【HRサミット2017】日本最大級の人事フォーラム

SPECIAL INTERVIEW

近年、人事におけるテクノロジー領域の取り組みが進み、AIの進化も伴ってその可能性はさらに広がっています。果たしてこの波は、人事に、そしてビジネスに何をもたらすのでしょうか。前回に続き今回も「HRテクノロジーサミット2017」にご協力いただき、『第2回HRテクノロジー大賞』審査委員長も務めていただく慶應義塾大学大学院・特任教授の岩本隆氏に、HRテクノロジーの現状や展望、サミットの見どころなどを語っていただきました。

拡大するHRテクノロジー 働き方改革にも大きく貢献

今回の「HRテクノロジーサミット2017」では、岩本先生にもさまざまな講演やセッションをアレンジしていただいておりますが、そもそもHRテクノロジーが日本でここまで急速に広がってきているのには、どのような背景や要因があるのでしょうか?

岩本アメリカで第1回目のHRテクノロジーカンファレンスが開催されたのは、90年代後半の話ですが、2014年頃に一気に参加者が増え、盛り上がり始めました。その波が少し遅れて日本にもやって来た、というのがこの数年の動きだと思います。
HRテクノロジーが日本でも急速に広まりつつある理由は、2015年に始まった第4次産業革命と深く関わりがあるでしょう。昨今、人工知能(AI)やIoT、ビッグデータなどがあらゆる産業に変革をもたらし始め、より付加価値の高いビジネスを生み出すためには、テクノロジーを活用できる人材を育てることが不可欠となっています。そうした中、経済産業省に産業人材政策室が設置されるなど、国が中心となって産業人材に対する取り組みを強化。それが大きな後押しになっているわけです。また一方で、働き方改革などとも関連し、HRテクノロジーが生産性向上や健康経営などにも大きな役割を果たすと期待されています。

単純にHRテクノロジーという一部の市場が活性化してきたということではなく、今まさに社会から必要とされているわけですね。そうした中、実際に数多くの新しいサービスが生まれてきていると思いますが、具体的にどのようなものがあるのか、最近の市場の動向を教えてください。

岩本アメリカでは最近、「タレントマネジメント」という言葉に代わって「HCM(Human Capital Management)」という言葉が台頭し、実際に多くのベンダーが使い始めています。HCMの中でも、特にデータ分析や予測といったアナリティクス関連のサービスが充実し、このアプリケーションの市場が急成長。日本でも2015年頃からこの分野のスタートアップが徐々に増えてきました。

従来の人事領域のサービスベンダー以外からの参入も増えていますよね。

岩本氏 そうですね。例えば、マーケティング部門で統計分析をやっていた人が、人事領域に新たに参入するといった動きも見られます。また多くの日本企業は、まだまだ経営者の勘や経験を頼りに経営判断をしていますが、そういった企業の場合、簡単なデータ分析を行うだけでも新しい発見が次々と出てきます。そういう意味でも、必ずしもレベルの高いテクノロジーを持っている必要がない、比較的参入しやすいマーケットなのです。

HRテクノロジーサミットでは ビジネスインパクトのある事例に期待

今年で第2回目となる「HRテクノロジーサミット2017」ですが、専用会場を用意して4日連続で開催するなど、前回よりも規模が大幅にアップし、講演やセッションも多種多様なものになります。そういった中で、見どころや期待されていることがあったら教えてください。

岩本氏 大きなテーマとしては、先ほどお話した産業連関の部分ですね。多くの講演では話の切り口こそ違えど、HRテクノロジーによって健康経営や生産性の向上を実現させ、人はもっと付加価値の高い仕事にシフトしていける、という話に集約されていくのではないでしょうか。また、先ほどお話した経済産業省・産業人材政策室の方にも、国が進めようとしている「第4次産業革命と働き方革命」についてご講演いただきます。
私自身が期待しているのは、ビジネスインパクトの大きなものを、ぜひ見てみたいということです。ほとんどのメガビジネスはアメリカから出てきていますが、そろそろ日本からも他社では真似できないような画期的なものが出てきてほしいですよね。今回の「HRテクノロジーサミット2017」ではベンダー側・ユーザー側の両方から、業績にインパクトを与えるようなHRテクノロジーの事例をたくさん聞けることを期待しています。

では最後に、ご来場いただく人事の方々へメッセージをお願いします。

岩本氏 「テクノロジー」と聞くと怖気づいてしまう人事の方もいらっしゃるかもしれませんが、 テクノロジーの進化とは、つまりテクノロジーが使いやすくなるということです。いかにテクノロジーを活用して、人事の仕事や貴社のビジネスに付加価値を出せるか――そんな観点で、ぜひ色々なセッションに参加し、一緒に考えていただければと思います。

今日は、貴重なお話しをありがとうございました。「HRテクノロジーサミット2017」では、「HRテクノロジー基礎講座」をはじめ、岩本先生には多くの講演・セッションをアレンジしていただいています。今から楽しみですね。

HRサミット2017での講演情報
C8 9/19(火)9:30 - 10:50 HRテクノロジーの最新動向
G7 9/20(水)9:30 - 10:50 RPAの最新動向と活用事例
SP2 9/20(水)18:20 - 19:40 『第2回 HRテクノロジー大賞』授与式
G19 9/22(金)9:30 - 10:50 生産性を高める健康経営

岩本 隆(いわもと たかし)

慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 特任教授
岩本 隆(いわもと たかし)

東京大学工学部金属工学科卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)工学・応用科学研究科材料学・材料工学専攻Ph.D.。 日本モトローラ株式会社、日本ルーセント・テクノロジー株式会社、ノキア・ジャパン株式会社、株式会社ドリームインキュベータ(DI)を経て、2012年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)特任教授。 慶應義塾大学ビジネス・スクールでは、「産業プロデュース論」を専門領域として、新産業創出に関わる研究を実施。HRテクノロジーコンソーシアム会長兼代表理事、「HRテクノロジー大賞」審査委員長。

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