【HRサミット2016】日本最大級の人事フォーラム 5月11日・12日・13日開催!

「第5回 日本HRチャレンジ大賞」授与式開催

〜大賞は味の素株式会、イノベーション賞は株式会社スタジオアリス〜

審査委員
学習院大学 経済学部経営学科 教授 今野浩一郎氏(委員長)
明治学院大学 学長補佐(戦略担当) 伊藤健二氏
東洋経済新報社 就職四季報プラスワン編集委員/東洋経済HRオンライン編集長 田宮寛之氏
ProFuture株式会社 代表取締役社長/HR総研所長 寺澤康介

「第5回 日本HRチャレンジ大賞」の授与式が5月11日(水)18時00分より「HRサミット2016」会場にて開催されました。 変化が激しい現代において企業の人材領域部門もその変化への対応を迅速かつ積極的に行う必要があります。「日本HRチャレンジ大賞」は、人材領域で優れた新しい取組を積極的に行っている企業を毎年表彰しています。 採用、人材育成、人材マネジメントの人材領域において、原則として過去3年以内に開始されている新しい取り組みであることを条件に、今年は応募総数85事例の中から革新性・従業員利益・経営貢献・戦略性・社会的影響性が優秀であった12事例が表彰されました。

大賞[1社]味の素株式会社

「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパンー」実現を目指した「キャリア自律」促進のための取り組み

もともと、キャリア支援という取り組みは、高年の方の自立を支援しようということで始まったのですが、キャリア自律というのは高年の方に限らず、全従業員共通のテーマであろうということで、その後、若手から中堅、そしてダイバーシティということから女性のキャリア構築の支援にも広げてまいりました。 この4月に人事制度を変えまして、人事制度の運用と相まって一人ひとりがより自分のキャリアというものを意識して会社の中でよりイキイキと働き、会社に貢献・成長することを期待しています。 今、私どもは全社で「働き方改革」をやろうと考えていまして、その準備を進めているのですが、生産性を上げて短い時間で今の成果を出し、その中で生み出した時間については、自分のキャリア形成だとか、あるいは家族と共に過ごす時間に充ててもらおうということで、取り組みを進めています。非常にチャレンジングな活動ですが、いつかその成果と課題について、皆さんにご報告できればと思っています。

代表取締役 副社長執行役員 岩本保氏

イノベーション賞[1社] 株式会社スタジオアリス

退職者のスキルを「見える化」しDB管理することにより、繁忙期に戦力化する「サポートメンバー化制度」

私たちスタジオアリスは、全国に500店舗の子供専門写真館チェーンを展開する会社です。労務の大きな特色は、全社員の97%が平均年齢29歳6ヵ月の女性であることです。その結果、常に社員の1割は出産休暇、育児休暇で休職しておりますし、社員の1割5分は短時間勤務、もしくはショートスタイル勤務をしている状況にあります。 なおかつ、売上変動も激しくて、9月後半から10月、11月にかけての七五三シーズンが年間利益のおよそ4割近くを占めています。4月の給与支給人数は約6300人ですが、12月の給与支給人数は約1万4000人にのぼり、繁忙期の3ヵ月のために、およそ7000人を採用する企業です。このような環境の中で、各店舗が1年52週のサービスを維持するために、この「サポートメンバー制度」を導入しました。今後は、多くの飲食チェーン店や小売企業が人手不足になっているように、私どもも要員不足で悲鳴を上げている店舗がありますので、今回の受賞に驕ることなく、新しい制度、仕組みにチャレンジしていきたいと思います。

