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Google社におけるEQ活用の狙いとその成果

〜なぜGoogleはEQを導入したか〜

エール大学 学長特別補佐 Dr.David Caruso氏

今や世界中の企業が導入している EQ トレーニング。その活用の狙いとは一体何なのか。またどの ような成果が期待できるのか。EQ理論の世界的発展と確立に貢献しているエール大学のデビッド・ カルーソ博士にご登壇いただき、EQ の必要性、EQ のトレーニング方法、さらにスキルを向上さ せるポイントなどを解説していただきました。

人間の1日はさまざまな感情で溢れている

現在、EQ を導入している企業は世界中で増え ています。それはなぜでしょうか。EQ を活用す ることで、コミュニケーションが飛躍的に向上す るからです。EQ はメールでも face to face でも 会議でも、あるいは人の管理や自己啓発でも、 どんな場面でも活用できます。そこでまずは感 情的知性についてご説明しましょう。人は1日の 中でさまざまな感情を持ちます。そしてそれを 自分で認識しないと、リーダーとして、マネー ジャーとして、また親として、きちんと結果を出 せません。

ここで実験してみましょう。今日が月曜日だと仮定して、朝起きたときの気分はいかがでしたか? 睡眠は十分 でしたか? 遅刻しそうで不安に駆られましたか? 駅まで走りましたか? あるいはゆっくりとバスに乗って出勤 しましたか? 職場に着いたとき笑顔でしたか? 朝のミーティングがありましたか? そのときの気分はいかが でしたか? メールは溜まっていましたか? ランチは美味しかったですか? 午後は忙しかったですか? 仕事 が終わったあとは疲れていましたか? ハッピーでしたか? それとも不満を感じていましたか? 皆さんの月曜 日はいかがでしたか? ではそれを隣に座っている方と1分間くらい話し合ってみてください。

いかがでしたか。1 日の感情はアップダウンの繰り返しではなかったですか? 人の 1 日はさまざまな感情で溢 れています。上司も部下も同僚も顧客も、みんな一緒です。感情が安定した 1 日など滅多にありません。だから EQが重要なのです。

自分の感情を理解するために

では次の質問です。「How are you?」。私たちは感情を 2 つの軸で考えています。1 つはエネルギー。もう1 つはフィーリング。それぞれ 0〜 10 の値で、皆さんは今どれに当てはまりますか? また隣の方と話し合ってみ てください。人の答えを聞いて、驚くことはあると思います。人間は常に感情を表現しているわけではありません から。時には隠していることもありますよね。また相手の感情を正確に読めないこともあるでしょう。

EQ 理論では、フィーリングも重要です。しかしハッピーであれば良いというわけではありません。それは不可 能です。一方で、エネルギーが低いから悪いというわけでもありません。エネルギーが低いほうが、冷静に行動 ができるかもしれない。あるいは落ち着いて人の話が聞けるでしょう。大事なのは、なぜそういう気持ちになって いるか。その気持ちの素は何なのでしょう。背景は色々あります。例えば、良く眠れた。交通渋滞がひどかった。 そういったことが感情を生み出すのです。では自分の感情を理解するためにはどうしたらいいのか。
その答えが、 EQ、つまり感情的知性という考え方です。

「MAP」「MATCH」「MANAGE」

私はさまざまな企業でトレーニングを実施しています が、ビジネスマンの方は多忙ですので、できるだけモデル をシンプルにわかりやすいものにしました。それが 3M、 「MAP」「MATCH」「MANAGE」で す。「MAP」と は、 感情をマッピングする(関連づける)こと。そして 「MATCH」とは、例えばワクワクしている人がいたなら、 それに合わせてエキサイティングなことをしてあげる、相 手に合わせてマッチングすること。そして「MANAGE」 とは、例えば落ち込んでいる人がいたら、その人を励ま すなどマネジメントすることです。 (ここで突然、参加者にボールを投げる)
あなたは今、 ボールをキャッチしましたが、どういう感情が芽生えましたか?「驚き」ですよね。

では驚きの 3 つの特性とは、 一体何でしょう。
1 つ目は目を大きく見開く。
2 つ目は口 を大きく開く。
3 つ目は声をあげる。
ではもう一度投げま すよ、今度は事前に予告しました。いかがでしょう。今度は自動的に注意を向けましたよね。注意が身体動作を変えるのです。体がボールを受ける準備を自然とする。つ まり感情とは非常に賢いものなのです。もしも感情抜きで、ボールを受けるとします。その場合、方程式を組むこ とになる。例えば私からあなたへの距離はどのくらいあったか、ボールの角度やスピードはどのくらいあったか。し かし、こういった方程式を考えている間に、ボールはぶつかってしまいますよね。ロジカルだけで対応しようとすると、 そういう結果になるのです。だから注意が必要。何かに注意するという状況こそが、EQなのです。皆さんは1日 の中でさまざまな感情を持ち、その感情が皆さんの決定・分析・行動に影響を与えるということを忘れないでください。

レポートはまだ続きます。気になる内容の続きはダウンロードしてお楽しみください。

提供:株式会社EQ

Dr.David Caruso

エール大学 学長特別補佐
Dr.David Caruso氏

ケース・ウェスタン・リザーブ大学大学院博士課程修了 EQをベースとした、マネジメントリーダーシップの コンサルティング会社(ワークライフストラてジー社)を設立 ビジネスシーンにおけるEQを活用した採用、キャリア開発、 人材育成の世界の第一人者 1990年P.サロベイ博士、メイヤー博士が提唱したEQ理論の体系化に多大なる貢献をし、 EQに関する講演、EQ開発トレーナーとして世界で活躍中。 サロベイ博士、メイヤー博士とともに、EQ理論の世界的発展と確立に貢献している