オンライン2年目で工夫が広がったインターンシップ

コロナ禍でのインターンシップも今年で2年目。それまで対面でやっていたプログラム内容をそのままオンラインに置き換え、グループワークはZoomのブレイクアウトルームを利用し、社員が各グループを順に回って観察、フォローするという一般的な方式は確立されたようです。中には、専用のゲームを開発した企業、顔を表出しすることなくアバターでの参加形式にした企業、リアルでは会うことのできない海外駐在員を参加させた企業など、オンラインだからこそできることを採り入れる企業も現れています。

オンラインインターンシップ参加者がPCモニターを見続けるのは、対面型のインターンシップに参加するより大変な面もあります。オンラインで行われる講師の一方的な講義に対して、集中力が続くのはせいぜい15分だという識者もいます。参加者を飽きさせないためには、こまめにオンラインアンケートを実施したり、簡単なグループワークを挟んだり、今回のいくつかの企業の例のようにゲーム性を持たせたりといった、双方向型・学生参加型の内容を盛り込むことが有効です。また、講義だけでなく、複数人でのセッションや座談会を採り入れたり、普段会うことのできない人をゲストに招いたり、オフィス・研究所見学の映像を挟んだりといった画面の切り替えを頻繁に行うことでもよいでしょう。

そして忘れてならないのが、ワーク後のフィードバックです。インターンシップは、参加したことによって本人に「学び」や「気づき」があったかどうか、これもとても重要なポイントです。ワークのやりっぱなしにならないよう、十分に注意しましょう。

また、インターンシップに参加してくれたことで満足するのではなく、少人数制での会社見学やOB/OG懇談会を対面式で企画したり、会社の資料を郵送したり、リクルーターから個別に連絡を取る、あるいは早期選考会を案内するなど、開催後のフォローまでをワンパッケージで考えることも大切です。

評価の低いインターンシップとは

最後に、学生の評判が良くなかったインターンシップの例をいくつか紹介します。グループワークのない講演形式だけのインターンシップや、拘束時間とプログラム・課題内容にギャップのある(バランスが取れていない)インターンシップ、社員の雰囲気や進行のまずさが目に付くインターンシップを挙げる声が多くなっています。自社のインターンシップに思い当たるところがないかどうか、ぜひチェックしてみてください。

・インターンシップを主催する側の社員の方たちがグダグダしすぎてマネジメントができていなかった。事業内容には興味があったのに、インターンに参加することで選考を受けるのをやめることを決意した(文系・上位私立大)
・コロナウィルスの影響で5日間が1日半に短縮され、昨年の体験談と比較すると大幅に内容が削減されていた(理系・旧帝大クラス)
・さまざまな部署の社員の方々にお話を聞くという形式だったが、総じて笑顔がなく、仕事にやりがいを感じていないようだった。雰囲気が最悪のインターンシップだった(文系・旧帝大クラス)
・インターンプログラムの内容が募集時から大幅に変更された(文系・上位私立大)
・あまり教育してもらえないが、発表の時間だけが多かった(文系・上位私立大)
・講義形式ばかりで、グループで取り組むことがほとんどなかった(文系・早慶クラス)
・休憩が少なく、一日中オンラインでの座学が中心だった(文系・上位国公立大)
・調べれば分かるようなことを説明されたため、参加するメリットがよく分からなかった(理系・その他国公立大)
・5日も拘束したにもかかわらずグループワークしかせず、仕事について一切理解できなかった(理系・上位国公立大)
・グループワークは基本的に社員の方は入ってこず、自由な環境だったため、実際に働くイメージがつかみづらかった(理系・その他私立大)
・1dayインターンシップに参加したが、1日で行うにはプログラムが重すぎた(理系・上位国公立大)
・毎日の課題が重く、毎日残業していた(文系・早慶クラス)
・内輪ネタが多かった気がする(文系・上位国公立大)
・参加者は完全なる抽選制と言われていたが、いざ参加すると高学歴大学生しかいなくて、あれ?と思った(理系・上位国公立大)
・会社説明が多く、インターンシップと説明会の違いが分からなかった(文系・上位私立大)
・グループワークを行ったのみで、フィードバックもなく、学ぶものが少なかった(文系・上位国公立大)

次回は、個別企業のセミナー・説明会、面接官の評価について取り上げます。

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