デザインだけでなく、働き方や方向性も重要

4位の味の素への評価では、「ホワイト」という表現を使った、その働き方に言及する声が複数ありました。そう判断できるだけの情報が掲載されていたということでしょう。

・休日や給与、月残業時間がとてもホワイトで、地元に工場もある(文系・その他私立大)
・学生に求めているポイントが明確(文系・その他私立大)
・クイズ形式で社員の言葉を開いていくページがあった (文系・上位私立大)

5位のソニーグループへの評価の理由は二つ。一つはシンプルで分かりやすいこと、もう一つは多くて詳しい情報量です。

・非常に明確で分かりやすかったし、洗練されていた (文系・上位私立大)
・選考についての情報は非常に詳しいし、理解しやすい(理系・旧帝大クラス)
・インターン、職種、各種制度、労働条件に関するすべての情報が明記されていた(理系・旧帝大クラス)
・たくさんの子会社や部門があるが、それを一つのサイトで一括管理していて分かりやすかった(理系・上位国公立大)

6位のNTTデータはデザイン力とSDGsへの貢献が評価を受けています。

・インターフェースが同業他社のものより見やすかったと思う(文系・その他私立大)
・情報がきちんと公開されていて、かつまとまっていたので分かりやすかった (文系・早慶クラス)
・業界のシェアとSDGsへの貢献が高かった(文系・上位私立大)

企業によって評価ポイントはさまざま

7位のバンダイでは企業イメージに呼応するかのように、「夢」「ワクワク」という言葉が目立ちます。

・夢やワクワクがどこよりも詰まっていた(理系・その他私立大)
・マイページを開くたびに、「遅い時間までお疲れ様です」など、その時間帯に合わせたメッセージが出てくる。また、社員の方々の楽しそうな写真も印象的(文系・上位私立大)

8位の講談社への評価では、選考過程の開示が評価されています。

・正確な選考情報をポップに表現されていた(文系・上位私立大)
・昨年実績など選考データが詳しく掲載されていた(文系・旧帝大クラス)

9位のアクセンチュアは、外資系コンサルらしさだけでなく、企業として目指したい方向性や取り組みの情報が評価されています。

・先進的なイメージを強く持てた。例えば、女性の社会進出やデジタルをいかに活用していくかという説明、どのようなシチュエーション下においてクライアントからアクセンチュアが必要とされるかについて分かりやすく書いてあった(文系・早慶クラス)
・企業として目指したい方向性や社会的価値提供について簡潔に明快に表示している。また、非常に見やすいホームページの設計をされていると感じた(文系・早慶クラス)

同じく9位の富士通は、採用ホームページに多くの社員が登場し、職種ごとや新入社員などの多様な切り口で説明している点が評価されています。

・男女ともにいろいろな視点からの魅力が書かれており、働くイメージがしやすかった(理系・上位私立大)
・職種ごとの社員インタビューが詳細であった(理系・中堅私立大)
・新卒の多様な個性を汲み取ろうとする姿勢を感じた (文系・旧帝大クラス)

情報量が多すぎても逆効果

一方、学生の評価が悪かった採用ホームページの理由はどうでしょうか。前項までに見てきた評価が高かった採用ホームページと真逆のつくりに対して、厳しい言葉が並びます。

・就活生向けの企業の紹介動画で福利厚生の話がメインで、実際の働き方や仕事内容が分からなかった。強みがない会社だと感じた(文系・旧帝大クラス)
・将来こうなる、という説明などがキラキラしすぎており、現実味がなかった(文系・その他私立大)
・アニメーションが多く見にくい、業務内容が伝わりにくい(理系・旧帝大クラス)
・デザインよりも内容を重要視していたのか、あまり力が入っていないように見えた(理系・その他国公立大)
・コンテンツが乏しいわけではなかったが、いくつかのブラウザに分かれたりして、煩雑で分かりにくい作りだった(文系・旧帝大クラス)
・反応が遅い、ゴチャゴチャしている、色が統一されていない(文系・上位私立大)
・タグが上部にずっと出ており、実際にページが見える範囲が狭かったので、とても見にくかった(理系・早慶クラス)
・複雑で分かりにくかった。欲しい情報にたどり着きにくい(理系・早慶クラス)
・何をしているのか分かりにくかった。カタカナが多かったから、いちいち検索するのが面倒だった(文系・上位私立大)
・情報量が多すぎて、伝えたいことが分かりにくかった(理系・上位国公立大)
・知りたいことがホームページに載っておらず、情報収集が困難だった(文系・早慶クラス)

採用ホームページを作る上でのポイントは、以下になりそうです。


(1)学生目線に立ったシンプルなデザイン・UIが考えられていること(アニメーションの多用は逆効果)
(2)情報量が多ければよいのではなく、分かりやすく整理され、必要な情報にたどり着きやすくなっていること
(3)職種やキャリア情報は、学生が将来をイメージできるものに
(4)企業としての価値観、メッセージが伝わること
(5)明解な選考情報があること


なお、つくりとして論外な採用ホームページへのコメントがこちらです。

・「募集期間中にも関わらず応募ページに進めなかった」(理系・上位国公立大)

2年連続トップのニトリ

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