常務取締役管理本部長 兼 人事部長 兼 経営企画室長 宗岡直彦氏

人材マネジメント部門優秀賞[1社] 株式会社テン コーポレーション

多様な外国人を採用し、やりがいと成長の機会を提供し定着させる「てんや式グローバル採用システム」

現在300人ぐらい外国人を採用して、店舗で働いてもらっていますが、少し前まではどちらかというと、日本人のスタッフが採用できないということで、仕方なく外国人のスタッフを補助的に採用していました。特に上野店は外国人のお客様も多いですし、スタッフも外国人が多い店舗で、サービスも悪くて、最もクレームが多いで店舗でした。そこで、上野店の店長はそれを逆手に取りまして、外国人スタッフを教育し、モチベーションを上げて戦力化したのです。すると、外国人スタッフの一人ひとりが補助的な作業からメインの業務を任せることによって伸びてきました。そうすることによって、売上も10%以上も上がり、サービス品質も向上してクレームもゼロになったのです。まさに、これは逆転の発想でした。それから会社としても取り組み、今は外国人スタッフのオリエンテーションを店舗だけではなくて、会社でも行って教育したり外国人向けのハンドブックを作ったり、様々な形でレベルを上げる取り組みをして、お客様に喜んでもらうようにしています。 まだ途についたばかりですが、この3年間で既存店売上を20%以上、伸ばしました。これは、私どもの業界では断トツ1位です。やはり、現在は人手不足で大変ですが、発想を変え、マネジメントの着眼点を変えることによって、少しずつですが良くなっています。

代表取締役社長 用松靖弘氏

人材育成部門優秀賞[1社] 株式会社LIXIL シニアライフカンパニー

製造現場の改善に用いるQCサークル活動を介護の現場に定着させる人材育成方法

介護業界の中でこのような賞をいただけるというのは、私どもの業界にとってもうれしい話であって、一生懸命頑張ってきたかいがあったと思います。 ご存知のように、LIXILという会社は住宅の設備関係の会社でありますが、私どもは10年前から介護事業を進めております。日本で高齢化が進む中で、優しい商品、また高齢化に向かっての商品を作っていくことを行っています。 昨今、この介護業界はいろいろな話題がありますが、私どものQC活動というのは40年前から行っておりまして、介護事業をスタートして5年前からこのQCを取り入れています。現在、247名のメンバーが関わって日々、ご入居者様の生活向上を目指しています。 私どもは人材があって成り立つという考えがあり、さらには育成があって業界が成り立つと考えています。私たちの業界は365日、24時間、動いております。その中でスタッフが皆で協力しながら、このQC活動を通して品質を向上したメンバーも数多くいます。そのメンバーが獲った賞だと思っております。今後もこの業界の中でリーダーカンパニーとして、微力ながら頑張っていきたいと思います。

カンパニー社長 新井智秀氏

採用部門優秀賞[1社] 楽天株式会社

世界の高度IT人材(エンジニア)の日本国内での採用に向けた先進的な取り組み

弊社はグローバル展開を加速させるために、2009年より海外採用をエンジニア領域において開始いたしました。海外採用を始めるにあたって、社内の公用語の英語化や日本企業で一般的な新卒の一括採用というものを、海外では一般的な職種別採用や通年採用、長期インターンの受け入れというような大きな採用方針の変更を行ってきました。現在では、世界10カ国以上で採用活動を行っており、昨年の実績で申し上げますと、新卒及び中途入社の80%以上は外国籍という状況であります。近い将来、日本には少子高齢化によって労働力が低下する時代が来るかと思われます。  楽天での海外での高度IT人材の採用活動モデルというものが、日本の大きな課題を解決できる成功モデルとして発展していくように、さらに頑張っていきたいと思いますので、応援していただければと思います。

