逆求人型就職サイトとインターンシップが早期内定を助長

最後に、3月中旬時点での内定取得状況を文系・理系別に確認したものが、[図表10]です。内定を取得した社数だけでなく、逆求人型就職サイトを経由した企業からのアプローチをきっかけにして内定取得につながった社数、そしてインターンシップへの参加をきっかけに行われた早期選考が内定取得につながった社数を合わせて聞いています。
[図表10]3月中旬時点の内定取得社数
まず、文系を見ると、内定社数「0社」は68%で、残りの32%は最低1社の内定を取得していることになります。つまり、内定率は32%ということです。逆求人型就職サイトからのアプローチをきっかけにした内定を持つ学生は9%(「0社」91%の残り)で、1割に届きません。一方、インターンシップ参加をきっかけにした内定保有者は24%(「0社」76%の残り)で、ほぼ4人に1人の割合となっています。

逆求人型就職サイトからのアプローチをきっかけにインターンシップに参加した例や、それぞれをきっかけに2社以上から内定を取得した例もあるでしょうから、両施策をきっかけにした内定保有者は単純に両者を合計した数字にはなりません。そこで、回答結果のRAWデータにまでさかのぼって確認したところ、逆求人型就職サイトからのアプローチ、またはインターンシップに参加したことをきっかけに早期の選考に臨み、結果的に早期内定につながった学生の割合は27%でした。内定率は32%でしたから、内定者に占める割合は27/32となり、実に84%に達します。

では、理系の状況はどうでしょうか。まだ内定を取得していない学生(「0社」)は58%で、残り42%が既に内定を保有しています。内定率は、文系より10ポイントも高い42%ということです。また、「4社以上」(「4~6社」から「10社以上」までの合計)の内定を取得した学生が5%もいます。

逆求人型就職サイトからのアプローチをきっかけにした内定を持つ学生は文系と同じく9%(「0社」91%の残り)です。インターンシップへの参加をきっかけにした内定保有者は33%(「0社」67%の残り)で、文系よりも9ポイント高く、3人に1人の割合になっています。また、既に「2社以上」(「2社」から「10社以上」の合計)の内定を保有する学生が15%(文系8%)もいるなど、内定率および内定保有社数では理系が文系をリードしている形になっています。

文系同様に、逆求人型就職サイト、またはインターンシップをきっかけに内定につながった割合を確認してみたところ、文系よりも多い36%となりました。内定率が42%でしたから、内定者に占める割合は36/42となり、文系よりもさらに高い86%に及びます。これにより、逆求人型就職サイトやインターンシップが早期内定を助長しているという論調は、あながち間違いではないことが分かります。

2025年卒採用からは、「5日間」など一定期間以上のインターンシップについて、採用活動と結びつけることを容認する形の就職ルール変更が行われる見通しとなっており、早期内定の動きはさらに加速することになるでしょう。

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