東急電鉄は9月12日、従業員の多様性を生かす組織づくりの推進による企業の競争力強化を目指し「東急電鉄(連結)ダイバーシティマネジメント宣言」を制定した。
同社は、この宣言により、ダイバーシティマネジメントの推進を持続的な成長のための経営戦略の一環と位置付け、全従業員に浸透させることで、違いを生かした新しい価値を生み出せる企業体を目指すとしている。
「東急電鉄(連結)ダイバーシティマネジメント宣言」を制定。多様性を生かした付加価値創造を目指す

今回制定した「ダイバーシティマネジメント宣言」は次の通り。
1.あらゆる従業員の個性を尊重し、制度・風土・マインドの観点から活躍を推進します。
2.さまざまなお客さまの期待に応え、新しい価値創造(イノベーション)を実現します。
3.ダイバーシティを経営戦略と位置付け、持続的な企業価値の向上を目指していきます。

同社は、今回の宣言による新たな取り組みとして、LGBTへの理解促進と該当者が働きやすい環境作りに向け、下記のように規定の変更を行った。
・就業規則にて差別禁止を明文化
・結婚・戸籍に関る休暇(結婚、忌引、家族の看護・介護休暇)の条件の見直し
・弔慰金受取人がLGBTのパートナーも認める
・2016年5月にLGBTについて正しく理解することを目的とし、「知っておきたいLGBT」勉強会開催及び、 ダイバーシティ・LGBT相談窓口を開設。
また、本宣言と同日、役員及び全管理職を対象に、管理職対象マネジメントセミナーを開催し、ダイバーシティや働き方改革を含めた社内改革や成果について学んだ。
「東急電鉄(連結)ダイバーシティマネジメント宣言」を制定。多様性を生かした付加価値創造を目指す
東急グループは、これまでも、中期3カ年経営計画の重点施策として「ライフスタイル&ワークスタイル・イノベーションの推進」を掲げ、従業員がいきいきと輝ける環境づくりに取り組み、「制度」「風土」「マインド」の観点から、女性活躍推進を含むダイバーシティマネジメントを推進してきた。

また、同社はこれまでもダイバーシティに関するこれまでの取り組みを実施している。
女性活躍推進の施策では女性管理職を2020年度までに、2014年度比較倍増の40名以上にする目標を立てており、2017年6月からは、女性管理職および管理職目前の女性社員などを対象に、異なる職場の先輩社員(メンター)が、後輩社員のキャリア形成や職場内での悩みや課題解決をフォローするメンター制を導入。また、女性リーダーに関するフォーラムや勉強会に積極的に派遣するなど、女性リーダーの育成にも注力している。
2017年4月には、同社初の事業所内保育所「緑が丘エキナカ保育園」を開業し、試用雇用を含む全社員が利用を可能。保育日は365日で月2回の泊り保育や、一時保育利用もできるという。

また、ワークライフバランスを推進するための環境・制度整備にも積極的だ。
妊娠・育児・介護、その他の社員の多様なライフイベントに応じた各種制度を設けている。
また、出社時間を7時30分から10時30分まで30分毎に選択して出社できる「スライド勤務」や一日の所定労働時間である8時間の労働量を、自らの効率をあげた業務によって労働時間を30分短縮できる「バリュータイム」、また、妊娠、育児、介護により、フルタイム出社が困難な社員を対象にテレワークを導入(2014年から)するなど、働く時間や場所の多様性を推進する制度を導入し、社員のワークライフバランスを実現している。

女性社員だけでなく、男性社員に対しても、育児参加によるワークライフバランスを推進し、視野の拡大など、長期的な視点でのパフォーマンスの向上を目的に、男性の育児休業取得100%を目指している。

東急電鉄および東急グループ各社は、従業員のダイバーシティマネジメントを推進することで、外部環境や事業領域の変化に対応できる多様な人材を確保し、その能力を最大限発揮させる新たな価値の創造とより豊かな生活環境の実現を目指すとしている。

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