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失敗しない!異業種交流研修の立ち上げ方

〜2030ビジネスリーダー養成のカギは“異業種”にあり〜

株式会社コンサルティングアソシエイツ 異業種交流研修プランナー 大竹 圭氏

世の中が大きく変わり、予想がしにくい時代

私は普段、研修の企画に従事していますが、その中で最近、問い合わせが非常に増えているテーマが、「うちの社員の視野を拡げさせてやってほしい」といった声をいただく、異業種交流研修です。お客様は「受講者の目の輝きが通常の社内研修とはかなり違う」、「とてもいい財産になりました」とおっしゃって帰っていかれます。私たち自身、やりがいを感じると同時に、これからのビジネスリーダー養成において、こうした取り組みが必要になると確信するに至った次第です。

最初に、なぜ異業種交流なのかということですが、まず、時代がどう変わっていくのかというところから考えたいと思います。最近、これからはVUCAの時代だということがよく言われます。VUCAとはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(あいまい性)の頭文字を組み合わせた造語です。今は世の中が大きく変わっていて、予想がしにくく、予想できても当てることは難しい。また、世の中が複雑になっていて、ある商品がなぜ売れているのか、うまくいっていたビジネスがなぜうまくいかなくなったのかも明確に説明できない、あいまいだというような時代になってきたということです。

VUCAの時代のビジネスリーダーに求められる3つの要素

では、そうしたVUCAの時代のビジネスリーダーに求められる素養、能力とは何でしょうか。私たちは次の3つの要素を考えています。1つ目は「仮説と学習」。何が成功するか、やってみないとわからない時代です。新規事業開発のときも、どれがうまくいくかなど、いくら考えてもわからない状態ですから、とりあえず小さくもいいからやってみる、話を聞きにいってみる。それで仮説が間違っていても、小さいからすぐに直して、また動ける。そうしたリーンスタートアップが重要になってきたと言われています。トライ&エラー&ラーニングできる力が大事だということです。

2つ目は「外向き志向」です。ビジネスのスピードが加速していますから、1社だけで何かやるということには限界があり、社外のアライアンスパートナー、専門家といった人たちと組むオープンイノベーションがこれからの企業の大きなテーマです。個人においても、そういう社外での人脈や接点がどれだけあるか、あるいは外の世界の情報をどれだけ仕入れているかといった姿勢が求められてきます。

そして、3つ目は「自己基軸」です。複雑かつあいまいな世界の中では、自社なりの基軸、自分なりの基軸を持っていることが非常に重要だと考えています。例えば、自社の事業は何のためにやっているのか、どのように社会に貢献しているのか。また、自分はどんなビジネスパーソン、リーダーでありたいのか。こうした基軸をしっかり持っていないと、いくら頑張っても場当たり的にしかならないことが多いと思います。

他社の優秀人材からの刺激が、参加者の能力の限界を突破させる

世の中が大きく変わっていくとき、ビジネスで何かを得ようと思えば、外に取りに行かなければなりません。既存の事業領域、既存の仕事の進め方から脱却して、外に取りに行く。外のことはよくわからないし、よく見えませんが、その暗闇に飛び込んで暗中模索できる人材こそ、これから必要になってくる人材ではないでしょうか。

異業種交流がなぜ効果的かというと、そこには選りすぐりの優秀人材が集まることが多いからです。私は「1%の優秀人材」と呼んでいます。そこで、異業種ならではの学びが得られます。まず、異なる業界を知り、異なる視点・発想に触れることで、外向き志向が育まれます。次に、自己、自社を客観視し、他社からフィードバックを受けることで、明瞭な自己基軸を確立できます。さらに、与えられた課題の中で仮説&検証を実践することで、とりあえずやってみて学ぶという姿勢を身につけていただけます。

ひとつ、例え話をします。ノミは人間なら東京タワーに相当する高さまで跳躍すると言われますが、コップの中に閉じ込めると、何度もコップの底に頭をぶつけ、やがてほとんど跳ばなくなります。コップを外しても、コップの高さまでしか跳ばなくなってしまいます。でも、ほかの普通のノミを隣に置き、跳躍させると、ノミは「なんだ、跳べるじゃないか」と、また高く跳び始めるのです。異業種交流でも同じです。ほかの人を見て、「この人はここがすごいな」、「もっとこうしないといけないな」と刺激を受け、その人の能力の限界を突破できるようになるということが起きます。他社の優秀人材と触れ合うことは、このように重要なのです。

レポートはまだ続きます。気になる内容の続きはダウンロードしてお楽しみください。

提供:株式会社コンサルティングアソシエイツ

大竹圭氏

株式会社コンサルティングアソシエイツ
異業種交流研修プランナー
大竹圭氏

慶應義塾大学卒業後、(株)ファーストリテイリングに入社、店舗運営を通じて人材育成の面白さに目覚める。その後、飲食業界のコンサルティングファームを経て、(株)コンサルティングアソシエイツ入社。以来、大手企業を中心としたHRコンサル、集合研修の企画に従事。近年はイノベーションを皮切りとした、さまざまなテーマの異業種交流研修を立ち上げ続けている。 これまで立ち上げた異業種交流研修はすべて受講者アンケート4.5〜5.0点(5点満点)。リピート率は100%を維持。