読了まで約 8

プロジェクト成功のキーパーソン「PM」の全て:仕事内容・年収・資格を網羅解説

プロジェクトマネージャー(PM)はプロジェクト全体に責任を持ち、チームを統括して目標達成へ導く役割を担います。プロジェクトの成否を左右する重要なポジションであり、マネジメント能力をはじめとした幅広いスキルや知識が求められます。

この記事では、PMの仕事内容から年収の目安、必要なスキルまでわかりやすく解説します。

目次

プロジェクトマネージャー(PM)とは?

プロジェクトマネージャー(PM)とは、プロジェクト全体の責任者として品質・コスト・納期(QCD)のマネジメントを担う職種です。情報システムやソフトウェア開発の現場における中心的な存在であり、企画の作成から人員調整、進捗管理、完了後の振り返りまで幅広く関与します。

システム開発プロジェクトを例に挙げると、現場のエンジニアから「仕様変更の影響で納期が遅れる可能性がある」と報告を受けた場合、PMは影響範囲を整理し、クライアントと納期調整を行いながら、チーム内のリソース再配分を検討する存在です。

近年はDX化の推進や労働人口の減少を背景にIT人材が不足しており、プロジェクト全体を統括できるPMの需要はますます高まっています。

プロダクトマネージャー(PdM)との違い

プロダクトマネージャー(PdM)は、プロダクト開発の責任者として製品・サービス価値の最大化を担う職種です。PdMが企画・開発・マーケティングを統括し、プロダクトの成長に継続的に関与する一方、PMはプロジェクト単位でQCDを管理し、定められた目標の達成に責任を負う立場にあります。

プロジェクトリーダー(PL)との違い

プロジェクトリーダー(PL)は現場の進行管理や技術的な指示を担うケースが多く、エンジニアやデザイナーと連携して実務を円滑に進めることが主な役割です。一方、PMはプロジェクト全体の責任者であり、目標達成に向けてクライアントとやり取りをしながら プロジェクトを統括する役割を担います。

プロジェクトマネージャーの仕事内容

プロジェクト全体を統括するPMは、企画立案から進行管理、完了後のレビューまで幅広い業務を担います。

プロジェクトの企画・要件定義

プロジェクトの目的やゴールを明確にし、取り組む範囲(スコープ)や成果物を定義します。クライアントと要件のすり合わせを行い、実現可能な実行計画を策定し、プロジェクト全体の方向性を定めます。

チーム編成・リソース調達

プロジェクトの目標達成に必要な人材や資源を見極め、メンバーの選定や役割分担、リソースの調達を行います。各自の経験や強みを活かせる体制を構築し、チーム全体のパフォーマンス向上を図ります。

スケジュール・進捗管理

プロジェクト全体のスケジュールやマイルストーンを設定し、計画通りに進んでいるかを定期的に確認します。進行中に遅延や課題が発生した場合は原因を分析し、プロジェクトへの影響が深刻化する前に計画の見直しや対応策を講じる必要があります。

品質管理

成果物に求められる品質基準を定め、その基準を満たすよう進行を管理します。顧客満足度の高い成果物を作るには、レビューやテストを通じて品質を確認し、問題があれば早期に修正対応を行うことが重要です。

予算・コスト管理

人件費や外注費、ライセンス費用など、プロジェクトに必要な予算を設定・管理するのもPMの役割です。これらの費用が計画を超えないよう予算状況を継続的に確認し、コスト超過の兆候があれば迅速に調整を行うことが求められます。

リスク管理

体制や仕様の変更など、プロジェクトで想定されるリスクを事前に洗い出し、発生時の対応方針を定めます。問題の早期把握やトラブル発生時の対応判断など、プロジェクトへの影響を最小限に抑える対策をあらかじめ明確にしておく必要があります。

ステークホルダーとの調整・報告

クライアントや社内関係者などのステークホルダーに向けて、プロジェクトの進捗状況や課題を定期的に報告し、必要に応じて支援要請を行います。意見の相違が生じた場合には調整役となり、円滑な合意形成と協力体制の維持を図ることが求められます。

レビュー・報告書の作成

プロジェクト完了後に振り返りを行い、成果や課題、改善点をまとめた報告書を作成します。メンバーや関係者からのフィードバックを通じて経緯や判断内容を記録し、次回以降のプロジェクトへ活かすことが重要です。

プロジェクトマネージャー(PM)に必要なスキル・知識

目標達成に向けてプロジェクトチームを統括するためには、以下のようなスキルや知識が求められます。

マネジメントスキル

プロジェクトの計画・進捗・コスト・リスクなどを管理するマネジメントスキルは、PMにとって最も重要な能力といえます。責任者としてプロジェクト全体を俯瞰し、タスクの優先順位やリソース配分などを適切に判断する力が求められます。体系的なマネジメント知識や実務を通じた経験があると、より安定したプロジェクト運営を行えるでしょう。

