6月5日 (木) 10:40 - 11:40(提供:サムトータル・システムズ株式会社)

タレントマネジメントで会社を変える

最新のITを活用すれば人事はここまでできる

平野正信

人事や人材育成の分野でも、ITの活用が不可欠な時代になってきました。 一般的に導入されている人事・給与システムと最近のタレントマネジメントシステムなどとの本質的な違いを、IT的視点と最新の人材育成システムの事例を交えながら解説することによって、今求められている人事・人材育成戦略と、そのリアルタイム効果を示します。

ITを活用した人事管理システムはどのように進化してきたか
今日は、特にタレントマネジメントにフォーカスしながら、人事管理システムでITを活用すると何ができるか、そして、企業がそれを行おうとするとき、何が課題になるのかということをお話します。 まず、人事管理システムというものが人事の仕事や役割をIT的にどのようにサポートできるのか、これまでの進化をたどっておさらいしたいと思います。 そもそも、人事系のシステムが企業に入り始めたのは1990年前後のことです。当時、人事給与システムが入り始めたのですが、従業員管理のために、名前と社員番号、それから住所、年齢、家族構成といった個人情報や入社前の履歴といったデータがまず必要になりました。ITを使ってシステムで個人情報を管理するということが最初の基本です。それが、入社後の職歴の記録、労務勤怠管理といったところ、さらに人事考課についても行えるようになり、「だったらこういう機能があるといい」と考えられて、タレントマネジメント的なところにつながっていったわけです。 タレントマネジメントのシステムは1990年代に登場しました。その基本機能は、システム化された人事考課プロセスの管理です。システムを使わなくても従業員の評価はできますが、評価した結果を時間軸に沿ってきちんと蓄積しよう、入社して退職するまで全部蓄積しようと思うと、システムでデータを一括管理していかなければ、なかなかできるものではありません。システム化のポイントはここです。 そして、次に、コンピテンシー評価、さらには、教育や訓練などスキル強化のための方策に関する部分が、タレントマネジメントシステムの拡張機能として出てきました。こうしたことを行うためには、時間軸を意識しながらデータを蓄積していくことが非常に大事になります。特に、個人ごとのデータであるタレントプロファイルをつくって、そのタレントプロファイルをたくさんシステムに入れておくことが重要です。 システム化することで従業員を評価し育成する新しい仕組みをつくり、実行していくと、やがては人材が財産となって、最終的には、業績を上げ、顧客にご満足いただき、社会にも貢献できる「良い企業」になっていく。タレントマネジメントシステムとは、そのことを実現するためのツールだと捉えています。
コンピュータが得意とするギャップ分析を評価や育成に役立てる
では、タレントマネジメントシステムを使って何ができるのか、いま、実際にどのように使われているのか、活用パターンをいくつかご紹介します。 ひとつは、採用前から採用後の配属までの一連のプロセスをシステム化することです。これは、部門ごとにどういうプロファイルの人材を何人採用したいのかを決め、システムに入れておくことから始まります。そして、面接評価プロセスをシステム化し、面接して、評価して、入社するまでのスケジュール管理を含め、誰を採用したか、誰を採用しなかったかということをプロジェクトとして時間軸で管理していくことができます。社内の人に面接官を依頼するときのスケジュール管理も行えます。 また、採用した人が入社したら実際にどうだったのかを確認することは非常に重要です。入社後は、本人が持っている能力、ポテンシャルを分析して、求める人材のプロファイルとの間に大きいギャップがないか確認してから各部門に配属しますが、システムを使えば、配属後の経過も含めて継続的に確認していくことが簡単にできます。さらに、タレントを育てていく上で、新入社員教育に始まる教育の管理を連動させることも大事です。 そのほかに、人材育成の観点では従業員全員を底上げすることが理想ですが、現実には難しいので、まず管理職、経営職に絞って管理するというのも非常に多い活用パターンです。上司がしっかりしていれば部下も育つという考え方です。このためには、この人たちが管理職として積み上げてきた実績データがタレントプロファイルとして入っていることがまず必要です。そして、この部門のこの管理職はこうあるべきだという人材モデルを企業が設定しておき、本人が実際どうかを比較することが重要になります。 こうした活用をしていく上で役に立つのが、タレントマネジメントシステムに備わっている分析機能です。ある人材モデルに対して、この人の能力のここが足りている、ここが足りないといったギャップ分析などができますが、最近は、分析結果を可視化する、ダッシュボードと呼ばれる機能も加わっています。経営委員会で求められるような社内の人材の分布、幹部候補生といった能力ある人材のリストなど、わかりやすいビジュアルで見せることができます。
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講師紹介

  • 平野正信

    サムトータル・システムズ株式会社 代表取締役社長
    平野正信氏

    1975年よりIBMの技術職としてキャリアをスタート。その後、グローバル連結会計のハイペリオン、WebおよびITインフラを支えるLinuxのレッドハットの 日本法人代表などを経て、現在、人材育成ソリューションのリーディングカンパニー、サムトータル・システムズ株式会社代表取締役。 日経コンピュータ誌記者としての人脈、ソフトウエア全般、会計、人事などのITソリューション・コンサルタントなどの豊富な経験を生かし、業界のビジョナリーとして活躍。 明快な説明に定評がある。