グローバル人事部 採用推進課 エンジニア採用グループ マネージャー 久保木誉延氏

人材サービス優秀賞(人材マネジメント部門)[1社] 株式会社リクルートジョブズ

多忙な店長の悩みの1つであるシフト管理業務の負荷を大幅に軽減する「シフオプLite」

リクルートジョブズはタウンワークやフロム・エーといった求人広告を主に扱っている会社です。この「シフオプLite」というものは、シフト調整を便利にできるようなツールになっております。なぜこのようなツールを作ったかと申しますと、昨今の人手不足の状況の中、2時間、3時間といった従来よりも短いシフトで調整される企業様が増えておりまして、現場の店長様たちは非常にシフトの調整負担が増している状況にあります。「シフオプLite」は、そういった負荷を少しでも軽減したいという思いで提供しており、機能をかなり絞り込んだインターフェースで、誰にでも使いやすいというコンセプトで作っています。おかげさまで少しずつではありますが、利用者数も増えているという状況です。今後もこうしたツールを磨いていって、さらに多くの企業様に使っていただき、少しでも店長様の負荷が減るようなサービスにしていきたいと思っていますので、注目していただけると嬉しいです。

執行役員 板澤一樹氏

人材サービス優秀賞(採用部門)[1社] 株式会社VISITS WORKS

全学年対象のOB/OG検索プラットフォーム「VISITS OB」

私たちは「VISITS OB」というサービスを始めているのですが、もともとの前身は「キャリア大学」という活動を3年前から行っているNPO法人です。 私たちが「VISITS OB」を作った根本にあるのは、学生を社会全体が育てていくという社会を作りたいと考えました。「キャリア大学」はまず、企業がキャンパスになります。学生が企業に実際に行って、そこで事業内容だけではなく、社会はどのように動いているのかということを学んで欲しいと願って作りました。 ただ、「キャリア大学」は年間、数千名しか利用できません。もっと多くの学生に社会人と触れ合う場を作れないかということで、今回「VISITS OB」というものを作りました。内容はOB訪問なのですが、本質的には先輩が後輩を育てるということで、採用というのは雇用条件ではなく、社員がイキイキとして夢を語り、それに共感した学生が募って来ることが、本当の採用なのではないかと思っています。 このサービスは提供してからまだ数ヵ月しか経っていませんが、利用企業様が150社近くに増えています。ただ、社会のインフラとなるにはまだまだ道のりは長く、今後ともこのサービスを改善していきたいと思っております。まだサービスとしては未熟なので、このような栄えある賞をいただいていいのかなと思いましたが、今後このサービスがいいサービスだったと社会の人々に思っていただけるように頑張りたいです。

代表取締役社長 松本勝氏

奨励賞(人事部門)キュービーネット株式会社

「無料社内カットスクール」による人材育成や、静脈認証による出退勤管理システムなどの導入による一連の人材確保メソッド

 弊社はキュービーハウスという10分1000円の散髪屋を展開しておりまして、現在国内500店舗、海外110店舗まで成長しております。ちょうど今年が創立20周年ということで、この賞を受賞できたことは従業員にこれまでの取り組みが認められたと伝えることができ、ありがたいと思います。この20年の中で、かなり多くの失敗を繰り返してきまして、その失敗から学んだことというのが、労働支援型のサービス業というのは自転車と同じということです。ビジネスモデルという前輪を、いかに組織という後輪で回していくか。その中で我々自身がお客様に選ばれるためにビジネスモデルを磨いていくということには、かなり力を入れてきました。途中、10年ほどで勢いが止まった時には、やはり後輪が重要でした。いかに従業員に選ばれるかということが足りていなかったことに気づいたのです。従業員から選ばれるためには、安心できる職場環境と、信頼できる上司・仲間、そして何よりも成長できる機会というものを社内で作ることができないかということにチャレンジしてきました。 まだ道半ばではありますが、この前輪と後輪を回し続けて、世界にこの日本のサービスを広めていきたいと思います。これからも社員とともに頑張っていきたいです。

