し、一人ひとりに適した指導方法やコミュニケーションをとることが求められます。

若手社員のコミュニケーション特性には以下が挙げられます。

●正解をすぐに求める
若手社員は、あらゆることをインターネットで検索し、すぐに答えを見つけてきた世代です。
ゆえに情報処理能力は高いものの、自身で考える癖や力が身についていない場合が多いといえます。

OJTトレーナーとのコミュニケーションでも、一方的にアドバイスをしすぎると若手社員の力を伸ばせなくなる可能性があります。
まずは若手社員が自身で試行錯誤することを習慣化させましょう。また「どのような案が考えられる?」というように、自律を促す質問をするのもよいでしょう。

●「報連相」が苦手
Z世代には、自発的な行動やチャレンジすることが苦手な傾向があります。
仕事においても失敗することを必要以上に恐れたり、羞恥心を感じてしまったりすることで、OJTトレーナーに「報告・連絡・相談」ができなくなってしまうことが考えられます。

若手社員の失敗に対しては「こういうことを習得し、このように取り組めばうまくいく」というように、未来志向のアドバイスが効果的です。
改善が必要な部分はポジティブな言葉で励まし、コミュニケーションをとりながら指導するように心がけましょう。

●安心できる存在がいれば力を発揮する
これまで自分の好きな人と好きな時間にのみ関わってきた若手社員は、反対意見を持つ人や立場の異なる人とのコミュニケーションを苦手とする傾向があります。

OJTトレーナーは、若手社員の話をよく聞きそれぞれの個性を認め「自身の強みを伸ばしてくれる相手」だと認識される存在になることが大切です。
若手社員が安心感を得ることができれば、積極的な姿勢を持ち、のびのびと力を発揮することができるでしょう。

関連記事:OJTトレーナーの企業における役割とは?新入社員研修は入社何年目の社員がすべきなのか
関連記事:【あなたは大丈夫?】コミュニケーションコストが高い人の特徴と解決策を解説

まとめ

OJTを成功に導くポイントは、Z世代特有の価値観やコミュニケーション特性を考慮したうえで、育成対象の若手社員に対し「適合・理解・共感」することです。
また、若手社員一人ひとりの個性を生かす指導をおこなうには、OJTトレーナーへの適切な教育・研修が欠かせません。
企業はOJTトレーナーの育成スキルを醸成するような質の高い研修プログラムを導入し、トレーナーの指導力を強化する必要があるでしょう。

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