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OKRとは?目標管理フレームワークのメリット、MBOやKPIとの違い、運用ポイントを解説

OKR(Objectives and Key Results)は、組織全体の方向性を揃えながら成果創出を目指すための目標管理手法として多くの企業で導入が進んでいます。全社的な目標を起点に、組織・チーム・個人の活動を連動させることで、目標達成に向けて一体となって取り組む体制を構築できます。

この記事では、OKRの基本的な考え方から導入するメリット、他の目標管理手法との違い、導入・運用のポイントまでわかりやすく解説します。

目次

OKRとは

OKRとは、組織の目標と個人・チームの取り組みを結びつける目標管理のフレームワークです。1970年代にアメリカの経営者アンディ・グローブ氏がIntelで導入し、その後ベンチャー投資家のジョン・ドーア氏がGoogleに持ち込んだことで広く知られるようになりました。

1つの「目標(Objectives)」と複数の「主要な成果(Key Results)」を組み合わせて管理するのが特徴であり、変化の激しい時代にも組織と社員が一体となって成果を生み出すための有効な目標管理手法として注目されています。

OKRの基本

OKRは、定性的な目標を表す「Objectives」と、その達成度を測る「Key Results」で構成されています。運用時には、設定したKRをもとに進捗を確認し、期間終了後に達成度をスコアリングします。

目標(Objectives)

Objectivesは、組織やチームが目指す方向性や理想像をあらわすものです。定量的な指標ではなく、定性的かつチャレンジングな目標を設定し、日々の意思決定や行動の指針として機能させます。シンプルでわかりやすく、組織全体で共通の認識を持てる目標を掲げ、メンバーの意欲を高めることが推奨されます。

主要な成果指標(Key Results)

Key Resultsは、Objectivesの達成度を測るための指標です。一般的には1つの目標に対して複数のKRを設定し、チームや個人の取り組みを具体的な成果に落とし込みます。数値で測定可能な形で設定することで、主観に左右されず目標への達成度を客観的に確認し、成果に基づいた評価を行えるようにします。

スコアリング

OKRは特定の期間(一般的には3か月程度)で設定し、期間終了後はスコアリングを行います。Googleでは0.0~1.0のスケールで評価しており、1.0は完全に目標が達成されたことを意味します。

例えば「ユーザー登録数を1,000件にする」というKRに対し、実際の成果が500件だった場合、OKRは0.5と評価されます。このように評価基準やルールを明確に定義し、評価プロセスに一貫性を持つことが重要です。

OKRと他の目標管理手法との違い

OKRは、他の目標管理手法と比較して目的や運用方法に特徴があります。ここでは、代表的な手法であるMBO・KPI・KGIとの違いについて解説します。

MBO(目標管理制度)との違い

MBO(目標管理制度)は、会社や部門、個人といったレイヤーごとに目標を設定し、その達成度合いに応じて評価を行う手法です。一方、OKRは組織の方向性を共有し、メンバーが同じ目標に向かって挑戦することを目的としたフレームワークであり、人事評価とは切り離して運用されます。

用語解説:「目標管理制度(MBO)」|組織・人材開発のHRインスティテュート

KPI(重要業績評価指標)との違い

KPI(重要業績評価指標)は、組織の目標を達成するための進捗を定量的に把握するための指標です。例えば「売上を拡大する」という目標に対し「月間売上を200万円にする」というように、目標への進捗を測る具体的な数値として設定されます。

一方、OKRは定性的な目標とその達成度を測る指標を組み合わせて管理するものであり、例えば「ブランド認知を高める」という目標に対して「月間サイト訪問数を1万件にする」といった指標を設定します。同じ指標であっても、進捗管理として用いるか、目標達成の基準として用いるかという点に違いがあります。

関連記事:KPIツリーの作り方を解説!KGIとの関連性や具体的な設定方法を紹介

KGI(重要目標達成指標)との違い

KGI(重要目標達成指標)は、組織やチームにおける最終目標(ゴール)を数値で示した指標です。これに対してOKRは、目標と成果指標を組み合わせた手法であり、目標達成に至るまでの過程も含めて管理します。

OKR導入の5つのメリット

組織の目標管理にOKRを取り入れるメリットとして以下の点が挙げられます。

組織全体で目標を共有できる

OKRでは、企業・部門・個人の目標を連動させて設定するため、組織全体で目標を共有しながら業務を進めやすくなります。共通の目標に向かって取り組むことで一体感が生まれ、組織全体が同じ方向を向いて行動できる環境が構築されます。

重要な目標や課題に集中できる

OKRを通じて目標が明確になることで、優先すべき業務とそうでない業務を区別しやすくなります。これにより、チームや組織全体で重要な目標・課題にリソースを集中させ、より効率的に成果創出を目指すことができます。

社員のモチベーション・エンゲージメントが向上する

OKRを導入することで、社員は自分の業務が組織全体の成果にどう影響するかを理解しやすくなり、仕事への主体性やモチベーションが高まります。その結果、組織に対する貢献意欲や当事者意識も醸成され、エンゲージメントの向上につながることが期待できます。

