「自社の生産性は高いですか?」~ワークスアプリケーションズ調査から見えたこと

※画像は株式会社ワークスアプリケーションズ プレスリリースより

株式会社ワークスアプリケーションズ(本社:東京都港区、代表取締役最高経営責任者:牧野 正幸、以下 ワークス)がノルウェーと日本のオフィスワーカーに対して聞いたところ、「自社の生産性高い」と答えたのはノルウェーでは93%、対する日本は23%に留まったそうです。

OECD(経済協力開発機構)データによると、OECD加盟34カ国中で日本の労働生産性(就業者1人当たり名目付加価値)の順位は2005年以降毎年21位の状態が続いているとのこと。これは主要先進7カ国で最も低い水準です。一方、ノルウェーは労働生産性がOECD加盟34カ国中2位であり、日本とは大きな開きがあります。上記のオフィスワーカーの調査回答は、こうした実際の状況の反映と言えるでしょう。

ワークスの調査では、その他に以下のような結果が出ています。

●日本とノルウェーの平均労働時間に差異はなく、休日出勤の頻度はノルウェーが上回る
●「手順が決まっている業務」、日本はノルウェーの3倍と回答
●ノルウェーでは82%がフルフレックスまたはフレックス制度を導入と回答(日本は約35%)
●「リモートワークが認められている」ノルウェー78%、日本21%
●両国ともに9割近くが、ICT環境の充実・社内システムの改善が生産性向上に影響と回答

意外だったのは、「日本とノルウェーの平均労働時間に差異はなく、休日出勤の頻度はノルウェーが上回る」という結果です。
6月8日に行われた本調査の結果発表の場で、在日ノルウェー商工会議所専務理事のベルグ・ミカール・ルイス氏が語ったことによると、休日出勤というのは実は在宅で隙間時間に行った仕事が多いということでした。つまり、自分の裁量で仕事時間を自由に決められるので、例えば早朝に起きて1時間だけ仕事をする、もしくは子供を夜寝かしつけた後で1時間だけ仕事をする、といったことができるということです。日本では、実際にそうした仕事をしていても、仕事時間には入れないでしょうね。

また、「リモートワーク(在宅勤務)が認められている」でノルウェー78%、日本21%と大きな開きがあることも象徴的です。自由な働き方と労働生産性との間には相関が強くありそうです。
リモートワークを正しく運用するためには、会社、従業員の意識自体を変えなければならないことはもちろんのこと、ICT環境を整える必要があります。この点では、ノルウェーでは9割が自社のICT環境は整備されていると回答し、日本では半数近くが自社のICT環境を不十分であると回答しているとのことです。

生産性向上は、今後の日本社会にとって非常に大きな命題です。今回のワークスの調査は、そういう意味で非常に示唆に富む内容でした。

調査の詳細はこちら
【調査報告】生産性第2位のノルウェーと日本における「働き方」に関する意識調査を実施(株式会社ワークスアプリケーションズ)
http://www.worksap.co.jp/news/2016/0609/

~HRプロメールマガジンVol.420 ProFuture代表 寺澤康介コラムより~

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