女子の専業主婦回帰率が増えているようだが、最近では、男子も主夫になりたい願望があるようだ。
 9月に発表された、厚生労働省が実施した若者の意識調査から、女子の専業主婦への希望が見えてくる。
今時の若者の専業主夫願望

15~39歳の独身女性に、結婚後に専業主婦になりたいかを尋ねたところ、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」が計34.2%と3人に1人は専業主婦希望という結果に。「そう思わない」と「どちらかといえばそう思わない」は計38.5%とやや多くなっているものの、僅差と言える。

 一方、結婚相手に専業主婦になるよう望む同年代の独身男性は5人に1人にとどまった。厚生労働省は「経済的なことを考えて女性に働いてほしいと思う男性が一定数いるのではないか」と分析している。男女の意識の差が浮き彫りになっている。

 先日、ある大学で非常勤講師としてキャリア講演をやった時の話だ。終了後、学生の就職相談にのった際、とある男子学生の発言に驚いた。「コンサルタントになりたい」というので、「なぜ、コンサルタントになりたいのか?」と詳しく質問していくと、彼が将来、本当にしたいことは「主夫」であることが分かった。「20代のうちは徹底的に世の中のことを知ることのできる環境にいたい。でも、僕が本当にしたいことは頑張る誰かをサポートすること。子供ができたら主夫になって、自宅でできる仕事を細々とでいいのでやっていきたい」という。「あなたが外で働きながら、多くの家事を負担する方法もあると思うが」と伝えてみたが、その意見がどのくらい響いたか・・・。

 仕事に対して、とても前向きに見える学生の中にも「実は・・・」と内に秘める主夫願望があるのかもしれない。企業の5年後や10年後すら分からないのに、学生に「5年後、10年後はどうなっていたいか」と聞くことは愚問であるという意見もあるが、学生一人ひとりの「職業観」や「家庭観」は気になるところではないだろうか。
(面接時には、厚生労働省「公正な採用選考について」をご参考に質問されるようご注意ください)

HRプロスクール 講師 小山貴子
(ワークデザイン研究舎 代表 社会保険労務士)

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