代表取締役 北野泰男氏

奨励賞(人事部門)株式会社ノバレーゼ

有給休暇100%取得義務化の取り組み

この度、弊社は有給休暇を100%義務化することにしました。ブライダル業界で16年になる会社ですが、日本全国で有給休暇の取得率は約48%と言われています。弊社は今回の取り組みで、91%まで上がりました。できるだけスタッフの働きがいと、働きやすさを考えながら、人事政策に取り組んできました。これからも、弊社の企業理念である「世の中に元気を与え続ける会社でありたい」という考えのもと、新たな人事政策を展開していく中、さらにスタッフがモチベーションを高くして働いていくとともに、素晴らしい結婚式を作っていきたいと思っております。

人事本部 人材戦略部長 三木芳夫氏

奨励賞(人材サービス部門)株式会社ギブリー

オンラインで利用できるスキルチェックプラットフォーム「codecheck」

弊社はまだ小さな会社ではありますが、設立7年目を迎えております。弊社は経営理念に「すべての人に成長を」というものを掲げています。近年、注目されているHRテックの領域において自社サービスの展開と、お客様の成長支援のコンサルティングを両軸で進めている会社です。特に、今回受賞させていただいた「codecheck」は、エンジニアの採用・育成・評価というところに、非常に課題を感じている企業様が増えている中で、我々は「すべての人に成長を」と掲げているということもあり、技術者が会社の中でいかに活躍をしながらパフォーマンスを高くして、製品を作っていく環境を作ることができるかを重視しました。そして、今後の企業様の成長に繋がるのではないかと考え、「codecheck」という製品を開発しました。 我々がこのような取り組みを推進していく中で、もっと日本の多くの企業様がIT製品を開発することができる環境、そしてその中で働くエンジニアの方々が、より楽しく活躍できる環境を作っていくことで、日本の経済発展に少しでも貢献できればと考えております。

取締役COO 兼 CHO 新田章太氏

奨励賞(人材サービス部門)株式会社ジェイック

採用をゴールにする紹介会社が多い中、紹介人材に対して入社後1年間に渡る研修を通じ、無料で入社後の活躍を支援する取り組み

株式会社ジェイックでは、20代のフリーター層、あるいは第二新卒の方々など正社員経験の短い方々、正社員経験のない方々に、2週間の営業研修、ビジネスマナー研修を行って、その厳しい研修に耐え抜いた方々を企業の皆様にご紹介していく「営業カレッジ」というサービスを展開している会社です。 その中で、今回受賞させていただいたのは、私どものサービスの一環として活躍支援の研修に取り組んでいるものです。フリーター層の方々、第二新卒の方々は一度、就職活動はしたものの、うまくいかなかった方々です。あるいは、一生懸命に研修をして何とか企業様に就職することができたけれども、入社して全然、活躍できずに辞めてしまう方も少なからずいらっしゃいます。せっかく社会人としての第一歩を踏み出した方々に対して、我々として何かできることはないかということで、今は1年間、彼らが活躍するためのサポートとして研修を無償で提供させていただいております。 これからもさらに彼らが活躍できるように、いろいろな取り組みを心がけていって、来年、再来年とこのような賞を受賞できるように頑張っていきたいと考えています。

常務取締役 近藤浩充氏

奨励賞(人材サービス部門)株式会社地方のミカタ

地方学生と、地方採用を行う企業、双方のコストを削減する「地方のミカタ」サービス

当社は2012年12月からシェアハウスを展開しておりまして、会社自体は2014年からなので今回受賞した企業の中で一番、若い企業だと思っています。 当時、「就活シェアハウス」というものは他になく、そのようなものは聞いたこともないという中で、利用者が56名いました。翌年が280名に増えて、そして昨年700名になりました。現時点で利用者の予約や登録を含めると約1500名弱まで増えており、非常に需要が高いビジネスであると思っています。 ここまで数が増えてくると、今度は企業様の採用コストにも我々がうまく寄与できないかと考えています。シェアハウスというのは我々にとってはあくまでも手段でして、地方学生が東京に来る交通費、東京に来た時の滞在費は大きな負担です。そこを我々がまず削減して、今度は企業様の負担も削減したいと思っています。 そういった形で地方の学生が東京で仕事を覚えて、仕事が作れるようになって、九州や四国、北海道で新しい事業所ができる時に是非、アサインしていただいて、彼らがそこで活躍することで地方創生に貢献できるのではないかと考えています。今後とも皆さんには、「地方のミカタ」の味方として応援していただければ幸いです。

