【HRサミット2016】日本最大級の人事フォーラム 5月11日・12日・13日開催!

「経営の真髄は人事にあり」

HRサミット2016の丹羽氏の基調講演では、少子高齢化、産業構造の変化、グローバル化、ダイバーシティなど現代の日本が抱えている様々な課題の中で、経営者、人事はどのように考え、行動していかなければならないのかといったお話をいただけることになっています。本日は、講演に先立ち丹羽氏にお話しを伺いました。

最近の政治、企業における問題の多くは「人事の失敗」に起因

経営の真髄とは、まさしく人事にあると考えています。経営は経営、人事は人事と分けて考えるようなものではなく、一体で考えなければなりません。

最近は政治においても企業においても、首を傾げたくなるような不祥事が相次ぎ、信頼というものが喪失した社会になってきていますが、それらはつまるところ、「人事の失敗」であるというのが私の考えです。国も企業も、いかに人材を選抜し、育成し、活性化するか、人事の基本となることができていないのではないでしょうか。

国も企業も、口では「人は最大の資産である」ということをよく言いますが、たとえば人を育成するための投資を十分に行っているとは言えないのが現状です。国民の教育にかけている日本の国家予算を見ると、小・中・高までの義務教育に近いレベルまでは先進諸国の中でも国の費用負担割合が高くなっていますが、それ以上の高等教育となると、国の費用負担は先進諸国34カ国中、33位という有り様です。いかに国が高等教育を軽んじているかが分かるというものです。企業も同様です。かつて、企業の年間教育研修費は最高で2.2兆円ありましたが、最近では0.5兆円規模にまで落ち込んでいます。金をかければいいというわけではありませんが、これで人を大事にしていると言えるのか。変化の激しい時代だからこそ、国も企業も人に対して投資をしなければならないのです。

今後人事に求められることとは

経営の真髄は人事にあるとおっしゃいましたが、そこを担う人事にはどのようなことが求められるとお考えですか。

当然のことながら、まずはそれなりに良識、常識、教養を身につけていることが第一です。人事は自分の専門領域に閉じこもっていてはいけない。自ら現場の仕事を体験し、現場を良く知ることです。そうでなければ、経営に対して人事に関する正しい判断はできませんし、経営からも信頼されません。

また、社員からも信頼される人事でなければなりません。たとえば社内の管理職が行っている部下への人事評価について目配りをすることが大事です。新しい上司になって評価が大きく上下する部下がいるなら、上司と部下のいずれに問題があるのか、公平に判断することが人事部門の役割です。そのためにも人事は現場の仕事をよく知っていなければならないのです。

今日はHRサミットでの機構講演のイントロダクションとしてお話を伺いました。当日は、丹羽さんのご講演後にトークセッションの時間も設けていますので、私からさらにいろいろお聞きしたいと思っています。今日はありがとうございました。

伊藤 武彦 氏

元中華人民共和国駐箚特命全権大使 / 前伊藤忠商事株式会社取締役会長
丹羽 宇一郎 氏

1939年 愛知県生まれ。1962年3月名古屋大学法学部卒業、 同年4月伊藤忠商事入社、主に食料部門に携わる。 1998年4月 同社社長、2004年 会長に就任。 2010年6月〜2012年12月 中華人民共和国駐箚特命全権大使。 現在 早稲田大学特命教授、グローバルビジネス学会会長、 日中友好協会会長。 2006年10月〜2008年10月 経済財政諮問会議民間議員、 2007年4月〜2010年3月 地方分権改革推進委員会委員長。 主な著書 「人は仕事で磨かれる」 文春文庫刊 / 「汗出せ、知恵出せ、もっと働け!」 文藝春秋刊 / 「新・ニッポン開国論」 日経BP刊 / 「負けてたまるか!若者のための仕事論」 朝日新書刊 / 「北京烈日」 文藝春秋刊 / 「負けてたまるか!リーダーたちのためのしごろ論」 朝日新書刊 / 「中国の大問題」 PHP新書刊 / 「危機を突破する力」 角川新書刊 / 「人を育てよ」 朝日新書刊 / 「人類と地球の大問題」 PHP新書刊

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