6月4日 (水) 13:30 - 14:30(提供:日本アイ・ビー・エム株式会社)

グローバル経営層スタディーからの洞察

新たな時代における人事のあり方

大池 一弥氏

世界4000名を超える経営層への対面インタビューから、多くの企業は「顧客との共創型」の組織を目指しており、CEOはそれを成功させるために、タレント(優秀人材)が重要だと考えていることが浮き彫りになりました。組織変革の重要性が認識される中、高業績企業のCHROは、タレントマネジメントの領域におけるアナリティクスやソーシャルの活用度が高く、組織を越えた社員間コラボレーションにも関心が高いこともわかりました。これらの示唆を踏まえ、IBMが提供する新時代の人財マネジメント「IBM Smarter Workforce」について、事例を交えて紹介します。

IBM Global C-suite Studyという経営層へのインタビュー調査
IBMはこれまで10年以上にわたって経営層(CEO、CFO、CHRO、CIO、CMO、CSCOなど。一括してCxOと表記)に対するインタビューを行い、その成果をIBM Global C-suite Study (グローバル経営層スタディー) にまとめ、ご紹介してきました。昨年はIBM Global C-suite Study 2013を行い、70カ国・19業種に及ぶ4183人のCxOと対面インタビューを実施しました。日本でのインタビュー数は631であり、もっとも多い国でした。  回答者と役職、および日本の数を以下に記します。
CEO−全体884、うち日本は149。CFO−全体576、うち日本は98。CHRO−全体342、うち日本は82。CIO−全体1656、うち日本は179。CMO−全体524、うち日本は83。CSCO−全体201、うち日本は40。
テクノロジーとグローバリティの時代
「CEOからみた重要な外部要因」の調査では、全体の順位が1位テクノロジー、2位市場の変化であり、グローバル化は7位にとどまりました。 しかし日本では1位市場の変化、2位テクノロジー、そして3位がグローバル化であり、「グローバル化」については世界と日本の関心がずれています。
しかし世界の2004年のスコアを見ると、グローバル化は4位でした。もともと世界のグローバル化は進んでいたし、この10年間でさらにグローバル化したので関心が薄れてきているように読み取れます。
重要性が増す顧客体験とコラボレーション
IBM Global C-suite Study 2013で目立つキーワードは「顧客体験」です。「優先度を高めて関与する領域」という調査で最多の項目は「顧客体験の変革」で+8%(全体)でした。日本ではさらに高く+9%でした。 「現在及び3-5年後の顧客とのコラボレーション」の全体では、現在は46%にとどまっていますが、今後3-5年後では90%と倍増しています。日本でも「現在54%」が「3-5年後87%」になり、増加傾向は同じです。 顧客体験を創造することが従来よりも強く求められている背景を考えると、全産業において協業性、柔軟性、透明性という側面を強化した新しい人材活用が求められていることが分かります。
遅れている日本のデジタル戦略
「デジタル戦略の成熟度」では日本は遅れています。全体では「事業戦略と統合したデジタル戦略を有する」は36%であり、「一部の領域でデジタル戦略を有する」が31%。あわせて67%がなんらかのデジタル戦略を有していました。 しかし日本では「事業戦略と統合したデジタル戦略を有する」は24%、「一部の領域でデジタル戦略を有する」は25%。合わせても半数を少し切っています。
人材管理の重要課題が数年で大胆に入れ替わる
IBM Global C-suite Study 2013には342名のCHRO(人事最高責任者)が参加し、日本からは82名と全体の4分の1を占めました。  CHROに「人材管理における重要な課題」を「現在」と「3年〜5年後」に分けて聞いたところ現在と未来で大胆な入れ替えが起こることがわかりました。「現在」の1位と2位は「優秀人材の獲得・育成」(87%)、「従業員の繋ぎ止め・コミットメントの獲得」(80%)です。「必要スキルの獲得・迅速化」は57%、「他社との協業・ナレッジの共有化」(55%)は8位と9位でした。
ところが「3年〜5年後」でトップは「他社との協業・ナレッジの共有化」(68%)であり、2位は「必要スキルの獲得・迅速化」(55%)でした。そして「優秀人材の獲得・育成」は14 %で8位、「従業員の繋ぎ止め・コミットメントの獲得」は22%で7位でした。
活用されているソーシャルメディア・ツール
ソーシャルメディア及びツールの活用も盛んです。「人材の調達・採用」にソーシャルメディア・ツールを66% が定期的または一貫して活用し、26% が活用を検討中、もしくはパイロット実施中となっています。社内コミュニケーション、教育研修、ナレッジ共有化でも8割以上が活用しています。
3年〜5年後に複数の人事領域において外部パートナーの専門性を活用し、業務運用の効率姓を高める動きも顕著です。現在は給与関連業務、福利厚生業務、教育研修を外部委託するのは20数%〜30%にとどまっていますが、3年〜5年後には4割台の企業が外部委託する予定と回答しています。
人材活用状況の科学的分析をアナリティクスと呼びますが、まだ新しく、現在外部委託している企業は3%に過ぎません。しかし将来には17%が予定していました。
レポートはまだ続きます。気になる内容の続きはダウンロードしてお楽しみください。

  • 人事部門と業績の相関性
  • アナリティクスによって大きな効果を享受
  • IBM Global C-suite Study 2013から見える将来の取り組み
  • IBMが提唱するSmarter Workforceというコンセプト
  • 北米2位の映画館チェーンAMCで顧客単価が1.2%向上
  • 科学がビジネスをドライブし、情熱が科学を領導する

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社

講師紹介

  • 大池 一弥

    日本アイ・ビー・エム株式会社 グローバル・ビジネス・サービス事業 戦略コンサルティング・サービス 組織・人財変革 パートナー
    大池 一弥氏

    精密機械メーカーの技術研究所からPWCにてヒューマン・キャピタル・マネジメント領域の担当パートナーを経て、現在、IBMグローバル・ビジネス・サービス 戦略コンサルティング・グループにおいて、組織・人財変革の日本におけるリーダーを担当。経営戦略に基づく人事戦略・人事制度の策定はじめ、企業文化の変革やタレント・マネジメント・システムを含む人事システムの設計・構築まで深い経験を有する。ITのノウハウと人事に関する動向や調査の知見に基づく提案によってお客様への価値をお届けする。「労政時報」、「人材教育」など人事関連情報誌への寄稿多数。

  • 渡辺 努

    日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業本部 ICS事業部インダストリー営業部 Smarter Workforce担当
    渡辺 努氏

    旧Kenexaのシニアコンサルタントとして、グローバル化を加速させる企業に対し、人材に係る各種ソリューションを提案する。主なコンサルティング領域は以下の通り。 1.国際採用コンサルティング 2.タレントマネージメントプラットフォーム構築 3. 従業員リテンションコンサルティング 顧客は、自動車メーカー、ヘルスケア、製薬、エレクトロニクス、リテイラー等多岐に渡る。 タレントマネジメントプラットフォーム構築およびビヘイビアーサイエンスのエキスパートとして、 IBMが推奨する『Smarter Workforce』を通じて、企業パフォーマンス向上のための人材戦略を提案する。