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人事×経営の未来をともに考える スペシャル講演レポート

自ら主体的に動く人財を育成する原則とパラダイム 〜7つの習慣から学ぶインサイド・アウトのアプローチ〜

過去と現在のビジネスを取り巻く環境

まず、この2枚の写真を見てください。どちらも川の上でボートを漕いでいる写真です。左側の写真は清流の上を全員が一列になってボートを漕いでいます。右側の写真は激流の上を全員が必死になってボートを漕いでいるものです。これは、過去と現在のビジネスを取り巻く環境を描いています。さて、どちらが過去の様子で、どちらが現在を表しているのかということが問題です。左側の清流を漕いでいる写真には、コックスと呼ばれるリーダーがいて、号令をかけています。また、このボートは右に向かって進んでいますが、コックスだけが進行方向を向いていて、ボートを漕いでいる人たちは背中を向けているのです。これは、コックスが誘導する通りに漕いでいれば、しかるべき方向に向かうことができ、しかるべき速度で進むことができることを表しています。これは、過去のビジネスを取り巻く環境を示す象徴的なものであると考えていいでしょう。一方で、現在を示す激流を進むボートでは、号令をかけるリーダーはおらず、全員が同じ方向を向いています。波は四方八方から押し寄せて、一人ひとりが方向性を見出して漕がなければ、なかなか結果を出すことができません。現在のビジネスを取り巻く環境は、まさにこのような時代になっているのです。

激流の中でリーダーシップとはどういうものでしょうか。リーダーシップは、過去と現在では全く違ったものになっています。かつては、部下は余計なことはしない。言われた通りにやってもらうことでリーダーシップを発揮していました。しかし現在は、部下が言われた通りにしかやらないのでは困るのです。現在のリーダーシップとは、一人ひとりが方向性を見出して、そして自ら考えて、自ら進んでいくこと、つまり主体性が求められています。

個人が組織に影響を及ぼすインサイド・アウト

この「リーダーシップ」という言葉は、私たち日本人にとっては難しい言葉であると言ってもいいでしょう。リーダーシップと似たような言葉に、「マネジメント」というものがあります。「マネジメント」を日本語に置き換えると、「管理」という言葉になりますが、「リーダーシップ」という言葉は、日本語には置き換えづらいかもしれません。

ちなみに、アメリカでマネジメントの思想的リーダーと言えば、ピーター・F・ドラッカーですが、リーダーシップの思想的リーダーは、『7つの習慣』の著者であるスティーブン・R・コヴィーです。この本では7つの習慣について解説しているだけではなく、個人及び人間関係のリーダーシップについて説いています。

私たち日本人が受けるリーダーシップの印象には、何らかの組織やチームにおけるリーダーという感覚があるかもしれません。しかし、コヴィー博士はリーダーシップには4つのレベルがあると言っています。それは、個人のレベルにおけるリーダーシップ、人間関係のレベルにおけるリーダーシップ、チームのレベルにおけるリーダーシップ、あとは組織のレベルにおけるリーダーシップです。また、コヴィー博士の『7つの習慣』には、「アウトサイド・イン」と「インサイド・アウト」というものがあります。個人に対して何らかの影響を与えると考えた時に、組織の外側から個人に影響を及ぼすものをアウトサイド・インと言います。しかし、そのような個人に対する影響力というものは、あまり長続きしなかったり、本質的な変化を及ぼすことは難しいでしょう。そこで、『7つの習慣』では、より本質的なアプローチをしていくうえで、インサイド・アプローチ=個人が変わることによって、人間関係が変わり、人間関係が変わることによってチームが変わり、チームが変わることによって組織が変わっていくことを示しています。これは、長期的であり、本質的な変化を促すものです。大切なことは、いかにインサイド・アウトを促していくか、個人がどのように変わっていかなければならないのかということです。

個人を変えていく基礎=パラダイム

個人を変えていくために『7つの習慣』の基礎に「パラダイム」というものがあります。パラダイムとは「個人が周りの世界を認識し、理解し、解釈する“視点”」です。分かりやすく説明すると、目の前に掛かっているメガネと捉えてもらっていいでしょう。パラダイムは思考、行動、結果と密接な関係があります。まず、結果を得るために、私たちはそれに伴った行動をしていきます。その行動は当然ながら、私たちが何らかの考えを持って行なったものです。その私たちが考える元になるものがパラダイム。つまり、私たちがどのようなメガネを掛けて、どのような視点で物事を見ているのかということです。個人がインサイド・アウトのアプローチで主体性を発揮していくためには、個人のパラダイムを変えていくアプローチが必要です。

例えば、私たちは同じものを見ていても、違う解釈をします。アウトサイド・インのアプローチですと、この行動レベルのところを変えるだけにとどまってしまうかもしれません。しかし、インサイド・アウトのアプローチは、どんなメガネを掛けていくのか、どんなメガネを掛けるべきなのかということを通して、長期的、本質的な変化だったり、リーダーシップを鍛えていくことを主眼としています。

パラダイムによって変わる主体性

それでは、どんなパラダイムがあるのかについて説明させていただきます。まず、個人のレベルにおいて必要となってくるパラダイムです。3人の労働者が同じ建設現場で働いている時に、通行人が近づいてきました。通行人が同じ質問をするのですが、答える内容が違ってきます。汚れて汗まみれで、仏頂面をした労働者1に、通行人が「あなたは何をしているのですか?」と声を掛けると、「レンガを積んでいるんでさあ」と答えました。そして2人目です。同じく汚れて汗まみれで、仏頂面をしていました。通行人は「あなたは何をしているのですか?」と同じ質問をします。労働者2は「時給2ドルで働いているんでさあ」と答えました。今度は3人目です。汚れて汗まみれでしたが、希望に燃えた生き生きとした表情をしていた労働者3に声を掛けました。「あなたは何をしているのですか?」と尋ねると、この人は「大聖堂を建てているんでさあ」と答えました。同じ建設現場で働いていても、掛かっているメガネは全然、違います。この掛かっているメガネが違っていたら、レンガを積んでいる人、時給2ドルで働いている人、大聖堂を建てている人たちの主体性やリーダーシップは、どれだけ違ってくるでしょうか。これは、決して同じレベルではありません。

分かりやすくまとめますと、動機レベルと行動選択ということになります。最も悪いものは、「反抗または拒否する」というものです。そこから、「不本意だが従う」、「自発的に行動する」、「喜んで協力する」、「心からコミットする」と行動レベルが上がり・・・

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フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社 取締役副社長 筑波大学客員教授 竹村富士徳氏

フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社
取締役副社長 筑波大学客員教授
竹村富士徳氏

1995年旧フランクリン・クエスト社の日本法人に入社。経営企画、コンテンツ開発、出版事業、オペレーション部門等多岐に渡って担当。1998年最年少で取締役に就任。米国本社との折衝はじめ日本国内における同社事業の再構築の指揮を執り、2000年取締役副社長に就任し、グローバル部門でトップの業績達成に貢献する。 現在、「あらゆる個人と組織の偉大さを引き出す」同社のミッションを現場で押し進め、経営に携わると同時に講師としても活躍中。実践に裏打されたコンテンツへの深い理解が、ファシリテーションの強力なバックボーンとなっている。2012年1月、筑波大学客員教授に就任。 主な著書:『タイム・マネジメント4.0』(プレジデント社)

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