コミュニケーション能力

PMは、クライアントや経営層、現場の開発チームなど多くの関係者と連携します。プロジェクトを円滑に進めるには、正確な情報共有や合意形成を行うためのコミュニケーション能力が欠かせません。相手の立場や役割を理解し、それぞれに応じた対応を行いながら信頼関係を築くことも求められます。

課題解決力・リスク対応力

問題解決力とは、問題の本質を見極め、最適な解決策を導き出す力です。プロジェクトでは予期せぬトラブルが発生することも多いため、状況に応じて迅速かつ冷静に判断し、適切な対応策を実行する力が求められます。さらに、想定されるリスクを洗い出し、被害の拡大を防ぐための備えを行うリスク対応力も重要です。

リーダーシップ・チームマネジメント

PMには、目標を達成するための方向性を明確に示し、チーム全体をまとめ上げるリーダーシップが求められます。また、個々の状況や特性を踏まえたフォローアップを行い、メンバーのモチベーションを維持する力も必要です。

業界理解・開発経験

技術や業界に関する理解があることで、現実的かつ適切な意思決定が可能になり、クライアントへの説明や調整もスムーズに行えます。必須ではありませんが、豊富な開発経験があるPMほど現場への理解が深く、より的確な判断を行うことができます。

プロジェクトマネージャー(PM)の年収

2024年の調査によると、PMの年収は全国平均で752.6万円とされていますが、下表の通り地域によって差があります。

地域平均年収
東京都784.6万円
大阪府601.3万円
愛知県828.7万円
北海道455.9万円
福岡県553.6万円
全国平均752.6万円

また、個人のスキルによっても600万円から1,100万円と幅があり、実力次第では高収入を目指せるポジションです。SEやプログラマーなど他のIT系職種と比較しても高い水準にあり、責任範囲の広さや高度な経験・専門性が求められる点が年収に反映されていると考えられます。

参照:プロジェクトマネージャ(IT) | 職業情報提供サイト(job tag)

プロジェクトマネージャー(PM)になるには?

PMになるために特定の資格や学歴は必要ありません。一般的には、システムエンジニアやプロジェクトリーダーとして情報システムの構築や運用、開発経験を積んだ後にPMへ昇格、または転職するケースが多く見られます。特に要件定義や設計などの上流工程の経験や、チームをまとめるマネジメントスキルが重要視されます。

PMとしてキャリアを積んだ後は、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)やITコンサルタント、さらにはCIO(最高情報責任者)へ進むキャリアパスもあります。

プロジェクトマネージャー(PM)が取得するとよい資格

先述したように必須ではないものの、PMに関連する資格を取得することは専門知識やスキルを有している証明となり、信頼性の向上やキャリアアップにつながります。ここでは、PMが取得するとよい資格を3つご紹介します。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、国家試験である「情報処理技術者試験」のうちの一区分で、プロジェクトマネジメントに関する専門知識や実践能力を問うものです。2025年度秋期の合格率は14.3%、例年も13〜15%程度と低い水準で推移しており、難易度の高い試験といえます。

参照:統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験)|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参考:プロジェクトマネージャ試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)資格

PMPは、プロジェクトマネジメント協会(PMI)が認定している国際資格です。受験資格条件としてプロジェクトの実務経験や事前学習の受講を必須としており、一定レベル以上の知識と経験を有することを前提に、プロフェッショナルとしての能力を確認する目的で実施されます。世界共通の資格として広く認知されているため、将来的にグローバルな活躍を目指すPMにとっては大きな強みとなるでしょう。

参考:PMP®資格について|一般社団法人 PMI日本支部

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、情報処理技術者試験の応用レベルに位置づけられる国家試験です。マネジメントや戦略立案、セキュリティなど幅広い分野が出題され、IT全般に関する応用的な知識が問われます。

なお、PMに特化したプロジェクトマネージャ試験のほうが、より専門性や実務力が重視される上位資格です。応用情報技術者試験は、PMに必要な基礎力を証明する資格として活用できます。

参考:応用情報技術者試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

まとめ

プロジェクトマネージャー(PM)とは、特定のプロジェクトチーム全体を統括する職種です。一朝一夕で目指せるポジションではないものの、実務経験の積み重ねや知識・スキルの習得によって、着実にキャリアアップを目指すことができます。

HRインスティテュートでは、マネジメントコミュニケーションやリーダーシップなど、PMに求められるスキルを実務で活かすためのプログラムをご用意しています。ご興味のある方は、以下より詳細をご確認ください。

関連プログラム一覧:ビジネススキルに磨きをかける|組織・人材開発のHRインスティテュート

記事一覧
ページトップへ
©2021 HR Institute Inc.