HRテクノロジーによる採用の自動化で、何が実現するのか?
第一回
新卒採用における現状と課題
今、新卒採用は大きな転換期を迎えている。多くの企業は大量の母集団を抱えることで、必ずしも必要でない人材への対応やアプローチに、時間や労力を割かれているのが現状だ。このように採用活動の非効率化が顕在化する中、本当に必要な人材をいかに効率よく採用するかが求められている。そして、その鍵となるのが「採用の自動化(Recruiting Automation)」と、「タレント・アクイジション(Talent Acquisition)」だろう。日本データビジョン株式会社は、その分野のメインプレイヤーとして、採用の自動化を実現させる新サービスを展開。そこで同社社長の太田氏と、開発に関わられた慶應義塾大学大学院 特任教授の岩本氏にご登場いただき、お話を伺った。第一回目の今回は、新卒採用における現状と課題についてお送りする。
大量の母集団を作ることで
採用が非効率かつ高コストに
寺澤私自身、長らく新卒採用に関わってきましたが、就職ナビが出現して以来、学生は気軽にボタンひとつで一斉にエントリーできるようになり、おかげで企業の人事は膨大な採用業務を抱えることになりました。応募者をひとり一人さばくのは、非常に無駄な作業ですし、しかもその母集団が有効かというと、応募したことすら忘れてしまうような学生もいるほどです。こうした非効率な現状について、太田社長、岩本先生はそれぞれ、どのようにお感じになられますか?
太田問題は大きくわけて2つあります。まず1点目は、多くの企業が、母集団を集めること自体を採用の仕事だと刷り込まれていること。本来は人を採用することが目的であるにもかかわらず、たくさんの人数をいかに集められるかに苦心してしまっています。膨大な母集団から良い人材を選び出すなど、砂漠から砂金を探し出すような作業です。しかも、欲しくない人に会うと、その分、欲しい人に会う時間がなるわけですから、たくさん会えば会うほど、コストばかりかかり、良い人材に会う確率は減っていきます。

そして2点目は、採用活動期間の短縮による短期・集中化です。例えば、一人当たりのエントリー数は15卒と比べ、17卒では約半分にまで激減しています。これはどういうことかと言うと、大手にエントリーが集中することで、中堅・中小では母集団すら集まらない企業が増えてきているということです。そしてこうした問題に対処するべく、今や多くの企業がインターンシップや業界セミナーなどを実施し、母集団を集めることに注力。インターンシップは従来、採用力の低い企業が市場価値の高い人材を確保する手段でしたが、現在は採用力にかかわらず、早期のタイミングで学生への認知率向上と選考の一環として、活用されています。現状のままでは、人気のある企業は人が集まり、そうでない企業は人集めに苦心するという構図が、ますます顕著になるでしょう。

岩本実は私の娘も現在、就職活動をしているのですが、学生側もあまり企業を選ぶ基準をわかっていないところはありますね。就職ナビがオープンすると、とりあえずたくさんエントリーしておこうという学生が多いようです。就職活動を始める前に、学生たちも、もう少し企業について理解を深める必要があると思いますが、選考活動が短期化し、企業と学生の接触期間が減少していく中では、それもなかなか難しいことでしょう。3月に一斉オープンというのもおかしなルールだとは思いますが、それ以前に、学生たちがきちんと会社を理解して、自分に合った仕事を選べるような仕組みを作ることが重要だと感じます。
寺澤就職ナビが肥大化していく中で、確かに高い関心がなくても、企業の知名度だけで、とりあえずエントリーしてしまう学生は多いです。企業にとっては、そんな彼らをさばく基準もなく、結局は学歴フィルターでふるいにかけてしまいます。
太田基本的にナビに入っているデータは学校名しかありませんから、求める人物像など設定しても、あまり意味はありません。しかし大学で選ぶと、すべての企業が同じ学生にアプローチしてしまい、結局は有名企業が有利になりますし、何より、その学生が自社にとって本当に有益か、本当に自社に合っているかという視点が失われます。
母集団の「質」向上へ―。
自社で成功する人材を見極める
寺澤では、このような状況を改善、もしくは変えるためには、具体的に何をしたら良いのでしょうか?

母集団の「質」向上、「よーいどん」からの脱却、「タレント・アクイジション」の活用など、
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