企業にとって、採用難・人材不足は深刻な問題である。一方、労働者側では、転職に対する抵抗感は低くなっている。そもそも就職をせずに起業する若者もいる。雇用がますます流動化するこれからの時代、働く側から選ばれない、いわゆる「負け組」企業にならないためにはどうしたらいいのか、下記4つの事項についてそれぞれ検討していきたい。
採用難・人材不足を解消するには!?

・長時間労働について
長時間労働は「選ばれない理由」として最たるものの一つではないだろうか。長時間労働を是正しない企業は、ブラック企業といわれること間違いなし、である。採用面接でも近年は「有給休暇は取れるのか」「残業の有無および残業時間」等の、労働時間に関する質問を応募者からされることが多い。また、面接と実態が異なる場合は、退職されるケースも増えている。

対策としては、IT化、不採算部門の見直し等が挙げられる。

・業務の属人化について
業務の属人化とは、ある業務を特定の人が担当し、その人しかやり方がわからない状態になっていることを指す。職場において、そのような仕事があればあるほど、その担当者不在時、もしくは退職時には、てんやわんやだ。こうした事態は非常に非効率で、結果的に長時間労働にもつながってしまうだろう。

対策としては、メールの共有、チーム担当制、グループウェアの活用等が挙げられる。

・採用の内製化について
これだけ採用難・人材不足が叫ばれていると、採用サイトや転職サイト等の人材サービスにかけるコストは、今後ますます高くなるのではないか。これらのサービスは多くの企業にとって欠かせないものだが、逆をいえば転職が一般的になればなるほど、人材サービス企業にとっては都合が良いという側面もあるだろう。つまり、他の一般企業にとっては中長期的に上がるであろう採用コスト分、競争力が低下してしまうことを意味する。

対策としては、既存社員からの紹介、学校との関係強化、自社独自の採用サイト、イベント開催等が挙げられる。

・再雇用について
何らかの理由で退職した社員を、再度採用するというケースが増えている。子育てを理由に退職する社員、介護を理由に退職する社員は当然だが、今後はキャリアアップを目指して同業他社に転職した社員に対しても、再雇用可能な企業姿勢が必要かもしれない。

対策としては、退職時の面談、SNSでの関係継続、在宅制度等が挙げられる。

まとめ

このような採用難・人材不足にも関わらず、様々な努力をして、十分な数の人材を確保している企業もある。人手が足りなければ営業時間の短縮・深夜営業をやめることも戦略の一つだと思う。しかし、採用難・人材不足と嘆いている企業ほど、存外努力が足りないような気もする。「こうすればいい!」という正解はないだろう。一つひとつできることを着実に実行することが解決へつながっていくのでないだろうか。

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