生産性の向上につながる

OKRでは目標と成果指標を明確に設定するため、目標達成までの進捗状況を把握しやすくなります。進行途中での課題や問題点も早期に発見・改善できることで、チームや組織全体の業務効率が高まり、生産性の向上につながります。

高い目標に挑戦しやすくなる

OKRでは通常よりも高い水準の「ストレッチ目標」を設定し、個々の挑戦意欲を引き出します。チャレンジングな目標設定は、新しい取り組みや改善を促すきっかけになり、組織全体の成長やイノベーションの創出にも寄与します。

OKRの導入・運用方法

OKRを効果的に活用するためには、基本的な進め方を押さえておくことが重要です。ここでは、OKRを導入・運用する流れを4つのステップで解説します。

全社のOKRを設定する

まずは経営層が中心となって組織が目指すべき方向性を明確にし、企業全体のOKRを設定します。一方で、トップダウンだけでなく現場の意見や実態も取り入れ、納得感のある目標として設計することが求められます。

部門・チームのOKRに落とし込む

企業全体のOKRを設定した後は、それをもとに部門やチーム単位のOKRへと落とし込みます。全社の目標と整合性を保ちながら、企業目標の達成につながる形、かつチームメンバーが納得できるものを設定することが重要です。

個人のOKRを設定し社内で共有する

部門OKRが決まった後は、社員個人のOKRを設定します。社員と上司が話し合いながら個人の役割を明確にし、組織目標とのつながりを意識した具体的な目標へと落とし込んでいきます。また、設定したOKRは社内で共有し、透明性の高い運用を行うことが求められます。

定期的に進捗確認と評価を行う

OKRは設定して終わりではなく、定期的に進捗確認を行いながら運用するものです。週次や月次で進捗を振り返るとともに、一定期間ごとに評価(スコアリング)を行い、その結果を次のOKR設定に反映させていきます。

OKRを成功させる運用のポイント

OKRを効果的に機能させ、成果につなげるためのポイントをご紹介します。

OKRと人事評価は切り離して運用する

OKRを評価制度と連動させると、評価を意識した達成しやすい目標が設定される可能性があります。挑戦的な目標への取り組みを促すには、OKRを評価とは別の仕組みとして運用し、失敗を恐れず意欲的に行動できる環境をつくることが重要です。

KRは活動ではなく成果ベースで設定する

KRは「何をしたか」という活動内容ではなく、実際にどのような成果が生まれたのかを示す指標として設定します。例えば「新規顧客への接触を増やす」ではなく「新規契約を10件獲得する」というように、数値を用いた成果ベースのKR設定を行うことで、活動量ではなく実際の成果に基づく進捗管理や評価が可能になります。

目標数を絞り、重要なものに集中する

OKRでは、目標数を3〜5個程度に絞ることが推奨されます。目標が多すぎると優先順位が不明確になり、組織の集中力が分散してしまいます。そのため、組織として重要度の高い目標にフォーカスし、社内のリソースを効果的に配分することが求められます。

挑戦的だが達成可能な目標を設定する

OKRでは挑戦的なストレッチ目標を設定するため、達成率が100%に近い場合は目標の難易度が低いとみなされる可能性があります。Googleのスケールでは、OKRの「最適な達成率」を60〜70%程度とし、あえて高い水準の目標を設定することが推奨されています。

定期的にフィードバックを行う

OKR導入後は、継続的なフィードバックや対話を通じて改善していくことが重要です。週次や月次のミーティングで進捗を確認すれば、遅延や課題を早期に把握し、必要に応じて軌道修正が行えるため、目標達成の確度を高めることができます。

OKR導入企業の事例

OKRを導入している組織ではどのような運用が行われているのか、代表的な企業であるGoogleとメルカリの事例をご紹介します。

Google

GoogleはOKRを世界的に広めた企業として知られています。同社では1年単位と​四半期単位でOKRを設定し、達成度を0.0〜1.0のスケールで評価しています。また、四半期ごとに全社ミーティングを実施し、評価の検証と新たなOKRの設定を行います。

OKRは企業戦略の策定にも活用されており、新たな情報を反映した目標調整やリソースの再配分など、定期的な見直しを通じて目標の精度を高めています。

参考:Google re:Work – ガイド: OKRを設定する|Google

メルカリ

日本最大級のフリマアプリを運営するメルカリでは、四半期ごとに全社OKRを定めて組織全体の方向性を共有し、各部門・チーム・個人が必要に応じて独自の重要目標も反映しながらOKRを設定します。人事評価ツールと連携しているものの、OKRの達成度は原則として評価対象とせず、OKRを通じて生まれた挑戦や取り組みの内容に対して評価を行い、メンバーの主体的なチャレンジを後押ししています。

参考:クリエイターとOKR大冒険|Mercari Design Blog

まとめ

OKRとは、組織が目指す方向性を明確にし、個人やチームの取り組みを成果へとつなげるための目標管理手法です。挑戦的な目標設定と短いサイクルでの運用が特徴で、変化の激しい環境においても継続的な成果創出を支える仕組みとして活用されています。

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