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OJTトレーナーはどのような基準で選定するべきなのか?またその育成方法について解説します

いち早く戦力となる人材を育てるために、多くの企業が新人教育の手法としてOJTを取り入れています。
しかし、OJTを採用すれば必ずしも社員教育を効率化できるとは限りません。OJTの効果を高める鍵を握るのはOJTトレーナーの質であり、企業にはトレーナーの育成や手厚いサポート体制が求められます。

この記事では、新人教育を成功させるために押さえておきたいOJTトレーナーの選定基準と育成方法をご紹介します。

目次

OJTとは

OJTとは「On the Job Training」の略称であり、実際に業務をしながらトレーニー(学習者)に知識や技術を身につけさせる教育手法をいいます。
トレーナー(指導者)による実務指導を採用すれば、机上の教育では学ばせることが難しい知識や技術も効率的に習得させることができます。

なお、OJTの原型は、アメリカの造船所で現場監督を務めていたチャールズ・R・アレンが1917年に開発した「4段階職業指導法」と言われています。

●4段階職業指導法
1. Show(やってみせる)
2. Tell(説明する)
3. Do(やらせてみる)
4. Check(確認し、フォローする)

OJTを実施する際は、上記の4つのステップをもとに育成をおこないます。
実務を通じて実践的なスキルを習得させるためには、簡単な業務から複雑な業務へ段階的に進めることがポイントです。

OJTトレーナーの選定基準

企業が効果的なOJTをおこなうには、育成側であるOJTトレーナーの人選が重要です。
ここでは、OJTトレーナーの具体的な選定基準をご紹介します。

トレーニーと同世代の人

トレーナーとの年齢が離れすぎているとトレーニーが萎縮してしまい、思うような教育効果を得られない可能性があります。
トレーニーへの教育を通してトレーナーも成長していくことを考慮すれば、多少経験が浅くてもトレーニーが気軽に話しかけられる同世代の社員を採用した方が得策でしょう。

コミュニケーション能力が高い人

リクルートマネジメントソリューションズが実施した新入社員意識調査によると、2021年度の新入社員が上司に期待することとして最も高い支持を得たのは「相手の意見や考え方に耳を傾けること」でした。
OJTトレーナーは、伝えたいことをわかりやすく伝える力と、相手が伝えようとしていることを汲みとる力の両方を兼ね備えた、コミュニケーション能力の高い人が適任といえます。

出典:リクルートマネジメントソリューションズ『2021年 新入社員意識調査』

当事者意識を持てる人

OJTトレーナーには、あらゆる物事を「自分事」として考えられる当事者意識が高い人を選ぶのがおすすめです。
当事者意識を持てる人はOJTトレーナーが担う役割についての理解が深く、担当トレーニーの早期戦力化に貢献する適切な指導が期待できます。
また、トレーニーの悩みやつまずきも自分事として受け止められるトレーナーは、トレーニーを理解し寄り添った対応ができるため、強固な信頼関係を築くことができます。

柔軟性がある人

状況に応じて柔軟な対応がとれることも、OJTトレーナーの重要な資質のひとつです。
柔軟性があれば、トレーニーの特性や課題に応じて指導方法を変えることができ、一人ひとりに適した指導ができます。
また、OJTに取り組むうえでは自分ひとりで悩みや責任を抱え込まず、すぐに周囲に相談したり助けを求めたりできる人であることも大切です。

人を信じる力を持っている人

OJTトレーナーにとって最も重要な資質は、指導するトレーニーの成長を信じられることであるといっても過言ではありません。
人を信じる力を持つ人がOJTトレーナーを務めれば、トレーニーがその期待に応えようとする「ピグマリオン効果」(※)が生じやすく、高い教育効果を得られます。

(※)ギリシャ神話の登場人物に由来する教育心理学の用語。他者からの期待を受けることで成果が上がる現象をいう。

OJTトレーナーの育成方法

企業が取り入れるべきOJTトレーナーの育成方法は次のとおりです。

OJTの目的・目標とOJTトレーナーの役割を明確に示す

OJTトレーナーが具体的に教育の見通しを立てられるように、まずはOJTの目的や目標、トレーナーとしての役割を明確に示すことが大切です。
また、OJTトレーナーはトレーニーの成長のみならず、企業全体の成長をも促せる重要な存在であると伝えることで、トレーナーのモチベーション向上につながります。

OJTトレーナーとしてのスキルを磨く

OJTトレーナーが身につけておきたいスキルには以下が挙げられます。

•目標設定:適切な短期目標と中長期目標を設定する
•ティーチング:自ら手本を見せながら業務の知識・技術を伝える
•コーチング:トレーニーの力を引き出すサポートをする
•フィードバック:トレーニーの行動を評価し、さらに伸ばしたい点や改善が必要な点をわかりやすく伝える

OJTトレーナーとしてのスキルを磨くには、外部の専門講師による「OJTトレーナー研修」の実施が効果的です。適切な研修を積極的に取り入れることで、新人教育の成果を最大化できるでしょう。

フォロー体制を万全にする

OJTトレーナーは通常業務をおこないながらトレーニーの育成にあたります。
企業はOJTトレーナーにかかる負担を理解し、フォロー体制を万全にしておかなければなりません。
たとえば、定期的な1on1ミーティングでトレーナーが抱える課題を共有したり、気軽に悩みを相談できる社内SNSを導入したりと、OJTトレーナーを全面的にサポートする環境づくりが求められます。

まとめ

新人教育手法のひとつとして多くの企業で採用されている「OJT」。
実際に働く職場で実務を通じた指導をすることで、新入社員の早期戦力化が期待できます。

OJTを成功させるポイントは、適切なOJTトレーナーを選ぶこと、選定したトレーナーを育成し指導の質を高めることです。
また、OJTトレーナーは普段の業務に加えてOJTの役割を担うことになるため、企業としてはトレーナーに対するフォロー体制も十分に整えておく必要があるでしょう。

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