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ビジネスにおける新しい目標設定とは?アフターコロナの未来予測と戦略立案

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新型コロナウイルスの大流行により世の中は大きく変わりましたが、ワクチン接種が進む今、アフターコロナを見据えたビジネスのあり方を前向きに検討する気運が高まっています。

この記事では、アフターコロナのビジネスにおける新しい目標設定について解説し、今後の未来予測と戦略立案の方法をわかりやすくご紹介します。

目次

アフターコロナのビジネスに欠かせない 「新しい目標設定」

給与アップ研究所が2021年4月22日から23日にかけて経営者122人を対象に実施した「社員の目標設定」に関するアンケート調査によると、64.8%の経営者がコロナ禍における社員の目標設定に苦労を実感し、さらに72.5%の経営者が社員に対しての適切な目標設定が難しいと感じているようです。
コロナ禍を経験し、従来通りの目標設定ではうまくいかないと痛感した企業は少なくないといえます。

とはいえ、コロナ禍が過ぎれば従来どおりの目標設定ができるようになると考えるのは安易です。
むしろアフターコロナのビジネスでは、コロナ禍によって明らかになったスピード感・柔軟性の欠如を補う「新しい目標設定」が必要となります。
月次や四半期といった短いスパンで、あらゆる可能性を想定した未来予測に基づき、実現の可能性が高い目標を設定することが、社員のモチベーションアップや生産性の向上につながっていくでしょう。

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アフターコロナはどんな世界?3つの未来予測

アフターコロナはどのような世界になるのか、ビジネスに着目した3つの未来予測をご紹介します。

デジタルシフトの加速

アフターコロナの世界では、電子契約やAIチャットボット、セルフレジ、キャッシュレス決済などのツール・サービスがより一層普及し、デジタルシフトがますます加速するでしょう。
デジタルシフトによって業務を自動化・省略化することで業務効率が向上し、さらにはデジタル化できない業務に注力したり、新しいビジネスに挑戦する余裕が生まれます。

また、デジタル化が進む一方でアナログの価値が向上し、アフターコロナのビジネスではデジタルとアナログ双方の優れた部分を活かす戦略が求められるでしょう。

働き方の多様化

コロナ禍ではテレワークやワーケーション、時差出勤など、さまざまな働き方が普及しました。
アフターコロナの世界ではさらに多様な働き方が認められていくでしょう。
また、オフィスのあり方が見直され、シェアオフィスやコワーキングスペースといったフレキシブルオフィスの需要が高まると考えられます。

さらに、人材採用においては終身雇用を前提に新卒を一括採用する「メンバーシップ型雇用」から、業務内容に基づき必要なスキルを持つ人材を採用する「ジョブ型雇用」へのシフトが進められます。
企業は外部人材を積極的に活用するようになるため、副業に取り組む人も増えていくでしょう。

サスティナビリティ意識の向上

コロナ禍であらためてその重要性が叫ばれ始めた「サスティナビリティ」。
直訳すると「持続可能性」という意味で、社会・経済・環境が生産性や多様性を損なうことなくあり続ける力を指す言葉として用いられるのが一般的です。

アフターコロナの世界は、これまでの大量生産・大量消費から脱却し、限りある資源を繰り返し使う循環型経済に変わっていくと予測されます。
社会問題の解決や環境保全に貢献することで信頼を獲得し、事業の持続可能性を高める「サステナブル経営」の重要度も増していくでしょう。

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アフターコロナの世界で台頭する「シン・資本主義」

シン・資本主義とは、株主・経営者・社員・取引先・顧客といった金銭的な利害関係にある人はもちろん、行政・地域社会・環境といった企業を取り巻くすべての物事に利益をもたらすことを目指す経済体制です。
2019年にアメリカの大企業経営者団体・Business Roundtable(BRT)が「すべてのステークホルダーに対して責任を果たす」と宣言して以来注目を集め、アフターコロナの未来予測からはシン・資本主義の台頭が垣間見えます。

シン・資本主義を掲げ、事業を通じて社会問題の解決に取り組んでいけば、顧客からの高い信頼を得られるとともに多くのファンを獲得できるでしょう。
また、働きやすい職場環境を整備し社員の利益に資すれば、企業と社員の関係が良好になり、生産性が高まることが期待できます。

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アフターコロナの戦略立案に必要な「シナリオプランニング」

アフターコロナにおける適切な戦略立案をするためには、企業の実態や取り巻く環境を踏まえた未来予測が欠かせません。
そこで取り組みたいのが、起こり得る複数の未来を予測し、自社が取るべき対応策を導き出す思考法「シナリオプランニング」です。

シナリオプランニングの手順は以下の5ステップです。

1.事業を定義する
事業に関係のある環境要因を見定めるために、顧客は誰か、顧客に何を提供するか整理する

2.外部環境要因を列挙する
PEST分析や5forcesといったフレームワークを活用し、考え得る外部環境要因を列挙する

3.外部環境要因を整理する
「インパクト」と「不確実性」を軸とし、 外部環境要因をマトリクス図としてまとめる

4.シナリオを描く
マトリクス図の各象限をそれぞれ1つの世界としてまとめ、4つのシナリオを描く

5.シナリオを踏まえて戦略を練る
完成したシナリオを事業に照らし、自社が取るべき戦略を練る

シナリオプランニングは半年や1年などのスパンで実施し、定期的に戦略を見直すことが重要です。

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まとめ

アフターコロナのビジネスでは、あらゆる可能性を想定した未来予測に基づく「新しい目標設定」が必要です。
アフターコロナの未来予測にはデジタルシフトの加速や働き方の多様化、サスティナビリティ意識の向上が挙げられ、さらに企業活動を支えるステークホルダーに公平に利益を分配する「シン・資本主義」の台頭も垣間見えます。
アフターコロナの戦略立案にはシナリオプランニングを活用し、起こり得る未来予測から自社が取るべき戦略を導き出しましょう。

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