取締役 佐久間大氏

総評

審査委員長 今野浩一郎氏(学習院大学経済学部経営学科教授)

 受賞企業の皆さん、おめでとうございます。例年そうですが、その時々のテーマというか時代状況を反映している気がします。大賞の味の素もそうですが、キャリア支援が選ばれたのは初めてです。また、介護が出てきたのも初めてです。そのように、新しい分野が出てきたことを大変嬉しく思います。 いくつか今年の特長があります。一つは多様な人材――外国人、短時間労働者などを確保して上手に活用し、社員から言えば活躍している。そうすれば、経営のパフォーマンスも上がりますし、働く側もハッピーになります。このような取り組みの表彰が多かったと感じています。これも一つの時代で、大変いい事例だと思いました。 それともう一つ、ここ数年、同じような傾向がありますが、これまでの人材採用方法がいいのかということに目を向けてチャレンジしています。VISITS WORKSはダイレクトリクルーティングを採用していますし、ギブリーや地方のミカタは「確かに、そういうところがあったか」ということに着眼し、今の採用方法に一石を投じていて、面白い取り組みだと感じました。私が渡した表彰状には「一層のチャレンジを期待する」と全てに入っていますが、私の気持ちとしては「一層の拡大と定着をお願いする」ということになります。今後のさらなる発展を期待したいと思います。

審査員 伊藤健二氏(明治学院大学 学長特別補佐(戦略担当))

私は政府の活動もいろいろと行っています。CCRCというキーワードを聞いたことがあるでしょうか? 高齢者の方々が生涯学習、働くことを通して長く活躍していくというコンセプトです。味の素の取り組みは、まさにそれに該当します。それに加え、グローバルやダイバーシティというものがあります。 昨年度から文部科学省が1000億円を投じてグローバル人材を育てることにしています。しかし、そのグローバル人材をどうするのか、育てた人をどこが採用していくのかという大きな問題があります。テン コーポレーションの活動は、スタートこそ上野店という小さい規模だったかもしれませんが、それを逆転の発想でリスペクトされるところまで持っていくことを提案し、実現していることは素晴らしいと思いました。実際になかなか定着するところまで持っていくのは難しいことだと思います。政府の活動とリンクして民間がしっかり受け止めて、生産性向上まで叩き上げていく。円安が加速して、今後もインバウンド事業が加速していく中では、テン コーポレーションの活躍の場は多数あると思います。是非このノウハウを他の皆さんにも情報共有していただきたいです。 リクルートジョブズが取り組んだ店舗型人材のシフト管理は難しいことです。今後はダイバーシティでいろいろな国の人々をシフト管理するケースも出てくるでしょう。今回のシステムの面も大きな評価になると思っています。 最後に、有給休暇を100%取得するように、ただ制度を作っても、意外に使われないということが多い中で、ノバレーゼでは義務化をしています。実はこの3社、上手くまとめてみると、あることが見えてきます。実際に仕組み化をしたり、システム化をしたり、上手く業務設計化をしたりしても、全部を上手く回さないと従業員がイキイキと働いたり、モチベーションを高く保つことはできません。 私も皆さんのノウハウを拝見して、大変勉強になっています。これからの懇親会の場で、お互いに根掘り葉掘り聞いていただくと、より良いかと思います。

審査委員 田宮寛之氏(東洋経済新報社 就職四季報プラスワン編集委員/東洋経済HRオンライン編集長)

私は日本の採用というのはいつもおかしいと思っています。日本は自由主義経済の国ですが、なぜか採用には規則があります。資金調達や設備投資は勝手にやってもいいのですが、採用になると規則によってがんじがらめになっています。そんな中、楽天は優秀な人材を採用したいという目標のために、自由に活動されています。法的根拠がないルールは守る必要はありません。 楽天が受賞した内容は、日本で働くことを前提に世界の優秀なIT人材を採用するというものです。日本はこれから少子高齢化で労働人口は減っていきますから、そうした時にこのような仕組みを作られているのは、素晴らしいと思います。このノウハウを確立させて、他の企業にもこのノウハウを与えられるようなことをしていただきたいです。 VISITS WORKSの「VISITS OB」ですが、我々は30年前ぐらいに就職活動をしていて、就職活動=OB訪問でした。OB訪問をすればするほど、内定率が上がっていい就職ができると言われましたし、データにも表れていました。しかし、なぜか最近の学生はOB訪問をしません。ただ、VISITS WORKSが「VISITS OB」というプラットフォームを作ったことによって、OB・OG訪問が、これから活発化していくと思います。そうしたことによって、ミスマッチも解消されて、学生にとってはいいことでしょう。。是非、このプラットフォームを発展させていただきたいと思います。 ジェイックの取り組みについては、採用まで面倒をみる紹介会社はたくさんありますが、その後も面倒をみるということで、企業にとっては頼もしい存在ではないかと思います。企業のためにも、利用する人のためにも、今後も頑張っていただきたいです。 ギブリーのスキルチェックのためのプラットフォーム「codecheck」は、エンジニアが不足している現在の状況において、エンジニアがミスマッチよって退職してしまうと、その人だけではなく、社会的な損失になりかねません。ミスマッチを防ぐという面でも、この取り組みは社会的に意義があると思います。 地方のミカタの取り組みでも分かるように、地方学生の就職活動は大変です。恐らく、九州あたりで一生懸命に就職活動をしている学生でしたら、費用負担は50万円ではきかないと思います。私がある九州の学生に聞いたところ、東京で就職活動をする場合、フェリーで大阪まで来て、大阪からバスで東京まで来るそうです。それでも、お金はたくさんかかります。そのような学生にとって、地方のミカタは救いの神のような会社だと思います。地方の学生の中にも優秀な人材がいます。むしろ都会の学生の方が要領ばかり良くて優秀なふりをしている学生もいるのではないでしょうか(笑)。

審査員 寺澤康介

今年は採用領域と育成領域がオーバーラップしていることが特長です。キュービーネットの取り組みは、求人が難しい業界で、定着も厳しいという業界の特性がある中で、業界を革新するようなビジネスモデルだと思います。どうやって人を確保して定着させるかということにしっかり取り組み、「無料社内カットスクール」からの採用が5倍、サービスの満足度が3部門で1位を獲得という成果に結びついています。これは、採用にも貢献していますし、社員の満足度にも貢献している表れです。しかも、この取り組みを始めて3年ですが、非常にいい取り組みであるにも関わらず、他社がマネできない仕組みを作り上げるのは大変だったでしょうし、高く評価された理由だと思います。 日本の製造業が世界をリードする仕組みを作り上げるQCサークル活動というのは、根幹となる手法だと思います。LIXIL シニアカンパニーでは、介護業界という定着が難しい業界において、自主性を持って取り組んでいます。仕事のやりがいは経済的な報酬だけではなくて、本人たちが問題解決に自主的に取り組み、年間75本という提案が出されて、それに取り組んでいるとのことです。また、大きな設備投資もしながら黒字を達成されており、これは育成の仕組みであるとともに人材マネジメントによって経営に貢献しているという好例だと思います。 人材サービスに関する人材育成部門は該当なしということになりました。実際は育成と採用を同じように取り組まれていて、採用部門で表彰されており、育成部門でいいものがなかったわけではありません。それを最後に申し添えさせていただきます。